《Change.org》
◆ 都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!
発信者:Ikeda Masumi 宛先:東京都教育委員会
◆ 都立入試にスピーキングテストが導入される?
東京都教育委員会はベネッセ・コーポレーションと協定を結び、令和4年度より都立高校入試においてスピーキングテストを導入しようとしています。
11月末に全ての中学3年生を対象に、タブレットから流れる問題に、一人ひとりが答えを録音し、業者により採点され、1月中旬に結果が返却され、都立高校入試に20点満点で加算される、というものです。
昨年度の大学入学共通テストに民間試験の導入が一度は決定されながら、採点の不公平性や教育の平等権などが確保できないことなどの理由により撤回に追い込まれた例と全く同根であり、決して導入されてはならないテストです。
◆ 中学3年生、約8万人分の公平な採点は不可能
スピーキングテストを客観的に評価するには膨大な時間と手間がかかります。入試のように短時間で結果を示す場合、「公平かつ客観的に評価できるのか?」という点が大いに懸念されます。
中学校現場で行われているスピーキングテストは、担当教師が生徒の状態をよく見極めて評価基準を設定し、担当者間で細かいすり合わせと話し合いを行い、適切な評価となるように努めています。
目の前の限られた人数の生徒に対してでさえ、これだけの労力をかけて行う評価を、東京都の中学3年生、約8万人の生徒に対して全く同じ基準で行うことは不可能です。
◆ 評価の信頼性への疑問
これまでに行われたプレテストの採点はフィリピンで行われたことが明らかになっています。
返却された生徒個人へのプレテストの採点結果には、得点とCEFR*、CEFR-J**に基づく評価とコメントが書かれていますが、どのような間違いがどれだけ減点なのかは不明です。
評価基準を見ると、「発音・流暢さ」の項目には3点満点中、「(抜粋)母語の影響を非常に強く受けている」だと1点、「母語の影響を強く受けている」だと2点とありますが、厳密な区別がつくのでしょうか? 短期間(45日以内)で、海外拠点において、公平で正確な採点を行うことは非常に難しいと思います。
*CEFR-ヨーロッパ言語共通参照枠(外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン)
**CEFRJ-CEFRを日本の英語教育に適用した枠組み
◆ 授業と英語教育への弊害、家庭の経済格差から学力格差へ
入試にスピーキングテストが導入されるとなれば、普段の授業でも、その対応が迫られます。教師も生徒も、文法的な正しさと英語らしい発音を強く意識しなければなりません。
「間違いを恐れずに話そう」「世界には多様な英語がある」と教えているのに、「入試は別」とする必要が出てくるのです。
正しさを気にして、生徒が間違いを恐れて委縮したり、コミュニケーションに消極的になったりしては、元も子もありません。
経済的に厳しい状況の家庭の子どもには、スピーキングテストが不利に働く可能性も大いにあります。保護者から、「学校でしっかり対策してもらわないと、塾に通える家庭の子と通えない家庭の子の間で差が出るのでは」との心配の声があがっています。
◆ 個人情報漏洩の危険性ついて
今年度実施されたプレテストでは、ウェブ上で生徒情報を登録する際、生徒の顔写真をアップロードすることを求められました。今年度は任意でしたが、来年度以降、公立中学校に通う生徒と都立入試受検予定者すべての名前と顔写真の情報、テスト結果が一私企業に委ねられることも看過できません。
過去にベネッセは情報漏洩が問題となったことがありました。大量の個人データを本当に安全に適切に管理できるのか、不安に感じる生徒や保護者も多くいます。
以上、都立高校という公教育のスピーキングテスト実施が、ベネッセという一民間企業に全面的に委ねられ、都立高校の入試に導入されることは、子どもたちにとって、進路を左右しかねない大きな問題です。
目の前の子どもたちがこのように公平性が不透明な入試を受検すると思うと、心が痛みます。
生徒間の経済格差も問題です。より公平で透明性のある入学試験を確保すべきであり、機械に吹き込んで測定できる狭義の「話す力」ではなく、「話す力」を含む真のコミュニケーション能力を育成する方法を考えていくべきだと私たちは考えます。
この問題は東京都だけの問題ではありません。東京都を足掛かりに全国に広がっていく可能性も大いにありますが、これだけ深刻な問題にもかかわらず、少数の関係者にしか知られていません。
都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会 代表 沖浜真治
『Change.org』
◆ 都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!
