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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

文科省に学習指導要領改定についてパブコメを

2016年10月06日 | こども危機
 ● 皆様にお願い、"愛国心・君が代"の強制や社会科(自衛隊等)の教え方での
   政府見解に偏った学習指導要領にさせないために ~文科省にパブコメを

永野厚男・教育ジャーナリスト


 文部科学省教育課程課は、10月7日(金)締め切り(同日の深夜11時59分までOK)で、学習指導要領改定(改悪)に向けた『審議まとめ』(同省HPに掲載)について、パブリックコメント(意見公募)を行っています。
 小中学校の現行指導要領への改定時の2008年2月~3月には、日本会議系の改憲政治団体が"愛国心・君が代"の強制や社会科(自衛隊等)の教え方について、ネットでサンプルを提示し、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を展開したため、後掲の<10>の「意見」に書いたように、小学校音楽科の"君が代"で、トンデモナイ強制が進んでしまいました。
 後掲の永野厚男・教育ジャーナリスト執筆の<1>~<12>の意見(パブコメ)を参考に、「10月7日(金)深夜11時59分まで」に文部科学省教育課程課宛、FAXか電子メールにて、皆様のご意見(パブコメ)をお寄せ頂ければ、幸いです。
 ※文部科学省教育課程課のパブリックコメント(意見公募)要領
 まず冒頭に、件名として、【次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見】と明記して下さい。そして、
  (1)氏名(団体の場合はその名称)、
  (2)性別・年齢(団体の場合は記入不要)、
  (3)職業(在学者は「高校生」「大学生」などと記入。団体の場合は「団体」と記入)、
  (4)住所(団体の場合は事務所等の所在地)、
  (5)電話番号を記入。
 その後、以下の①~24の中から、書きたい項目の分類番号を明記した上で、ご意見(パブコメ)をお書き下さい(1000字を超える場合は、その要旨を先に記載すること)。
 ※ 複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点ごとに別様として下さい(1枚1意見、1メール1意見で)。また、ウイルス対策上、添付ファイルは不可で、「必ずメール本文にご意見を記入下さい」とのことです。
 ※ 宛先
 件名として、【文部科学省教育課程課御中。次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見】と明記した上で、
 FAXの人は→(03)6734-4900
 電子メールの人は→shidouyouryou@mext.go.jp
 分類番号   意見の観点
① 第1部学習指導要領等改訂の基本的な方向性 →永野厚男から、いわゆる「総則」に当たり、改"正"教育基本法の"国を愛する態度"強制に絡んでくる。
② 第2部1.(1)幼児教育
③ 第2部1.(2)小学校
④ 第2部1.(3)中学校
⑤ 第2部1.(4)高等学校
⑥ 第2部1.(5)特別支援学校
⑦ 第2部1.(6)学校段階間の接続
⑧ 第2部2.(1)国語
⑨ 第2部2.(2)社会、地理歴史、公民→永野厚男から、高校の新科目「公共」は、今回の最重要ポイントです。
⑩ 第2部2.(3)算数、数学
⑪ 第2部2.(4)理科
⑫ 第2部2.(5)高等学校の数学・理科にわたる探究的科目
⑬ 第2部2.(6)生活
⑭ 第2部2.(7)音楽、芸術(音楽) →永野厚男から、音楽での、"君が代"斉唱指導強制に絡んでくる
⑮ 第2部2.(8)図画工作、美術、芸術(美術、工芸)
⑯ 第2部2.(9)芸術(書道)
⑰ 第2部2.(10)家庭、技術・家庭
⑱ 第2部2.(11)体育、保健体育
⑲ 第2部2.(12)外国語
⑳ 第2部2.(13)情報
21 第2部2.(14)主として専門学科において開設される各教
科・科目
22 第2部2.(15)道徳教育 →永野厚男から、"国を愛する態度"強制に絡んでくる。
23 第2部2.(16)特別活動 →永野厚男から、儀式的行事での、"君が代"斉唱指導強制に絡んでくる
24 第2部2.(17)総合的な学習の時間
            ↓

 以下の<1>~<12>が、永野厚男・教育ジャーナリスト執筆の意見(パブコメ)です。
 <1> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号①の「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」について
 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の1頁「はじめに」について
 意見を述べる前に、始めに断っておくが、「学習指導要領等」の「等」は、当方が文科省の担当者に質すと、「幼稚園の教育要領があるから『等』を付けた」と答えられたので、一安心はした。しかし、一部文科省"高級"官僚や自民党が勝手に範囲を広げる危険性がある(特に「学習指導要領等」の「等」に、法的拘束力がない文科省著作・発行の『解説』を含めてしまい、法的拘束力があるかのように偽装する、危険性を感じる!)。
 よって、「『等』は幼稚園の教育要領を指すので、『解説』は含めない」と明記するよう要求する。その上で、1頁についての原記述を以下、当方の意見に差し替えるよう求めます。
 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号①への肝心の「意見」です。文科省が「改"正"教育基本法の『教育の目標』」という時は、同法第2条5号の"国を愛する態度"を当然含むし、現行学習指導要領の総則、社会、地歴・公民、道徳は既に"愛国心"を明記してしまっているので、こういう前提で以下、「意見」を書きます。
            ↓
 ☆ 意見

