▼ おそろしくズサンな日比谷高校改修工事計画
~実は杜撰な教育庁の「大規模改修工事」にご注意!
現在、日比谷高校では以下のような、驚くほど無計画な工事が進められようとしております。皆様の学校でも同様のことが起きるかもしれませんので、ご参考までにご周知申し上げたく、一文をしたためました。
1.当座の環境も、完成後の環境も悪化する無計画工事に、総工費30-40億円もかけるムダ
(1)無計画その1:
* 単なる給排水管の更新工事に、数億円のプレファブ仮校舎
昭和50年代に建てられた現校舎の給排水/女子便所の増設等の大改修を行います。ところがそのために、校庭に数億円投じてプレファブ仮校舎をつくり、グラウンドは別途賃借するという。
⇒ ※ 配管等の工事は、確かに必要。
※ しかし通常は、夏期休暇などで集約的に工事すればすむもの。
※ 耐震工事は既に済んでいる。
(2)無計画その2:
* まだ使える立派な講堂を壊しておきながら、既存体育館をたった15mの増築で済ます無計画
貧相な体育館を「講堂」にすべく、既存体育館の東側構造壁を切り落とし、15m程度=ワンスパン(しかし三階建)の増築をし、改造をする。
(なぜ貧相になったかは、下記●経緯(その3)を参照)
⇒ ※建築計画としては極めてナンセンス。
※舞台/女子更衣室等の増設が口実ですが、校内に因縁の「空地」がありその利用を考えるべき
以上、総工費30-40億円で、当座の生徒の学習環境が悪化する一方、爾後まったくストックとならない。これでは「ばらまき安普請」ではないか。
2. 建築計画においても一方的な教育庁
この愚かしい計画(上記の(2)と(1)の工事のやり方)は、2009年3月までいた校長が秘密裏に、都の担当吏員と話を進めていたもので、この4月着任の新校長は、計画に「?」という意識をもっているものの、校長-都教育庁の交渉では都教育庁が「ここでごちゃごちゃいうと、給排水工事もやらないぞ」と 脅しにかかり、「進学成果が上昇している時期に工事・・」と学校が難色を示すと、「体育館の増築を先、配管工事を後とする」という姑息の策を出してきて、校長も大分参っているようですが、この辺が彼等の限界でしょう。
●ここに至る十余年の経緯-教育庁との戦い
(その1)
上記文章中の「空地」は実は、昭和50年代の現校舎改築時に、旧校舎の遺構として残され、式典、部活、講演会、合唱祭などに活用されていた「旧講堂」の跡地で、平成6年秋(鈴木都政末期)に「老朽化」「解体費がついたから執行する」として取り壊しが強行されてしまいました。
解体時の調査の結果、躯体には全く損傷/劣化がなく、全くの「壊し損」状態です。
この時、同窓会として「危険ならば、その応急措置はやる」と都に申し入れたところ、青島都政下「同窓会等からの寄付行為は認めない」(当時)と突っぱねられ、石原都政になってからは、今度は「建物丸ごと寄付してくれるならどうぞ」というネコの目、ずるい豹変で、怒り心頭です。
あげく、過日の学校との会談では「今なら保存しただろう」「タイミングが悪かった」でスルー という不見識です。
これには呆れました。
解体強行された講堂の設計は岡田信一郎で、日本建築学会の『近代建築総覧』で「重要」とされ、永年、学校の象徴でした。
当時、執行停止の訴訟でもやればよかったのですが、「穏健に」ということで「再現可能な実測」「建築材料の保存」を行い、その折、都/学校/同窓会で「学校に造作ある時は、この再現の方針を踏まえてオープンに協議する」 「可及的速やかに再建」という協約があったのですが、上記の通り、全くの「反故」とされました。
これに関して「古証文」と都は開き直っています。
(その2)
都立学校の施設要件で、東京都は極めて「貧弱な内規」を定めていて、◆タイルばりダメ、◆単立講堂はダメ・・・など周辺他県に比べてひどいものです。
(非常に貧相、かつ教条的で、建築家からも大不評です)
3. 部活の場所にも困っている。
上の旧講堂解体強行以来、式典等は砂防会館を賃借、オケ部らは練習場所に困り、小集会や講演をやる場所もなく、現状は*「非常に貧相な学校」と化しています。
4.建築的にも合理性に欠く
旧講堂があったため、現校舎建築時に、設計者は多目的室、視聴覚室などを造らず、その機能を「旧講堂」に宛てていたにもかかわらず、解体後は「放置」です。
あげく、現況で書いたような、全く建築計画としては愚の骨頂たる、貧相な増築を企図しています。
