ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

徳島マリンピアライオンズクラブ新春例会

2013年01月10日 | インポート

Raionnzu
1月10日(木)、1月の授業の始まった今日の夕方、徳島マリンピアライオンズクラブの新春例会の最初に、学生による書道パフォーマンスを依頼され、実施しました。

依頼されたのは、新春らしく、「寿」「夢」の2文字です。

これは、先月行った県議会玄関ロビーでの書道パフォーマンスに啓発されたライオンズクラブの方からお話があり、実現したものです。

夕方6時ごろに、県庁の隣にある徳島グランヴィリオホテル1Fの部屋で行われた新春例会では、約30名の徳島の実業家の皆さんが集まり、その前で2名の学生が「竜馬伝」のテーマソングに合わせて大きな2文字「寿」「夢」を一気に書き上げました。学生は1~2年生の女子学生4名が1月4日から準備をしていました。観客の皆様から大きな拍手を頂きました。

この文字は後日、このホテルのロビー奥の壁に展示されるとのことです。このホテルに行く機会がある方はぜひご覧ください。


京都・大阪

2013年01月08日 | インポート

Okamoto1月7日(月)・8日(火)、この2日間は京都・大阪・和歌山へ調査のための出張でした。

しばらく前から大学で取り組んでいる「亜墨漂流記」に関する資料集めです。これは鎖国時代の天保13年(1842)に犬吠埼沖で遭難し、漂流してメキシコまで行った栄寿丸乗組員13名の史実に関することです。このうち5名が日本に帰ってきました。この中に鳴門出身の初太郎がいたのです。これに関して昨年から四国大学の様々な学部の先生方がチームを作って7名で研究しています。今回はその中で4名が2日間の日程で、京都と和歌山の図書館の文献調査に行きました。

7日は、京都外国語大学の図書館に文献があるということで、朝早くバスで徳島を出て、夕方5時まで一日缶詰になって文献調査をしました。思った以上に多くの資料が見つかりました。写真は、その作業途中で食事をした学生食堂の壁面に飾られていた岡本太郎のレリーフです。題名は「眼と眼」というそうです。学生同士のコミュニケーションをテーマにしているのでしょうか。様々な国から人が集まる外国語大学ならではの作品です。岡本太郎の作品は1970年の大阪万博の「太陽の塔」以来ずっと好きですが、思わぬところで対面したので写真を撮ってきました。さすがに疲れていたのですが、この作品を見てエネルギーをもらえました。

Sennnitimae
この日は夕方まで図書館で過ごし、阪急電鉄で大阪まで移動して難波のビジネスホテルで宿泊しました。次の朝、南海電鉄に乗るために大阪の繁華街を歩いて移動しましたが、良い看板が多くて写真を撮りました。右は「千日前商店街」の看板です。古朴な雰囲気で上手な空間構成だと思います。商人の町、大阪らしさをよく表現しています。

Gannko

次のは法善寺の後ろにあったビルの壁にあった大看板です。4階建ビルの上から下まで覆うような巨大な平仮名の小字数看板です。これがもしなかったとしたら、電線がガシャガシャ見えるだけで殺風景だろうなと思います。夜はライトアップされるようで、また効果が高まるでしょう。これも大阪らしさが出ていると思いました。

このあと南海電鉄で和歌山市駅まで行き、近くの和歌山市立図書館でやはり4時間ほどを調査に費し、多くの複写をさせてもらって帰ってきました。この図書館には全国で唯一、海外移民や漂流に関する書籍ばかり大量に集めた部屋があり、全国でここでしかない資料をいくつも見ることができました。

今回は、本当に図書館での調査ばかりで、観光的な場所にはどこにも寄れませんでしたが、移動の途中で上記のような興味深い風景を見ることができました。


塩江美術館 風の伝言プロジェクトⅠ

2013年01月05日 | インポート

Sionoe1_21月5日(土)、高松の香川大学に用事があって出かけました。帰りは、塩江美術館に立ち寄りました。終了間際の16:40頃に着いたので、もう片付けの途中でしたが、もう一度照明を付けて見せてくださいました。

