【都政新報】から
■ 都議会総務委員会・事務事業質疑
前特別秘書問題で大荒れ 自民党が厳しく追及
石原前知事の特別秘書2人を専門委員に任命した人事について、15日の都議会総務委員会は、自民党を中心に各会派から厳しい批判が噴出するなど大荒れとなった。自民党の川井重勇氏の質疑は約1時間40分に及ぶなど異例の激しい攻防が繰り広げられた。
一方、自民党都連は知事選で独自候補の擁立が不調に終わり、党本部へ対応を一任。総務委で自民党は今後もこの間題を引き続き取り上げる方針で、知事選後へ大きなしこりを残したまま、党本部が推す猪瀬直樹副知事の支援へと回ることになる。
■ しこり残し猪瀬氏支援へ
「経歴的にも専門性があるか疑わしい元特別秘書を、専門委員として都に残すのでは院政と言われかねない」
石原前知事の特別秘書だった兵藤茂氏と高井英樹氏が1日付で都の専門委員に任命されたことについて、川井氏は2時間近い質疑で痛烈に批判した。
さらに人事を起案した知事本局に対しても「事務方として、適切なアドバイスを(知事に)すべきだったのではないか」と述べた上で、任命の経緯や適法性の認識などをただした。
知事本局側は、川井氏の質問全てに局長が答弁。複数の部長が挙手しても川井氏が「あなた方には聞いていない」と一蹴する場面があるなど、委員会室は緊迫した空気に包まれた。
局長答弁によると、石原前知事が2人の特別秘書の専門委員就任の意向を知事本局に示したのは10月25日。
「辞職する知事による専門委員の任命は、都でも全国的にも例がなく、慎重に検討した」といい、30日に前知事が決定した。
都側は手続きの適法性を強調。
また、委託事項は「産業力・都市力の向上に関すること」(兵藤氏)、「都市外交に関すること」(高井氏)とされているが、2人の専門性についても「長年、石原前知事と密接に行動しており、妥当な専門性があると判断した」と説明した。
さらに川井氏は、職務代理者である猪瀬直樹副知事が1日付で任命したことに関する適法性にも疑問を強調。「知事の不在が明白なのに、長の付属機関である専門委員を任命した。職務代理者としてやってはいけないこどをやってしまった」と批判した。
これに関連して、08年から専門委員に就いている猪瀬氏の秘書にも言及。
猪瀬氏の個人事務所に属していた経歴などから、「石原さんも猪瀬さんも、秘書の食いぶちを公金で賄っているのですかと都民が疑念を持てば、都政の信頼を失うことになる」(川井都議)と指摘した。
局長は「様々な意見があるのは十分に承知している」と述べたが、川井氏は「この問題は今後大きな議論を残すことになるだろう」と述べ、参考人招致なども視野に入れて、都議会の「次のステージ」で扱うべきだと動議を提起した。
約2時間にわたって議事を中断し、理事会で協議した結果、今後の検討方法などを理事会として取り上げることで再開となった。
質疑終了後、議会関係者は自民党の猛批判について「石原氏のやりたい放題への怒りもあるが、知事選後をにらんだ新知事と局への牽制ではないか」と感想を話した。
質疑の終盤で川井都議は「知事なんてどんどん代わるし、執行機関と議会が力を合わせて都政を前に進めることが大切。その都政が信頼を失うのは残念だ」と言い、「『都民のため』という大義を忘れてはいけない」と主張。
さらに「何でもかんでも知事の指示に従えばいいわけではない」と指摘する一方、「これは石原さんの問題。本来はあり得ない指示だ」と述べるなど都側へ理解も示した。
専門委員の人事は庁内で疑問視する声も多く、他会派も今回の人事を強く批判しており、15日の総務委員会質疑では、吉田信夫氏(共産)、星裕子氏(生ネ)が相次いで人事を取り消すべきだと主張した。
都知事選で、自民党都連は独自候補の擁立を模索したが「時間切れ」。16日の議員総会では、侯補者の人選や交渉を党本部に一任することで決着し、党本部として猪瀬氏支持を決定した。
都連の内田茂幹事長は同日、「独自候補を出せなかったのは残念だが、知事選とその後の都政運営は別だ」と述べて、「都議補選などで議会の過半数を固めて大事な予算審議などに備えたい」と「第2ラウンド」への意欲を示した。
その一方、都幹部からは「都議会自民党はここからが踏ん張りどころ。今のようにたがが緩んだままでは(新知事に)見くびられる」という声も出ている。
今回の2人の専門委員任期は13年3月31日まで。任期満了で継続しないとしても、今年度内は問題の火種がくすぶり続けるのは必至の情勢だ。
『都政新報』(2012/11/20)
▼ 「石原氏院政」批判で?特別秘書2人、都を辞職
石原慎太郎・前東京都知事の辞職後、都専門委員として残留していた石原氏の特別秘書の兵藤茂、高井英樹両氏が21日に辞職した。2人は辞職理由を明らかにしていないが、都議会から「石原前知事の院政につながる」などと批判が出ており、11月分の報酬(33万5000円)の受け取りも辞退したという。
2人の任用は石原前知事が決定。兵藤氏は「産業力・都市力」、高井氏は「都市外交」に関する調査研究がそれぞれ担当だった。
『読売新聞』(11月22日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121121-OYT1T01209.htm
■ 都議会総務委員会・事務事業質疑
