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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

99パーセントの国民を不幸せにする法人税減税

2015年01月08日 | 格差社会
 ■ 安倍政権の大義なき法人税減税・外形標準課税拡大
   賃上げには結びつかず、中小企業は倒産する
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 本日、2014年12月29日、自民・公明両党の2015年度税制改正大綱の全容が発表されます。安倍政権が「アベノミクス」の目玉政策と位置付ける法人税減税で、その実効税率を2015年度に2・51%引き下げ、さらに2016年度までの2年間で計3・29%以上の引き下げを目指す方針です。

 1 赤字企業にも課される外形標準課税が、日本にさらなる倒産の嵐を呼ぶ
 そうすると、1・5兆円程度の代替財源が必要になる計算ですが、これは、外形標準課税を2年連続で拡充することなどで確保するということです。財源は現時点で1・2兆円程度と見られるので、財源の上積みも問題になります。
 ところで、外形標準課税は事業規模に応じて課税する仕組みで、給与総額やオフィス賃料などに基づいて税額を計算するので、赤字でも課税されます。
 特に黒字には程遠く、経営に苦しんでいる中小企業には、やがて必ず来る消費税増税とのダブルパンチになります。
 日本は企業のほとんどが中小企業で、国内雇用の7割を引き受けています。中小企業がさらに苦しむようでは、内需拡大による景気回復も、賃上げもあり得ません。
 しかも、中堅・中小の実効税負担率は後述のように、大企業や銀行に比べて圧倒的に高いのです。
 そもそも、地方経済もこれら内需型の中小企業に支えられているのですから、さらなる課税は「地方創生」など夢のまた夢なのです。
 与党二党は対策を取るとは言っていますが、あくまで大企業優先で中小企業対策は全く不十分なので、また増税倒産が増えることは必至です。
 2 法人税は大企業に甘く、中小企業に負担の重い不公正税制
 さて、実際に税引き前の最終利益のうちどれだけ国税・地方税を払っているかをみた実効税負担率を法人の規模別にみると、法人税が企業の格差を拡大する性格を持っていることがわかります。
 まず、銀行大手平均の負担率は2013年度で19・6%、金融保険業を除く大手企業平均は26・3%です。
 ところが、中堅企業は同37・9%、中小企業が同39%で、法人税は大企業ほど負担が小さく中小企業には重いという、企業間の格差を助長する逆進性の高い税制になっているのです。
 ちなみに、アペノミクスの第一の矢と言われ、黒田バスーカという異名を取る超金融緩和で、銀行は日銀からの超低利の資金供給が得られ、居ながらにして利ざやを稼げます。
 銀行は資金を貸さずに日銀当座預金口座に留め置いても、大部分は0・1%の金利がもらえるのですから、税負担は少ないのに特権だけはあるという、極めて不合理な優遇を得ているのです。
 3 日本は欧米諸国に比べて法人税が高いという大嘘
 安倍政権は、日本の法人税が先進国の中で高すぎるので、法人税減税で日本企業に活力を与え、賃上げを実現し、また、外国から企業を呼び込むとしています。
 確かに、財務省は、日本の法定実効税率が2012~2013年度が37%で、米国(40%強)より低いが、ドイツ(29%強)、英国(23%)など欧州に比べると高いと言っています。
 ところが、あの、安倍首相の応援団の産経新聞に、大変な記事が載っていました。
 【日曜経済講座】安倍首相が執念燃やす法人税引き下げ 法人税減税と経済再生は…
http://www.sankei.com/smp/column/news/141102/clm1411020007-s.html
 「税務会計学」の権威である富岡幸雄中央大学名誉教授が調べ上げた、主要企業別の実効税負担率を見ると、2012、13の両年度合計平均の持ち株会社単体の実効税負担率を取り出してみると、こんな結果になるというのです!
 日本のメガバンクと呼ばれる、三大金融グループは
 1 三井住友フィナンシャルグループ0・001%(グループ全体の連結財務会計上の負担率は22・9%)
 2 みずほフィナンシャルグループ0・097%(11%)
 3 三菱UFJフィナンシャル・グループ0・306%(18・9%)
なのだそうです。
 次回の記事で読んで頂く、1兆円利益を上げながら、法人税ゼロのトヨタ自動車とほぼ互角。
 なにが日本の企業は法人税の負担が重い、でしょうか。

 ちなみに、日本を代表する経営者として、常に名を挙げられる孫正義氏のソフトバンクは0・003%(同37・8%)、ユニクロで有名は柳井正氏のファーストリテイリング6・91%(38・5%)だというのですから、そりゃ儲かるわ!という話です。
 もちろん、財務会計でみる税額は税申告額と一致するとは限りませんから、カッコ内の負担率はグループ全体の実際の税実効負担率ではなく、参考値ということにはなります。
 しかし、日本の大企業の実質的な税負担が異様に軽いことは明らかです。

 4 日本の大企業優遇のカラクリ
 以上のような大銀行や大企業は傘下に多くの国内子会社や関係会社を抱えています。

 第1のカラクリは、親会社がこれら傘下の法人から受け取る配当金は「受取配当金不算入制度」により非課税となることです。
 第2に、大企業が海外子会社から受け取る配当も「外国子会社配当金不算入制度」のおかげで、実質的には無税になります。
 これらの結果、企業グループのトップである持ち株会社はその税負担が極端に低くなりますし、持ち株会社でなくても、大手商社や多国籍化している企業もこの税制を大いに活用して「節税」しているのです。例えば、事業会社の実効税負担率(連結ベース)は丸紅が7・1%、三菱商事は23・2%です。
 5 賃上げにも、景気回復にも結びつかない法人税減税
 以上のように、大企業やメガバンクは「節税」して手元資金を確保し、内部留保を増やすだけで、従業員の賃上げに結びつく保証は全くありません。
 安倍首相が盛んに経団連などに賃上げ要請をしていますが、我が国は共産主義国ではありませんから、企業が従う義務など全くないのですから。
 大企業は、内部留保にまわさない資金で、海外でM&A(企業合併・買収)攻勢をかける一方、配当を増やして内外の投資家を引きつけるグローバル化に徹しています。
 日本の大企業を日本の会社だと思っているのは、我々庶民だけであって、彼らは日本のことなどどうでもいい、まさに多国籍企業なのです。
 これらグローバル企業は日本国内向け投資、雇用を増やさせるという安倍内閣の取らぬ狸の皮算用というか、ただ大企業を優遇したいだけの御題目のようには動かないのです。
 彼らは会社の実質的な所有者である株主の利益を最大化するのが唯一絶対の使命・義務・目的なのですから、法人税実効税率を引き下げてもらっても、それを株主への配当に回し、海外展開に残りの資金を活用するだけの話なのです。

 6 アペノミクスで富めるものはますます富み、貧しきものはなおさら貧しくなる日本
 そして、法人税減税で足りなくなった税収は、外形標準課税や消費税増税でまかなうのですから、日本国民は泣きっ面に蜂です。
 安倍首相は、美しい国だとか、日本を取り戻すなどと美辞麗句を撒き散らしますが、彼のやっていることは、私たちの国富をグローバル企業に売り渡すことなのです。
 99パーセントの我々大多数の国民を不幸せにする法人税減税には、大反対しなければなりません。
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