ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

今日の見もの(プリンセス トヨトミ)

2013年10月13日 08時58分35秒 | 見もの

プリンセス トヨトミ
TOYOTOMI
2011年 119分 日本

日本映画がおもしろいのはわかっているが、見るならやはり金のかかっている方がとつい感じてしまい、洋画を見ることが多い。そんな日本映画の中でもこれは見たいと思っていた。詳しくは知らなかったが、豊臣家の末裔がとか大阪が国になって・・とかをちらっと聞いていた。

7月8日金曜日、午後4時――大阪が全停止した。

遡ること4日前の月曜日。東京から大阪に3人の会計検査院調査官がやって来た。税金の無駄遣いを許さず、調査対象を徹底的に追い詰め“鬼の松平”として怖れられている松平元。その部下で、天性の勘で大きな仕事をやってのけ“ミラクル鳥居”と呼ばれている鳥居忠子、日仏のハーフでクールな新人エリート調査官、旭ゲーンズブール。

彼らは順調に大阪での実地調査を進め、次の調査団体のある空堀商店街を訪れる。その商店街には、ちょっと変わった少年少女がいた。お好み焼き屋「太閤」を営む真田幸一と竹子夫婦の一人息子・真田大輔は、女の子になりたいという悩みを抱えていた。その幼馴染・橋場茶子は、大輔とは対照的に男勝りでいつも大輔を守っていた。そんな商店街を訪れた調査員一行は、財団法人「OJO(大阪城跡整備機構)」に不信な点を感じる。だが、徹底的な調査を重ねるも、経理担当の長曽我部にのらりくらりとかわされ、諦め始めた鳥居も「これでOJOが嘘をついているとしたら、大阪中が口裏を合わせていることになりますよ」と不満をもらす。そのとき、松平の脳裏にある考えが閃いた。「そうだ、大阪の全ての人間が口裏を合わせている……」

意を決して再びOJOを訪れた松平の前に現れたのは、お好み焼き屋「太閤」の主人・真田幸一。そして「私は大阪国総理大臣、真田幸一です」と発せられたその言葉に松平は耳を疑った……。※あらすじはネットより(改)

やはり日本映画には「情」がある。

米国映画には愛とか勇気とかあるだろうが、その愛とは個人的な物で、特定の人や家族に向けられた物が多く、その勇気とは、かっこいいがアメリカンフラッグに騙された無知さ加減を感じてしまうこともある。まぁそれは自分の勘違いとしよう。グローバルで普遍的な愛と勇気とみんな思うだろう。でも日本映画にある「情」とはちょっとニュアンスが違う。どう言っていいのかわからないが、どこか違う似て非なる物に感じている。

この映画、原作の小説があるみたいだ。映画化にあたり、ぴったりの役者が見つからないという大人の事情で変更になった部分がある。おかげで原作→映画の順で見た人には評判が悪い。私は映画を見たので何とも思わなかったが、何事も最初に惚れた方が強い。初恋の人に勝る人なんていないと言うこと。原作を先に読んだ人は、その評価は仕方ないだろうと思う。

私はと言えば、非常に楽しめた映画だった。

男の子が女装したり、それを幼なじみの女の子が助けたりはどうも違和感があるが、大阪国のことや最後に中井貴一(真田)が松平に語る(説得?)シーンは今でも心に残っている。私、駆け出しの頃の中井を見てそんなにいい役者と思わなかったけど、今は彼の映画なら見たい。いい表情だ。お好み焼きのキャベツを切るシーンはちょっと笑っちゃうけどね。

最初の言葉から最後のシーンまで、計算し尽くされた伏線は、まさに小説が源の故だろう。端から端まで、隅から隅まで、全部が楽しめるまさに『映画』だったと今感じている。

エンドロール、出演者に「大阪国の皆さん」と言うのも良かった。ホントに最後の最後まで楽しめた。

さて、この手の奇想天外さを馬鹿馬鹿しいととる人は、かわいそうに、やめた方がいい。映画として、小説として、楽しめる人にはお勧めだ。

たぶんこの後、一度親と真剣に話してみたくなるだろう。そんな時間を持てる大阪国を、心から羨ましく思うとともに、いつまでも続いて欲しいと言うのが今の私の心である。

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