学芸員の橋本こずえさんとは、2年ほど前に藤沢東畡・南岳の作品の解読を依頼された時に知り合って、時々企画展のご案内をいただいています。

ここに来る前は、2年間メキシコで芸術の勉強をされていて、スペイン語がペラペラです。ご案内いただく企画も目の付け所がよく、視野のとても広い方だと感Sionoe2心しています。またご覧のとおり、とてもチャーミングな学芸員さんです。

現在行われている企画は「風の伝言プロジェクトⅠ」という題名です。2013年春に、香川県善通寺市にある香川小児病院と善通寺病院が統合され、「国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター」が開院します。この新しい医療センターでは、アートを取り入れることで入院患者や医療活動自体にエネルギーを与える取り組みをします。この医療センターのために全国127名の画家やSionoe3美術学生によって制作された300点の絵画作品を病院の壁のいろいろな場所
に飾るのだそうです。このうち80点の作品を借りて展示がなされていました。

この活動を主導されているのは、京都教育大学の日野陽子先生だそうです。また今回の企画展のアイデアは、もうお一人の学芸員の毛利さんが発案されたそうです。この方も私は何度かお会いしてお話したことがありますが、今日はご不在でした。

作品は小品が主体で、アクリル絵具・岩絵具・水彩・油彩・色鉛筆・コラージュなど、さまざまな技法で作られています。通常の展覧会だと、表現を競うぎすぎすした感じもするのですが、そういう感じが全くありません。署名をしてもしなくても良く、芸術家の真心で、楽しみながら書いているのが伝わってきます。

私も、病院にたまに行くときなどは、「白い壁ばかりで無機的な空間だ」と思うことが多いです。たまに絵や書が飾ってあると、なんとなくほっとします。こども病院の場合は特にこのような試みは効果があると思います。

私も、以前高校に勤務していたころは、学校の無機的な廊下空間を書作品で温かい空間に変える試みを続けていましたので、日野先生の活動には大変共感します。私の場合、現在は書で社会を変えようとする実験をしています。

この展覧会は2月3日(日)までやっていて、愛媛大学ミュージアムでも「プロジェクトⅡ」が行われているそうです。詳しくは下記のサイトをご覧ください。http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/20139.html

ぜひ一度ご覧下さい。とても心が温まります。おまけに塩江美術館のそばには、外来温泉である「行基の湯」もあって500円程度で入れます。塩江は温泉地として有名な場所なのです。今日も展覧鑑賞後は温泉に浸って体も温まって、ぽかぽかになって帰りました。

徳島から行く時は高速道路の脇町インターで降りて、一般道を高松空港へ行く途中にあります。


新年の横断幕

2013年01月05日 | インポート

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1月5日(土)、昨年末に徳島市の東新町商店街から、新年に飾る横断幕や垂れ幕の揮毫を依頼されました。短い時間でしたが、3~4年生の学生5名に頼んで一気に仕上げました。年末年始は徳島を離れて北九州市にいて、3日夕方に帰宅したので、展示されたのを見たのは初めてでした。

予想以上に商店街の雰囲気に合っていました。これは籠屋町との合流点の広場の上に設置された垂れ幕で、右には「迎春 東新町商店街」、左には「巳 謹賀新年 2013 四国大学書道文化学科 岡加奈枝書」と書かれています。幅1m、長さは5mあります。今回は、甲骨文と大篆をアレンジして創作されたものです。特に、干支を表す「巳」は、大蛇がうねりながら上昇するように、景気も上向くことをイメージして4年生の岡さんが創作しました。東新町商店街は昨今、チュロスカフェや、アニメ映画館などモダンな店舗が増えてきていますので、篆書の文字がけっこう合うのです。

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こちらは3年生の藤井 宏君お得意の蘇軾風行書で書いた「謹賀新年」です。躍動感ある作品です。

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次はその裏面に飾られた行書の「迎春」。揮毫者は3年生の神出なつみさんです。堂々と書かれています。

