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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教科書採択に向けて見本本の展示会が全国で一斉に開始

2015年06月19日 | こども危機
  =報道関係各位に訴える=
 ◆ 教科書展示会も見本本も問題点ばかり

高嶋伸欣です


 教科書採択に向けて見本本の展示会が全国で一斉に開始されていますがその実態は問題点ばかりですが、報道関係者はまったくの無関心?
 1)「どうせ開催してもほとんど見に来る人はいない(マスコミがさっぱり報道しないから)のだから、正直にやる必要はない」とばかりに、会場に鍵をカギをかけて中で職員が昼寝をしていたり(香川県内のケース)、届いているはずの「学び舎」の見本本がないので教育委員会にたしかめたところ「忘れていました」(滋賀県内)、あるいは「教科書センター」の展示用に送った2冊とも「調査員の資料作りを優先したので」展示の場には出していないなど、 乱脈の限りであることが、各地で「展示会に行こう」という呼びかけをしている人々から、次々に伝えられています。
 マスコミも、どうせ展示会に行く人はいないのだから無関心?

 2)教科書検定に合格した時の各社白表紙本を独占的に見ることができた記者クラブメンバーは万能の存在ではないとい自覚がどれくらいあるのか?白黒のコピーの束で見るよりは体裁の整った見本本で改めて見れば、より正確な点検が可能になり、新たな発見もある。
 今回もその一つに、中学公民の参政権記述で教育出版以外の6社すべてが「請願権」を憲法16条の「何人(なんびと)も」ではなく「国民は」と限定した記述にしていることの判明がある。
 そのような憲法違反の記述をした執筆者だけでなく、教育出版正確な「年齢、国籍に関係なく」という記述を見ていながら他社本の誤記に気づかなかった検定官や審議会委員は処罰ものではないのだろうか。
 しかもこの誤記はこれまで数十年間見落とされてきた可能性がある。この結果として、主権者として参政権を行使できるのは選挙の時ぐらいと思わされてきた若者が増えて、国家に従う雰囲気が定着したので選挙権年齢を18歳に引き下げても大丈夫! と自民党が判断するような状況を、公民教育がもたらしたのではないか? 否定できる教育関係者やマスコミ関係者はいますか?
 3)マスコミは検定合格時に一過性の報道をするぐらいでその後の教科書をめぐる動きにほとんど関心を示さないのが毎年のことだが、検定合格後にも各社は見本本作成の前に、さらに内容の書き換えを「訂正申請」によって実行している。それらの書き換えには話題性のあるものも少なくない。
 たとえば、作り話であることがほぼ判明している「江戸しぐさ」をコラムで強調していた育鵬社公民教科書に、検定意見が付かなかったが見本本では削除されている(意見を付けなかった検定官の責任を問うべきではないのか?)。やはり作り話であることが明確になった出来事として報道する意味のあるできごとではないのだろうか?
 それに代わって載った「フランス式庭園と日本庭園」のコラム(同書25ページ)も、要注意の代物だ。フランス式は「自然を支配して、人工的」と決めつけ、日本庭園は「自然と対立するのではなく、人間を自然の一部であるという日本人の自然観を表しています」という。
 今、流行のガーデニングのことなど無視した決めつけの先にあるのは、「フランス庭園などにある噴水は引力に逆らうもので、そこには水の乏しい地方を支配している権力者の力の誇示、征服の匂いがする。それと対照的に引力に逆らわずに流水を取り込んでいる日本の場合は言わずもがなであろう。日本は征服の歴史のない文化なのだ」という戦時中のアジア侵略を正当化した「皇国地政学」の論理の戦後版があることに、気づくべきではないのか?
 この西洋庭園と日本庭園の対比に巧妙にこじつけた論理を展開したのが元・千葉大学地理学教授の清水馨八郎氏(海兵学校の教官出身)で、その主張が1980年代の高校現代社会の教科書(好学者版)に登場したことがある。それに対して、地理教育研究会などが厳しく批判を展開したことなどもあって、同教科書は採択がわずかでしかなく、間もなく廃刊となった。
 その清水流「皇国地政学」が再び歴史修正主義者たちによって、中学教科書で蘇ろうとしている。
 ビジネス週刊誌の『週刊ダイヤモンド』も4月11日号で「地政学」特集を組んでいる。こうした動きが現実化していることを示している見本本の状況があるのに、マスコミは「教科書の内容の話題は検定完了時の報道で終わり!」という旧態依然の状況のままでいいのだろうか?
 4)この他にも幾つも見本本の公開を巡って露呈している問題がある。指摘されるのに依存するのではなく、調査報道で明らかにして欲しい。秘密保護法に抵触することなく掘り起こせる事例ばかりなのだから。
 教科書展示会に行くべきは教師、市民だけでなく報道関係者もではないのか?

 以上 文責は高嶋です。  拡散・転送は自由です

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