発信者:Ikeda Masumi 宛先:東京都教育委員会
◆ 都立入試にスピーキングテストが導入される?
東京都教育委員会はベネッセ・コーポレーションと協定を結び、令和4年度より都立高校入試においてスピーキングテストを導入しようとしています。
11月末に全ての中学3年生を対象に、タブレットから流れる問題に、一人ひとりが答えを録音し、業者により採点され、1月中旬に結果が返却され、都立高校入試に20点満点で加算される、というものです。
昨年度の大学入学共通テストに民間試験の導入が一度は決定されながら、採点の不公平性や教育の平等権などが確保できないことなどの理由により撤回に追い込まれた例と全く同根であり、決して導入されてはならないテストです。
◆ 中学3年生、約8万人分の公平な採点は不可能
スピーキングテストを客観的に評価するには膨大な時間と手間がかかります。入試のように短時間で結果を示す場合、「公平かつ客観的に評価できるのか?」という点が大いに懸念されます。
中学校現場で行われているスピーキングテストは、担当教師が生徒の状態をよく見極めて評価基準を設定し、担当者間で細かいすり合わせと話し合いを行い、適切な評価となるように努めています。
目の前の限られた人数の生徒に対してでさえ、これだけの労力をかけて行う評価を、東京都の中学3年生、約8万人の生徒に対して全く同じ基準で行うことは不可能です。
◆ 評価の信頼性への疑問
これまでに行われたプレテストの採点はフィリピンで行われたことが明らかになっています。
返却された生徒個人へのプレテストの採点結果には、得点とCEFR*、CEFR-J**に基づく評価とコメントが書かれていますが、どのような間違いがどれだけ減点なのかは不明です。
評価基準を見ると、「発音・流暢さ」の項目には3点満点中、「(抜粋)母語の影響を非常に強く受けている」だと1点、「母語の影響を強く受けている」だと2点とありますが、厳密な区別がつくのでしょうか? 短期間(45日以内)で、海外拠点において、公平で正確な採点を行うことは非常に難しいと思います。
*CEFR-ヨーロッパ言語共通参照枠(外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン)
**CEFRJ-CEFRを日本の英語教育に適用した枠組み
◆ 授業と英語教育への弊害、家庭の経済格差から学力格差へ
入試にスピーキングテストが導入されるとなれば、普段の授業でも、その対応が迫られます。教師も生徒も、文法的な正しさと英語らしい発音を強く意識しなければなりません。
「間違いを恐れずに話そう」「世界には多様な英語がある」と教えているのに、「入試は別」とする必要が出てくるのです。
正しさを気にして、生徒が間違いを恐れて委縮したり、コミュニケーションに消極的になったりしては、元も子もありません。
経済的に厳しい状況の家庭の子どもには、スピーキングテストが不利に働く可能性も大いにあります。保護者から、「学校でしっかり対策してもらわないと、塾に通える家庭の子と通えない家庭の子の間で差が出るのでは」との心配の声があがっています。
◆ 個人情報漏洩の危険性ついて
今年度実施されたプレテストでは、ウェブ上で生徒情報を登録する際、生徒の顔写真をアップロードすることを求められました。今年度は任意でしたが、来年度以降、公立中学校に通う生徒と都立入試受検予定者すべての名前と顔写真の情報、テスト結果が一私企業に委ねられることも看過できません。
過去にベネッセは情報漏洩が問題となったことがありました。大量の個人データを本当に安全に適切に管理できるのか、不安に感じる生徒や保護者も多くいます。
以上、都立高校という公教育のスピーキングテスト実施が、ベネッセという一民間企業に全面的に委ねられ、都立高校の入試に導入されることは、子どもたちにとって、進路を左右しかねない大きな問題です。
目の前の子どもたちがこのように公平性が不透明な入試を受検すると思うと、心が痛みます。
生徒間の経済格差も問題です。より公平で透明性のある入学試験を確保すべきであり、機械に吹き込んで測定できる狭義の「話す力」ではなく、「話す力」を含む真のコミュニケーション能力を育成する方法を考えていくべきだと私たちは考えます。
この問題は東京都だけの問題ではありません。東京都を足掛かりに全国に広がっていく可能性も大いにありますが、これだけ深刻な問題にもかかわらず、少数の関係者にしか知られていません。
都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会 代表 沖浜真治
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