 審議まとめ1頁の「この140年間、平成18年の教育基本法の改正により明確になった教育の目的や目標を踏まえ、我が国の教育は大きな成果を上げ、蓄積を積み上げてきた」との記述は、以下の通り修正すべきだ。
 「この140年間を振り返ると、大日本帝国憲法下の日本政府・明治天皇の出した教育勅語や修身教育、特に旧文部省著作の国定教科書は、子どもたちを洗脳し戦場に駆り立て、アジアや日本の無辜なる人たちを殺傷する、日本国家としての犯罪を犯した。/その反省の上に制定された日本国憲法下、1947年の教育基本法により、やっと民主主義的な教育ができるようになった。/だが、自民党など保守系政治家と文科省”高級”官僚との癒着より、①年を追うごとの学習指導要領の"君が代"・天皇・自衛隊・米軍基地等に関する、政府・自民党のイデオロギーに沿う記述強化と、その国家主義的イデオロギーそのまんまの教科書検定のイデオロギー的な強化、②第1次安倍政権下、2006年の改悪教育基本法で第2条「教育の目標」に"国を愛する態度"を盛る、憲法第19条違反の特定の思想強制により、国家権力が学校教育に介入する危機的状況にある。/"君が代"・天皇・自衛隊・米軍基地等の政治的に意見の分かれる問題では、教員の創意工夫を制限し、学習指導要領や解説通りの授業や教科書作りを強制する、現在の文科省の施策を改めさせるには、これら政治的に意見の分かれる問題では、「政府の施策や政府見解は決して政治的に中立とはいえない。立憲主義に反する方向に偏向している場合が多い」という大前提に立つべきだ。/こういう国家権力にとって基盤となる政策絡みの問題にあっても、児童生徒が主体的に思考・判断し、表現できるようにする、立憲主義に基づいた教育に転換させるため、改悪教育基本法を、立憲主義に基づく方の1947年教育基本法に戻す必要がある。」
 【参考に補足】
 上記の千字以内にカウントした「意見」に、以下、参考に補足する。
            ↓
 改悪教育基本法の一番の問題点は以下の通り。
 06年11月27日の参院教育基本法特別委員会で、伊吹文明・文部科学大臣(当時。以下同)は、「私たちが(改悪教育基本法の)政府案を作成する段階で、(伊吹氏の所属する政党が、05年10月に公表した)新憲法草案(憲法改悪案)との整合性をチェックし、提出した」と述べた。
 伊吹大臣は続けて、その"新憲法草案"前文の「日本国民は、帰属する国を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有する」を、「"改正"教育基本法第2条5号の『我が国を愛する態度』という文言で受けている」と明言した。
 これにより、文科省の意図する"愛国心"教化は、同省が「思考力、判断力、表現力を育む」等、キャッチフレーズとしている「生きる力」とは逆で、"国防教育=国のために自己犠牲を払うことを厭わない子ども作り"に直結する危険性が浮き彫りになっている(1999年の周辺事態法と03年の有事法、15年の戦争法の成立により、あってはならないことだがもし、米国がアジアで紛争や戦争を起こしたら、自衛隊が加担し、日本有事になり得る法体系はでき上がっている)。
 では、「我が国を愛する態度」の「国」とは何を指すか?
 安倍首相の意向を受け、与野党の賛否の分かれる中、2007年6月に成立した"改正"学校教育法第21条三号の前段は、「我が国・・・の現状と歴史について、正しい理解に導き、・・・我が国・・・を愛する態度を養う」という条文である。
 この「我が国の現状」という文言から、「『国』とは『統治機構』は指さない。『自国の伝統や文化』とか『国土や自然、環境』だ」という当時の与党の"弁明"は信憑性がない。
 「国」とは、権力を持つ政治家や官僚、財界の"大物"といった「統治機構」(や天皇・皇室など)を指す、と言っても、過言ではなかろう。
 なお、改"正"教育基本法第2条5号の後段「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」に関し、伊吹大臣は前記"国を自ら支え守る責務"を、自衛隊の海外派兵時にも拡大させる危険な答弁も行っている。
 <2> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号①の「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」について