(従前の講堂のような複合・多様な使い方は全く出来ない)
そこで我々は、垂直1スパンの凸状の無駄な増築ではなく、従前の協約に従って、「多目的/視聴覚室」として、旧講堂敷地に建てることを再三提案し、試算まで出しているのですが、東京都教育庁、ならびに学校当局を含め、全くダメです。
いっぺん「決めた」となると、テコでも動きません(建築の延べ床面積、要求する用途、工費などほぼ同等)。
これは十余年前の「解体待った」のときと全く変わってません。
※下手をすれば、変な「成果主義」でより悪化している気もします。
(その4)
現在、陸続と「新築」ではなく、この手の姑息な「改修」が予定されている旨を仄聞しますが、上記の通り、あるいは近年の戸山高校の苦難のように、「生徒のため」と云いながら実体は、工事規模をあえて貧相なものとする=中小工事会社へのばらまきの口実になっている懸念があります。
5.保護者、都民が声を上げよう
各工事、各学校の事情に配慮した「適正な工事」であるのか、緊急に、逐一点検する必要があると思われます。
学校長らも、事実上は教育庁の出先のようになっていますから、改修のお金をもらえるだけ有り難い、という貧しい根性、保身の体たらくで、まったく中長期の学校への影響、各学校の個性、伝統への配慮等、念慮の外、といってさしつかえないと思われます。
保護者、あるいは、同窓会が「第三者」として監視/工事内容の検証をしないととんでもないことになる、という焦りのみが残ります。
以上、長くなりましたが、場合によっては、教育庁のこの貧相な発想/硬直/独善に一太刀あびせないといけないのかもしれません。
とにかく、上記(その4)で書いた、各学校の「改修名目の工事」の当否を各校で検討なさる(情報を早くださせる)ことが急務と存じます。
各校でも情報がありましたら下記までお寄せください。
川西崇行(如蘭会[日比谷高校同窓会]評議員/早大講師)
連絡先 passionbwv244@yahoo.co.jp
『都立高校保護者のつぶやき』(2009/10/1)
http://blog.goo.ne.jp/toritsuhogosha/
~実は杜撰な教育庁の「大規模改修工事」にご注意!
[日比谷高校同窓会]評議員
川西崇行
川西崇行
現在、日比谷高校では以下のような、驚くほど無計画な工事が進められようとしております。皆様の学校でも同様のことが起きるかもしれませんので、ご参考までにご周知申し上げたく、一文をしたためました。
1.当座の環境も、完成後の環境も悪化する無計画工事に、総工費30-40億円もかけるムダ
(1)無計画その1:
* 単なる給排水管の更新工事に、数億円のプレファブ仮校舎
昭和50年代に建てられた現校舎の給排水/女子便所の増設等の大改修を行います。ところがそのために、校庭に数億円投じてプレファブ仮校舎をつくり、グラウンドは別途賃借するという。
⇒ ※ 配管等の工事は、確かに必要。
※ しかし通常は、夏期休暇などで集約的に工事すればすむもの。
※ 耐震工事は既に済んでいる。
(2)無計画その2:
* まだ使える立派な講堂を壊しておきながら、既存体育館をたった15mの増築で済ます無計画
貧相な体育館を「講堂」にすべく、既存体育館の東側構造壁を切り落とし、15m程度=ワンスパン(しかし三階建)の増築をし、改造をする。
(なぜ貧相になったかは、下記●経緯(その3)を参照)
⇒ ※建築計画としては極めてナンセンス。
※舞台/女子更衣室等の増設が口実ですが、校内に因縁の「空地」がありその利用を考えるべき
以上、総工費30-40億円で、当座の生徒の学習環境が悪化する一方、爾後まったくストックとならない。これでは「ばらまき安普請」ではないか。
2. 建築計画においても一方的な教育庁
この愚かしい計画(上記の(2)と(1)の工事のやり方)は、2009年3月までいた校長が秘密裏に、都の担当吏員と話を進めていたもので、この4月着任の新校長は、計画に「?」という意識をもっているものの、校長-都教育庁の交渉では都教育庁が「ここでごちゃごちゃいうと、給排水工事もやらないぞ」と 脅しにかかり、「進学成果が上昇している時期に工事・・」と学校が難色を示すと、「体育館の増築を先、配管工事を後とする」という姑息の策を出してきて、校長も大分参っているようですが、この辺が彼等の限界でしょう。
●ここに至る十余年の経緯-教育庁との戦い
(その1)
