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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

4.20全国集会:新潟の闘い

2014年04月25日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《4・20全国集会資料から》 ―4.20全国集会への新潟からの報告
 ◆ 2014.3.12 新潟県人事委07・08年度被処分者の
   不利益審査請求に「請求棄却」の不当裁決

「日の丸・君が代」新潟被処分者を支える会 副代表 田中 弘

 2014年3月12日、新潟県人事委員会は、2007年度・2008年度の卒業式・入学式で、「君が代」斉唱時に不起立だった阿部裕孝さんに対する2回の戒告処分に対する処分撤回を求める不利益審査請求について、「請求棄却」の不当裁決を行った

 棄却の主な理由は、
  ・当時の校長による、起立を命じる「職務命令」は「お願い」であっても成立していた。
  ・思想・良心の自由の侵害については、「強制や不利益処分も可能な限り慎重に行われるべきものであり、憲法上これを許容しうる程度の必要性及び合理性が認められなければならない」としつつも、「職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる間接的制約の態様等を総合的に較量すれば、間接的制約を許容しうる程度の必要性及び合理性が認められる」とした。
  ・「学習指導要領(国旗・国歌条項)は、教育の内容及び方法について遵守すべき大綱的基準として法的拘束力を有するものであり、その適正実施のための指導や職務命令の発令根拠となる」
  ・県教育委員会の通知は、「教職員に対し、一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制する不当な支配に当たらず、教育基本法第10条第1項に違反するものであるということはできない」
  そして、「請求人が本件不起立を行った歴史観等の程度や、卒業式等の進行に影響がなかったことを踏まえてもなお、それ自体軽微な非違行為とはいえない」として戒告処分は、「社会通念上妥当性を欠くとはいえない」とした。
 2011年に出された田中案件の裁決とほぼ同じ内容であった。
 「憲法については、統治権力を市民社会に従属させるべく、法文面より市民の意思を参照し、法律については、統治権力による恣意的運用を抑止すべく法文面を参照する、という理路である」(宮台真司)べきなのに、国旗・国歌法、学校教育法、教育基本法、地公法、果ては学習指導要領の法的拘束性まで援用して、憲法19条の精神を下位法で否定したのである。
 そして、私たちは日本の戦後処理の総括がどうなされたのかという県教育委員会の歴史観を問うことと、思想・良心の自由には、「一般的、合理的」などという表現ではなく、個別的に問うべきであると主張してきたが、裁決では全くその点を無視した。
 ◆ 日の丸・君が代処分以降、何が変わったか
 2006年の処分以降、新潟では職場がそれまで職員が協働してきた体制が管理職の命令体制で、強制的に、急速に変貌していった記憶がある。校務分掌委員会の廃止、人事考課制度、副校長制,主任制、主幹制が導入された。
 当時の石原東京都知事のいう「東京が全国を変える」という掛け声が見事なまでに一地方にまで貫徹していった。新潟では、この「日の丸・君が代」処分がきっかけだったのである。
人事委員会への提訴以後、支援の輪が現場からは生まれたとはいえず、現場の閉塞感がそのまま審理の場に持ち込まれた。
 私は今、日本の戦後処理として、戦争のシンボルとしての「日の丸・君が代」をまさにポピュリズム的に「儀礼的所作」とする権力の動向に、私はフクシマ原発事故後の処理を3年で再稼働しようとする権力の無責任性を重ねてみている。その意味でもアベノミクスは否定されなければならない。
 ≪新潟における「日の丸・君が代」処分の経過≫
・2006年2月末…新潟高教組はそれまでの「立たず歌わず」の方針を放棄
・2006年3月、4月の卒・入学式で不起立という理由で…34名の高校教諭を処分(4名が戒告処分、30名が文訓→主にそれまで連続して不起立だった回数などがその理由である)
・同年7月…不利益処分を不服として戒告処分の4名のうち2名が人事委員会に提訴(A)→うち1名は途中で提訴取り下げる。以後、田中弘案件として審理。
・2007年4月…卒業式の不起立者2名戒告処分(この年から1回の不起立に対して戒告処分が出される)
・同年6月…うち1名人事委員会に提訴(B)
・同年4月…入学式で不起立2名、1名戒告、1名は文訓(実習教諭で主に授業をしていないことを理由にした)
・同年6月…人事委員会に提訴(C)→(B)(C)は同一人で提訴後、まとめて審理、以後 阿部裕孝案件として審理。
・2008年の卒業式1名不起立戒告処分
 以上が新潟における処分の経過であり、その後処分はない。従って、人事委員会提訴を闘ったのは2件であった。
・2011年12月…(A)田中弘案件に請求棄却の裁決
・2012年6月…(A)再審請求(裁定で県教委は4回連続不起立で戒告処分を下したにもかかわらず、前半の2回については、人事委は職務命令を認めず。後の2回について、行動を共にした同僚が文訓であったので処分の不公平性があるとして再審請求。)
・2012年8月…(A)再審請求を棄却(「社会通念上妥当性を欠くとはいえない場合に、どのような措置をとるかについては、処分庁に委ねられる」)決定書
・2014年3月…(B),(C)阿部裕孝案件に請求棄却の裁決


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