ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

徳島県議会ロビーでの書道パフォーマンス

2012年11月26日 | インポート

Kenngikai311月26日(月)、12:20~12:40、徳島県議会の玄関ロビーにて、四国大学書道文化学科の学生7名による書道パフォーマンスが実施されました。

私は授業があったので引率できず、辻先生にお願いしました。

県知事など県の中枢の方が居並ぶ前で、学生たちは一気呵成に書き上げました。

Kenngikai1最初は、大字2字です。「絆」「彩」の2字を書いています。彩を書いているのは1年生の女子学生です。

次に漢字かな交じりの大作がふたつ続きました。このように数名が一度に文章を書きます。

Kenngikai2最後に、大字2字を壁に引き上げて終了です。この2字は、1か月ほど展示されます。適度な変化があって、見ごたえがあります。

皆さんも、徳島県議会ロビーの作品をぜひごらんください。

この様子が、NHKと四国放送の2社の夕方6時のニュース番組で放映されました。

学生の生き生きしたパフォーマンスを今回はTV画面で鑑賞しました。この演技のあと、学生たちは飯泉知事さんと握手をしていただいたそうです。

今年は学生が外部で書道パフォーマンスを披露する機会がたくさんあります。学生にとっては、本当に良い経験になっています。ありがたいことです。


世界の踊りフェスティバル

2012年11月23日 | インポート

Suehiro11月23日(金)、14:00~17:00、徳島市のアスティとくしまに、「世界の踊りフェスティバル」を観に行きました。国民文化祭の一環で行われたこの行事は、スペイン・ドイツ・韓国・日本の踊りの競演です。

この実行委員会からの依頼で、ステージモニターに表示する「踊」の書を5種類、学生に書いてもらいました。作品は半紙に書Odoriいたものをスキャナーで取り込んで、モニターに映し出します。最初・休憩・最後の3回映し出された隷書の「踊」は全体の統一テーマのような作品で、本学書道文化学科の3年生、末廣智也君の作品です。本人も一緒に写ってもらいました。会場は観客でいっぱいです。

途中は文字部分が白で、最後に映されたのは文字部分が黒でした。


Kannkokubuyou_2
右は、韓国の扇の舞です。徳島の13番札所大日寺の住職でもある金昴先さんが率いる韓国舞踊団の扇の舞です。とても美しかったです。

Kannkokubuyou2_2
この踊りの紹介の場面で別な書風で書いた「踊」が数秒間映し出されました。これも他の学生に書いてもらいました。

Awaodori2
最後に行われているのは地元徳島の阿波踊りです。書道文化学科学生で阿波踊りをしている学生もこの中に2名います。

Awaodoriこの時にも異なる文字が映し出されています。これを書いているのは、また別な学生です。このほかに、スペインとドイツの発表時にも別な形態の書が映し出されました。実行委員会からは、それぞれの国の踊りのイメージを書で表現してほしいという、たいへん難しい注文を頂きました。学生はいろいろ考えて工夫して書いていました。

学生の書を、町に展示する活動を続けています。いろいろな形式に挑戦していますが、今回は、書作品そのものではなく、書作品をデータ・映像として活用する方式です。これだと、どんな巨大な文字も表現できますし、色も自由に変えられます。

このイベントのパンフレットにも4種類の形態の「踊」の書がグレーで印刷されて、とても良い効果をあげています。

ますます、書の活躍の場面が広がってきました。

さて、11月26日(月)、12:20~12:40 徳島県議会前ホールで、書道文化学科学生7名による書道パフォーマンスが行われます。この連休も学生たちは毎日練習しています。お楽しみに。


西上国蔵頌徳碑

2012年11月17日 | インポート

Img_058711月16日(金)午前、鳴門東小学校から依頼があって、鳴門大毛島に石碑の拓本採取指導に行ってきました。

この碑の名前は「西上国蔵頌徳碑」です。

8月に、この学校の4年生の担任の港先生から私に依頼があって、4年生でこの石碑を調査して劇にする学習をしているということで、漢文の解読をさせて頂きました。その後、石碑拓本を生徒たちにも体験させたいということで、この日の授業につながりました。写真は、表具用の刷毛で碑面に紙を打ち付けて凹みに紙を埋め込んでいる場面です。この後にタンポで拓本用の墨をたたいてつけて完成しました。約45分間かかりました。下の写真は、拓本が完成した直後の様子です。このあとはがします。白黒がはっきり出て、文字が読み易くなります。終わった後は、多少ついた汚れをきれいにふき取りました。

この碑は子孫の方が管理されており、拓本採取に関してもきちんと許可を頂いております。

この碑に関しては地元の方のブログに、より詳細な説明がありましたので、紹介させていただきます。http://blog.goo.ne.jp/pigeons-park/e/215b0d172edc69f79860cc62b8a2cf19Nisigami