上記文章中の「空地」は実は、昭和50年代の現校舎改築時に、旧校舎の遺構として残され、式典、部活、講演会、合唱祭などに活用されていた「旧講堂」の跡地で、平成6年秋(鈴木都政末期)に「老朽化」「解体費がついたから執行する」として取り壊しが強行されてしまいました。
解体時の調査の結果、躯体には全く損傷/劣化がなく、全くの「壊し損」状態です。
この時、同窓会として「危険ならば、その応急措置はやる」と都に申し入れたところ、青島都政下「同窓会等からの寄付行為は認めない」(当時)と突っぱねられ、石原都政になってからは、今度は「建物丸ごと寄付してくれるならどうぞ」というネコの目、ずるい豹変で、怒り心頭です。
あげく、過日の学校との会談では「今なら保存しただろう」「タイミングが悪かった」でスルー という不見識です。
これには呆れました。
解体強行された講堂の設計は岡田信一郎で、日本建築学会の『近代建築総覧』で「重要」とされ、永年、学校の象徴でした。
当時、執行停止の訴訟でもやればよかったのですが、「穏健に」ということで「再現可能な実測」「建築材料の保存」を行い、その折、都/学校/同窓会で「学校に造作ある時は、この再現の方針を踏まえてオープンに協議する」 「可及的速やかに再建」という協約があったのですが、上記の通り、全くの「反故」とされました。
これに関して「古証文」と都は開き直っています。
(その2)
都立学校の施設要件で、東京都は極めて「貧弱な内規」を定めていて、◆タイルばりダメ、◆単立講堂はダメ・・・など周辺他県に比べてひどいものです。
(非常に貧相、かつ教条的で、建築家からも大不評です)
3. 部活の場所にも困っている。
上の旧講堂解体強行以来、式典等は砂防会館を賃借、オケ部らは練習場所に困り、小集会や講演をやる場所もなく、現状は*「非常に貧相な学校」と化しています。
4.建築的にも合理性に欠く
旧講堂があったため、現校舎建築時に、設計者は多目的室、視聴覚室などを造らず、その機能を「旧講堂」に宛てていたにもかかわらず、解体後は「放置」です。
あげく、現況で書いたような、全く建築計画としては愚の骨頂たる、貧相な増築を企図しています。
(従前の講堂のような複合・多様な使い方は全く出来ない)
そこで我々は、垂直1スパンの凸状の無駄な増築ではなく、従前の協約に従って、「多目的/視聴覚室」として、旧講堂敷地に建てることを再三提案し、試算まで出しているのですが、東京都教育庁、ならびに学校当局を含め、全くダメです。
いっぺん「決めた」となると、テコでも動きません(建築の延べ床面積、要求する用途、工費などほぼ同等)。
これは十余年前の「解体待った」のときと全く変わってません。
※下手をすれば、変な「成果主義」でより悪化している気もします。
(その4)
現在、陸続と「新築」ではなく、この手の姑息な「改修」が予定されている旨を仄聞しますが、上記の通り、あるいは近年の戸山高校の苦難のように、「生徒のため」と云いながら実体は、工事規模をあえて貧相なものとする=中小工事会社へのばらまきの口実になっている懸念があります。
5.保護者、都民が声を上げよう
各工事、各学校の事情に配慮した「適正な工事」であるのか、緊急に、逐一点検する必要があると思われます。
学校長らも、事実上は教育庁の出先のようになっていますから、改修のお金をもらえるだけ有り難い、という貧しい根性、保身の体たらくで、まったく中長期の学校への影響、各学校の個性、伝統への配慮等、念慮の外、といってさしつかえないと思われます。
保護者、あるいは、同窓会が「第三者」として監視/工事内容の検証をしないととんでもないことになる、という焦りのみが残ります。
以上、長くなりましたが、場合によっては、教育庁のこの貧相な発想/硬直/独善に一太刀あびせないといけないのかもしれません。
とにかく、上記(その4)で書いた、各学校の「改修名目の工事」の当否を各校で検討なさる(情報を早くださせる)ことが急務と存じます。
各校でも情報がありましたら下記までお寄せください。
川西崇行(如蘭会[日比谷高校同窓会]評議員/早大講師)
連絡先 passionbwv244@yahoo.co.jp
『都立高校保護者のつぶやき』(2009/10/1)
http://blog.goo.ne.jp/toritsuhogosha/
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