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次はおなじ「迎春」ですが、おおぶりな隷書で書かれています。これは3年生の石田里茉さんの作品。彼女の作品はいつも迫力いっぱいです。

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その裏面には3年生の石丸陽一君が隷書で書いた「謹賀新年」が飾られています。安定感があります。

今回は、クリスマスの時から杉の間伐材が柱に飾られていて、正月には書の横断幕と絶妙なコラボを見せました。

近代的なアーケードの建物の空間に自然の樹木と学生の書作品が入ると、森の中のように暖かな空間に早変わりします。とても不思議です。

東新町商店街でこのような大規模な横断幕は初めて展示させていただきました。今回の展示のために商店街の皆さんが、棒やロープなどを使って苦労して展示してくださった様子がよくわかりました。

今後もこのような形で書を活用してくださるとうれしいです。学生の書いたものは、決して完璧なものではありませんが、逆にその不完全な手作り感が温かいイメージを演出します。

東洋藝術は不完全さこそが命であって、その足りない部分を、観覧する人が頭の中で埋めながら見るところに価値があるのだと思っています。色のない水墨画に見る人が勝手に色を想像して見るようなところです。

学生の書の不完全さ、商店街の人が素人なりに一生懸命作った横断幕の器具などに、同様な価値があるのかもしれません。


三浦由城子書作展

2013年01月04日 | インポート

Miurayukiko11月4日(金)、新しい年が始まりました。本年もよろしくお願いいたします。

徳島市銀座商店街のギャラリー喫茶グレイス2Fで、三浦由城子さんの書作展が今日からあるとのご案内をいただき、別件の用事もあったので観覧させていただきました。

三浦さんは四国大学文学部書道コースの卒業生です。私は初対面でしたが、書道文化学科の教員であることを話すと、親しく学生時代のお話などもお聞きすることができました。

この喫茶店は、絵画・写真・書など様々な芸術作品の展覧会をさせてくれるところで、この日も20点以上の小作品が展示されていました。ここでの個展は17年前からすでに6回目を数えるとのことです。百貨店で個展をされたこともあるそうです。

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三浦さんは大学卒業後に県の教育委員会に短期間お勤めされて、その後ご結婚後は、実家の造園業のお手伝いをされる一方で、書作に励み、大字仮名の作品を公募展などで発表されていました。しかし、展覧会の書では一般の方には内容が伝わらないのを残念に思い、身近な言葉での小作品を個展で発表を続ける一方、看板やラベルなどの商業書道にも挑戦してきたそうです。

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「阿波尾鶏」や岩盤浴の看板や、鳴門の酒ラベル「田舎侍」、上勝の焼酎ラベル、水穂蒲鉾のラベルなどを手掛け、石碑の文字などもいくつか揮毫しているそうで、本学の書道文化学科が今、かかわっている商業書道・デザイン書道の開拓者のお一人であることがわかりました。

作品に使う言葉は、日常の生活の中で感じたことを書きとめておき、作品化するときはワンパターンにならないことと、美しい余白を生かすことに気をつけておられるそうです。

パネルは白い表具に、淡墨を中心にしたおしゃれな作品が多く、銀箔の上に墨で書かれたような渋い雰囲気のものもありました。

会場は土曜日は休廊で、それ以外は毎日1月31日(木)まで行われています。時間は10:00~18:00です。

会場:ギャラリー喫茶GRACE  徳島市銀座19-2 、TEL088-654-3448

このようなギャラリー喫茶は、お店の方が管理をしてくださいますから、個展をするにはとてもいいですね。ご本人は阿波市在住とのことですし、お仕事もありますから毎日は来られないと思いますが、時折はお会いできると思います。とても魅力的な方です。

このような個展を続けられていることが素晴らしいです。お聞きしたら、卒業する時にゼミの指導教官の亀石先生から「卒業しても必ず筆を持ち続けなさい。」と指導されたことを実践されてきたとのことでした。

ぜひご覧ください。