西上国蔵さんは、幕末から明治にかけて、鳴門にサツマイモ栽培を広げた人で、碑では地域の人から「青木昆陽先生の再来」と呼ばれていたことが書かれていました。

私も鳴門金時は大好きで、最近、長野県にお土産にする時はもっとも喜ばれる産品で、よく購入します。

そのきっかけになった偉人の石碑をもとに、地域学習をして文化祭で劇まで発表したそうです。この日に拓本を採った生徒の中には、西上国蔵さんの子孫の男の子もいて、熱心に取り組んでいました。国蔵爺さんも、こんな良い子孫たちがいて、さぞかし喜んでいることでしょう。


芳藍祭 書道クラブ作品

2012年11月11日 | インポート

Kurabutenn111月11日(日)、芳藍祭の最終日です。朝からひどい雨と風で、来場者は少なく、露店や、ステージ発表の半分は中止になってしまい、頑張って準備をしてきた学生たちにはかわいそうな状況になってしまいました。

書道展は屋内ですので、天候の心配が要りませんが、やはり来場者数は例年よりも少なかったです。

多くの作品が展示されました。基本に忠実な臨書作品や、行草の創作作品が主ですが、ここでは、今までにないような創作作品を3点紹介します。Kurabutenn2右は、コブクロの歌の歌詞を作品化したもので、足跡は足に絵具をつけて歩いたものです。「行くしかないだろう!」という内容を表現するのに、よい効果をあげています。5名の合同作品です。

次も5名による合同作品です。墨で黒く塗った厚紙に、赤と白の絵具で書いたもので、英語と漢字かな交じりの合体作品です。落款の書き方が面白い。

Imaimami

最後は、自分で油絵を描いた上に、黒の絵具で書を書き入れた作品です。これを制作した今井麻美さんは、書道はもちろんですが、イラストも上手で、今年の芳藍祭のポスターの絵と文字も担当しています。

油絵は初めて描いたのだそうですが、なかなか高い表現力があると思います。

常識にとらわれずに、新たな表現形式に挑戦していくのが、若者ならではの作品です。紹介した3点は、いずれも絵具を併用して、作品の中に白黒以外の要素も加えています。

かつて上田桑鳩が絵具を使って書道作品を書いた時は、書壇がその革新的な発想に驚いたそうですが、今の若者も決して負けていません。

フランスのマルチ芸術家、ジャン・コクトーが次のような言葉を残しています。

「芸術に従って芸術を作ってはならぬ。」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC

芸術は、心を表現し開放することが第一の目的であり、そのための道具は何を使ってもよいのです。だから、音楽も美術も書道も同じ芸術科の中に入り、文学も華道も建築もあらゆる芸術的分野は共通の感覚での創作が可能だと思っています。

この言葉は、あまりに近視眼的に一つの芸術形式にはまることを戒めた言葉だと理解しています。

才能のある若者が次の時代の芸術を進化させていくのです。


第52回芳藍祭 書道パフォーマンス

2012年11月10日 | インポート

Shodopafo111月10日(土)、四国大学の第52回芳藍祭が始まりました。この土日が一般公開です。

書道クラブの学生の出し物、書道パフォーマンスが10:30~10:50の日程でありました。

全体が5部構成になっていて、右の写真は1班の発表です。書道に対する強い気持ちを作品化したものです。

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2・3班は大字作品です。2班は花の写真を一緒に見せるなどの工夫をしていました。

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3班は燦然という字の篆書で、白文・朱文の印をイメージしています。

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4班は「いきものがかり」の曲に合わせて、歌詞の一部を書いています。途中に楽しい踊りも見せてくれました。服はこの日のためにメンバーでそろえたそうです。

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最後は全員による創作です。今回の「パフォーマンス」のテーマである「百花繚乱」を作品化したもので、言葉のまとまりを最後に緑の線で囲んで、双葉の開いた様子を表現しています。

学生たちは何か月も前から、休日にも大学に来て準備して、この日の発表に至りました。観客の皆さんから「迫力があった。」「かっこよかった。」「感動した。」などの賞賛の言葉が飛び交っていました。

さまざまな色も使い、非常に見ごたえのある発表となりました。「書道パフォーマンス」という形式が一般にも認知され、書道が室内での静的な表現だけでなく、このような舞台での音楽に合わせた動的表現にも参画していくようになりましたが、メッセージは見る人により伝わるようになったように思います。

今後も書道の表現は原型を維持しながらも、このようにさまざまな分野の表現と融合しながらの進化系を加え、表現の幅を広げていくのだと思います。

今月は、11月26日(月)の昼休み、12:20~12:40、徳島県庁の県議会前の玄関ホールにて、書道文化学科7名の学生による2作品のみの書道パフォーマンスを披露することになっています。芳藍祭の発表よりはかなり縮小したものになりますが、議会傍聴の方は是非ご覧ください。