6月27日(日)です。コロナ禍でしばらく実施されていなかった徳島マルシェが、久しぶりに開かれました。従来は、毎月の最後の日曜日に実施されていたものです。今回のテーマが「藍」ということで、大学の地域連携課の安永先生や徳山さんから連絡をいただき、この日に都合のつく2年生の学生4名に協力を依頼しました。朝8時に大学に集合して、新町川公園に行き、テントの準備をしました。
漢那さんと上里さんが共同して「四国大学書道文化学科」の看板を藍墨で書いています。この藍墨は徳山さんが中心になって開発したもので、タデ藍を溶かした溶液から沈殿した泥状の物質から精製されたものです。多くのタデ藍から少ししか採れない貴重な墨です。
芦和さんと笠井さんが徳山さんに依頼された、藍製品の販売表示を書いています。隣のテントでは、生活科学科の学生の作成した藍製品を販売しています。
9時頃から、お客様が来始めました。お好みの言葉を学生が藍墨で、色紙やうちわに書かせていただいています。会話をしながら進めますので、コミュニケーション能力の訓練になります。
芦和さんがうちわに英文字を依頼されて書きました。
隣の飲食店舗で、早速使われていました。
笠井さんが作品を書いている時に、依頼した人が写真や動画を撮影しています。日常的には筆書きをする事が減ってきているので、その場面は珍しい映像になってきているようです。また作品を家族に見せたりするときに、その制作過程も一緒に見せるのだそうです。油絵などとは違って短時間で制作することができるので、動画も短くて済み、制作過程と作品をセットで鑑賞させられるのが書道の利点でもあります。
親子連れのお客様は、幼少のお子さんの氏名を書いてほしいという依頼が多かったです。中には、お子さんの似顔絵も加えてほしいという依頼があって、苦労してそれに応えていた学生もいました。このような時に、水墨画法の授業の経験も生きてきます。
4名の学生は、途中で2名ずつ交代しながらマルシェを見学したり、食事に行きました。午後になると、大学の他の学生も数名遊びにきて、色紙を書いたりお客様の呼び込みをして、また今後の機会に担当するための練習をしました。最後の片づけまで手伝ってくれたのはありがたかったです。
マルシェは14時ごろで終了しました。この日は天気も曇りで、人出も多く、色紙とうちわは、合計で48枚販売できました。
昨年入学した2年生は、コロナ禍のためにこのようなイベントでの揮毫の経験をさせられなかったので、彼らも今回が初めての経験でした。帰りの自家用車の中で、学生の一人がポツリと「作品を書いて喜んでいただくことが、こんなにうれしいこととは思いませんでした。」と感想を述べていました。これから彼らがさらに学習を深め技術を上げようとする、動機の一つになったことでしょう。
帰宅後に、妻が芦和さんに大きさと位置を指定して書いてもらったうちわを見ました。余白があると涼しそうです。
また、四国大学に隣接するブースは徳島県立城西高校でしたが、四国大学と共同で藍の研究をしています。様々な藍染製品を販売していたので、夫婦でマスクを1枚ずつ購入しました。私の好みの色です。
徳島では「藍の日」が7月24日に決められています。この日は全県で藍製品を身に着けることを推奨されています。
現在は、徳島だけでなく全国的に藍が注目されています。