ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

四国大学沖縄地区オープンキャンパスでの卒業生の書道パフォーマンス

2021年06月28日 | 日記
6月28日(月)、沖縄の卒業生、宇良樹希君から、写真が送られてきましたので掲載します。6月26日(土)に実施された、四国大学の沖縄地区オープンキャンパスにおいて、現地の卒業生の代表として宇良君が書道パフォーマンスを披露してくれました。コロナ禍で沖縄の非常事態宣言が延長されてしまったので、私はZoomで授業をし、彼の演技を直接見ることができず、残念に思っていたのですが、Line動画で送ってもらって見ることができました。
書道パフォーマンスのコンセプトや構成も送ってくれていて、在校生や高校生がこれから制作する時の参考になると思いますので、紹介します。作品の「設計図」にあたるものです。
彼は今は「南石」の雅号を名乗っています。





「挑戦」の方は気合が入りすぎて、少し字が大きくなってしまいましたが、「逢」の方は、コンセプトも構成も、線の表現も最高の出来だと思います。

さすが、かぜまーるで経験を積んだ宇良君です。

沖縄には、かぜまーるの仲間の玉城さんや仲井真さんも教員として活躍しているので、再びこのような機会があれば、ぜひ3人でのパフォーマンスも見てみたいと、思いました。

大学職員が数名、運営のために出張されていましたが、皆さん口々に「素晴らしかった」と感激しておられました。オープンキャンパスに参加してくれた高校生も楽しんでくれたと思います。本当にありがとうございました。





徳島マルシェ2021年6月

2021年06月27日 | 日記
6月27日(日)です。コロナ禍でしばらく実施されていなかった徳島マルシェが、久しぶりに開かれました。従来は、毎月の最後の日曜日に実施されていたものです。今回のテーマが「藍」ということで、大学の地域連携課の安永先生や徳山さんから連絡をいただき、この日に都合のつく2年生の学生4名に協力を依頼しました。朝8時に大学に集合して、新町川公園に行き、テントの準備をしました。


漢那さんと上里さんが共同して「四国大学書道文化学科」の看板を藍墨で書いています。この藍墨は徳山さんが中心になって開発したもので、タデ藍を溶かした溶液から沈殿した泥状の物質から精製されたものです。多くのタデ藍から少ししか採れない貴重な墨です。


芦和さんと笠井さんが徳山さんに依頼された、藍製品の販売表示を書いています。隣のテントでは、生活科学科の学生の作成した藍製品を販売しています。



9時頃から、お客様が来始めました。お好みの言葉を学生が藍墨で、色紙やうちわに書かせていただいています。会話をしながら進めますので、コミュニケーション能力の訓練になります。




芦和さんがうちわに英文字を依頼されて書きました。


隣の飲食店舗で、早速使われていました。


笠井さんが作品を書いている時に、依頼した人が写真や動画を撮影しています。日常的には筆書きをする事が減ってきているので、その場面は珍しい映像になってきているようです。また作品を家族に見せたりするときに、その制作過程も一緒に見せるのだそうです。油絵などとは違って短時間で制作することができるので、動画も短くて済み、制作過程と作品をセットで鑑賞させられるのが書道の利点でもあります。


親子連れのお客様は、幼少のお子さんの氏名を書いてほしいという依頼が多かったです。中には、お子さんの似顔絵も加えてほしいという依頼があって、苦労してそれに応えていた学生もいました。このような時に、水墨画法の授業の経験も生きてきます。





4名の学生は、途中で2名ずつ交代しながらマルシェを見学したり、食事に行きました。午後になると、大学の他の学生も数名遊びにきて、色紙を書いたりお客様の呼び込みをして、また今後の機会に担当するための練習をしました。最後の片づけまで手伝ってくれたのはありがたかったです。


マルシェは14時ごろで終了しました。この日は天気も曇りで、人出も多く、色紙とうちわは、合計で48枚販売できました。

昨年入学した2年生は、コロナ禍のためにこのようなイベントでの揮毫の経験をさせられなかったので、彼らも今回が初めての経験でした。帰りの自家用車の中で、学生の一人がポツリと「作品を書いて喜んでいただくことが、こんなにうれしいこととは思いませんでした。」と感想を述べていました。これから彼らがさらに学習を深め技術を上げようとする、動機の一つになったことでしょう。

帰宅後に、妻が芦和さんに大きさと位置を指定して書いてもらったうちわを見ました。余白があると涼しそうです。



また、四国大学に隣接するブースは徳島県立城西高校でしたが、四国大学と共同で藍の研究をしています。様々な藍染製品を販売していたので、夫婦でマスクを1枚ずつ購入しました。私の好みの色です。


徳島では「藍の日」が7月24日に決められています。この日は全県で藍製品を身に着けることを推奨されています。

現在は、徳島だけでなく全国的に藍が注目されています。


公園の植物

2021年06月26日 | 日記
6月26日(土)、年齢が上がってくると、植物の美しさが心に沁みます。
凌霄がますます花を増やしていました。


これも『蜀素帖』に登場する柏(はく)です。松の仲間で、コノテガシワと言われる植物ですが、夏に青い金平糖のような実をたくさん付けます。これが冬に稔って、茶色になって種子を吐き出すのですが、その様子が凌霄の花を真似しているようだと、米芾は詩の中で表現しています。