前特別秘書問題で大荒れ 自民党が厳しく追及
石原前知事の特別秘書2人を専門委員に任命した人事について、15日の都議会総務委員会は、自民党を中心に各会派から厳しい批判が噴出するなど大荒れとなった。自民党の川井重勇氏の質疑は約1時間40分に及ぶなど異例の激しい攻防が繰り広げられた。
一方、自民党都連は知事選で独自候補の擁立が不調に終わり、党本部へ対応を一任。総務委で自民党は今後もこの間題を引き続き取り上げる方針で、知事選後へ大きなしこりを残したまま、党本部が推す猪瀬直樹副知事の支援へと回ることになる。
■ しこり残し猪瀬氏支援へ
「経歴的にも専門性があるか疑わしい元特別秘書を、専門委員として都に残すのでは院政と言われかねない」
石原前知事の特別秘書だった兵藤茂氏と高井英樹氏が1日付で都の専門委員に任命されたことについて、川井氏は2時間近い質疑で痛烈に批判した。
さらに人事を起案した知事本局に対しても「事務方として、適切なアドバイスを(知事に)すべきだったのではないか」と述べた上で、任命の経緯や適法性の認識などをただした。
知事本局側は、川井氏の質問全てに局長が答弁。複数の部長が挙手しても川井氏が「あなた方には聞いていない」と一蹴する場面があるなど、委員会室は緊迫した空気に包まれた。
局長答弁によると、石原前知事が2人の特別秘書の専門委員就任の意向を知事本局に示したのは10月25日。
「辞職する知事による専門委員の任命は、都でも全国的にも例がなく、慎重に検討した」といい、30日に前知事が決定した。
都側は手続きの適法性を強調。
また、委託事項は「産業力・都市力の向上に関すること」(兵藤氏)、「都市外交に関すること」(高井氏)とされているが、2人の専門性についても「長年、石原前知事と密接に行動しており、妥当な専門性があると判断した」と説明した。
さらに川井氏は、職務代理者である猪瀬直樹副知事が1日付で任命したことに関する適法性にも疑問を強調。「知事の不在が明白なのに、長の付属機関である専門委員を任命した。職務代理者としてやってはいけないこどをやってしまった」と批判した。
これに関連して、08年から専門委員に就いている猪瀬氏の秘書にも言及。
猪瀬氏の個人事務所に属していた経歴などから、「石原さんも猪瀬さんも、秘書の食いぶちを公金で賄っているのですかと都民が疑念を持てば、都政の信頼を失うことになる」(川井都議)と指摘した。
局長は「様々な意見があるのは十分に承知している」と述べたが、川井氏は「この問題は今後大きな議論を残すことになるだろう」と述べ、参考人招致なども視野に入れて、都議会の「次のステージ」で扱うべきだと動議を提起した。
約2時間にわたって議事を中断し、理事会で協議した結果、今後の検討方法などを理事会として取り上げることで再開となった。
質疑終了後、議会関係者は自民党の猛批判について「石原氏のやりたい放題への怒りもあるが、知事選後をにらんだ新知事と局への牽制ではないか」と感想を話した。
質疑の終盤で川井都議は「知事なんてどんどん代わるし、執行機関と議会が力を合わせて都政を前に進めることが大切。その都政が信頼を失うのは残念だ」と言い、「『都民のため』という大義を忘れてはいけない」と主張。
さらに「何でもかんでも知事の指示に従えばいいわけではない」と指摘する一方、「これは石原さんの問題。本来はあり得ない指示だ」と述べるなど都側へ理解も示した。
専門委員の人事は庁内で疑問視する声も多く、他会派も今回の人事を強く批判しており、15日の総務委員会質疑では、吉田信夫氏(共産)、星裕子氏(生ネ)が相次いで人事を取り消すべきだと主張した。
都知事選で、自民党都連は独自候補の擁立を模索したが「時間切れ」。16日の議員総会では、侯補者の人選や交渉を党本部に一任することで決着し、党本部として猪瀬氏支持を決定した。
都連の内田茂幹事長は同日、「独自候補を出せなかったのは残念だが、知事選とその後の都政運営は別だ」と述べて、「都議補選などで議会の過半数を固めて大事な予算審議などに備えたい」と「第2ラウンド」への意欲を示した。
その一方、都幹部からは「都議会自民党はここからが踏ん張りどころ。今のようにたがが緩んだままでは(新知事に)見くびられる」という声も出ている。
今回の2人の専門委員任期は13年3月31日まで。任期満了で継続しないとしても、今年度内は問題の火種がくすぶり続けるのは必至の情勢だ。
『都政新報』(2012/11/20)
▼ 「石原氏院政」批判で?特別秘書2人、都を辞職
石原慎太郎・前東京都知事の辞職後、都専門委員として残留していた石原氏の特別秘書の兵藤茂、高井英樹両氏が21日に辞職した。2人は辞職理由を明らかにしていないが、都議会から「石原前知事の院政につながる」などと批判が出ており、11月分の報酬(33万5000円)の受け取りも辞退したという。
2人の任用は石原前知事が決定。兵藤氏は「産業力・都市力」、高井氏は「都市外交」に関する調査研究がそれぞれ担当だった。
『読売新聞』(11月22日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121121-OYT1T01209.htm
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