下の写真は以前に撮影した、冬のコノテガシワの実の様子です。小さな松ぼっくりのようなもので、小さな羽状の板の間に丸い種子が入っているのがおわかりでしょうか? この種子は鳥の大好物で、冬にはハトやスズメがよく食べています。


手のひらサイズの大きな葵の花が咲いていました。


クローバーの群落がますます大きくなって花もたくさん咲き、モンシロチョウが来ていました。また小さなオンブバッタやコオロギがこの葉を餌にしてたくさん育っています。植物が小さな昆虫や小鳥の命を支えていることがわかります。この公園は安全面を考慮して農薬を一切使っていないので、生物相が豊かです。でも公園の樹木は、通行人の邪魔にならないように定期的に剪定されています。公園整備の職員の皆さんが毎日、本当によく手入れをされています。時々、そこまで丁寧に切らなくてもいいと思うほどです。

日本では、野菜や植木の整斉の美を重視しすぎます。野菜であれば、形の曲がったものや、虫の食ったもの、色の異なったもの、傷が少しでもついたものは高く売れませんし、商品として販売すらできません。たとえ商品になったとしても安く買いたたかれます。だから、虫がつかないように、必死に農薬をまきますし、雑草が生えないように除草剤をまきます。これによって、危険な食品になって、生物相にも多大な悪影響を与えます。

もし、安全でしかも整斉な野菜を育てようとすれば、虫を人の手で退治したり、雑草を手で引き抜かねばなりませんから、育てる手間が2倍以上かかります。SDGsが重視される社会では、消費者が「整斉な形」の野菜を求める根本の美学を変化させ、食品としての中身の味や栄養を重視する方向に進まねばなりません。

書道の美学は極めて広いです。形のゆがんだものや個性的なものも充分に認められる幅を持っています。この美学こそがこれからの社会にとって大切だと考えています。


最近は、四葉を探すのが、ささやかな趣味になりました。この日も6枚見つけました。三葉が普通のクローバーの中では奇形なのですが、これこそ一種の個性です。時に、五葉・六葉・七葉なども見つかることがあります。
SDGsは、人も含めた多くの個性を認めながら、一歩足を止めて考えながら生きなければならない社会への提案なのではないかと思います。


実際に五葉も見つけましたが、葉同士が重なるので、日光を得るには不合理です。だから結果として三葉が多くなったのだと思います。四葉も少しだけ重なりができます。植物が無駄を省いていった結果が今の普通の形ですが、でも虫にいくつか食べられるリスクを考えれば、予備を作っておくのも意味があります。


公園の植木には、蜘蛛がたくさんいて、植木の表面が巣で大きな網をかけたようになっています。これで植木を食べる虫を捕まえて食べて生きているわけです。


それぞれ巣の中央には蜘蛛がいて、虫が来るのを待ち構えています。これが自然界の食物連鎖を利用した「生物農薬」です。だから公園には人間が農薬を撒く必要はないのです。



ヤマモモの実

2021年06月24日 | 日記
6月24日(木)です。数日前に、農産物直売所で、ヤマモモの実を買いました。
公園のヤマモモの実はとても小さく、直径1cmほどで、しかも酸っぱすぎて食べられないのですが、小松島市の櫛淵という地域で育てられているヤマモモは、江戸時代に中国人の僧侶が持参した種を育てた栽培種で、甘酸っぱいものです。それが1パックだけ販売されていました。直径は3cmほどあります。


形を見ると、確かに桃に似ており、内部に白い楕円形の種が入っていて、その雰囲気も桃そっくりです。しかし表面は細かい粒でできていて、キイチゴに近い感じです。


いつも6月末の2週間ほどしか店頭に並ばず、貴重な実です。とても体によさそうな酸味で、暑さ負けには効果があります。毎年食べられるわけではありませんが、月曜日の大学3年生や大学院の授業の折に、少しだけおすそ分けしました。

寒い地域には育たない暖地の植物です。日本の各地域には、その場所にしかない食文化もありますので、せっかくその場所に住むのであれば、そのような個性的な文化も楽しむのが良いと思います。

書によるスローガン

2021年06月22日 | 日記
6月22日(火)、運動公園の掲示板に、2022年度の四国総体のポスターが貼られていました。このスローガンの文字は、徳島県内の高校生の書が使われていますが、縦書きの標語は、今年、本学の書道文化学科に入学した大畠ひまりさんの作品でした。


このポスターは、これから1年以上使われるので、この書もあちらこちらで多くの人に鑑賞されることになります。

やはり、活字で印刷されているよりも確実に目立ちます。このようなところに積極的に書を使っていただくことで、書道という文化の魅力がより多くの方に伝わると思います。

様々なポスターなどに、今後もぜひこのような措置を講じて頂くことが、若者にも学習への意欲を高める教育効果があります。