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の2頁、「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」の「1.これまでの学習指導要領等改訂の経緯と子供たちの現状について」の(前回改訂までの経緯)について
 意見を述べる前に、始めに断っておくが、「学習指導要領等」の「等」は、当方が文科省の担当者に質すと、「幼稚園の教育要領があるから『等』を付けた」と答えられたので、一安心はした。しかし、一部文科省"高級"官僚や自民党が勝手に範囲を広げる危険性がある(特に「学習指導要領等」の「等」に、法的拘束力がない文科省著作・発行の『解説』を含めてしまい、法的拘束力があるかのように偽装する、危険性を感じる!)。
 よって、「『等』は幼稚園の教育要領を指すので、『解説』は含めない」と明記するよう要求する。その上で、2頁についての原記述を以下、当方の意見に差し替えるよう求めます。
 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号①への肝心の「意見」です。文科省が「改"正"教育基本法の『教育の目標』」という時は、同法第2条5号の"国を愛する態度"を当然含むし、現行学習指導要領の総則、社会、地歴・公民、道徳は既に"愛国心"を明記してしまっているので、こういう前提で以下、「意見」を書きます。
 「教育基本法に定められた教育の目的等」の「等」に2条5号の「目標」を含むと解釈されてしまうと、憲法第19条違反の特定の思想強制の典型である"国を愛する態度"の強制も含む危険性があるため、です。
            ↓
 ☆ 意見

 審議まとめ2頁の「○ 学習指導要領等は、教育基本法に定められた教育の目的等の実現を図るため、学校教育法に基づき国が定める教育課程の基準であり、教育の目標や指導すべき内容等を示すものである。」との記述は、以下の通り修正すべきだ。
 学習指導要領は、日本国憲法や子どもの権利条約の下、教育基本法に言う教育の目的の実現を図るため、学校教育法に基づき国が定める、あくまで大綱的基準という範囲内での教育課程の基準であり、大綱的基準という範囲内で教育の目標や指導すべき内容等を示すものである。学習指導要領の策定や運用は「(国家権力が)誤つた知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制する教育は、憲法26条・13条・・・からも許されない」と判じた、76年の旭川学テ最高裁判決に則って、慎重に行わなければならない。
 小中学校の現行指導要領は改定案公表当日の08年2月15日、安倍晋三氏に近い衛藤晟一(えとうせいいち)自民党参院議員(69歳)が文科省を訪れ、当時の高橋道和(みちやす)教育課程課長(現スポーツ庁次長)と部下の合田哲雄(ごうだてつお)教育課程企画室長(現教育課程課長)に直談判。そして、日本会議系の改憲政治団体"日本教育再生機構"(理事長は安倍首相ブレーンの八木秀次氏)がネットでサンプルを提示し、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を展開した。
 こういう政治介入の下、文科省は08年3月28日の現行指導要領告示では、①"愛国心"教化を全教育課程に関係してくる「総則」に盛り、②小学校音楽の"君が代"は、1年生(6歳児)から(98年12月告示の指導要領は当時から、「国歌「君が代」は、いずれの学年においても指導すること」と、既に強制色があったのに、)「・・・歌えるよう指導すること」と加筆するなど、テニヲハに留まらない、異例の根幹に関わる"修正"を強行してしまった。
 現教育課程課長合田哲雄氏にあっては、この08年2月のような政治との癒着は、今回は絶対にあってはならない。文科省"高級"官僚は改悪教育基本法も規定している「政治的中立性」を、自ら破ってはいけない。
 なお、この他、同趣旨の『審議まとめ』の記述があれば、当方のこの「意見」を適用して頂きたい。
 【参考に補足】
 上記の千字以内にカウントした「意見」に、以下、参考に補足する。

            ↓
 改悪教育基本法の"出自"を巡る問題点は以下の通り。

 国会上程後の教育基本法"改正"案の国会審議は、"小泉内閣の国民対話"と称する"タウンミーティング"の不正や税金の無駄遣い問題と、高校世界史未履修問題とに時間が費やされ、法案の内容の議論や解明は、十分な時間がとられなかった。
 "タウンミーティング"を巡る問題点は以下の通り。
 (1)当時の文科省広報室長・白間竜一郎氏らが作った「教育基本法は見直すべきだと思います。改正案は『公共の精神』などの視点が重視されていて共感している」などという"質問・意見"の原稿を、内閣府の役人らが「台詞の棒読みは避け、自分の意見を言っている感じで」と、多数の参加者(中学校のPTA会長らに税金で5千円を出し"買収")に指示し読み上げさせた、いわゆる"やらせ"。"サクラ動員"や、
 (2)1回当たり約2200万円という開催経費(税金。エレベーターのボタンを数回押すだけの"操作係"の日当が2万9000円)等が、国会で「戦前戦中の日本や一部全体主義国のような世論の捏造だ」などと大問題になった。
 <3> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号①の「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」について

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の3頁、「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」の「1.これまでの学習指導要領等改訂の経緯と子供たちの現状について」の(前回改訂までの経緯)の続きについて
 意見を述べる前に、始めに断っておくが、「学習指導要領等」の「等」は、当方が文科省の担当者に質すと、「幼稚園の教育要領があるから『等』を付けた」と答えられたので、一安心はした。しかし、一部文科省"高級"官僚や自民党が勝手に範囲を広げる危険性がある(特に「学習指導要領等」の「等」に、法的拘束力がない文科省著作・発行の『解説』を含めてしまい、法的拘束力があるかのように偽装する、危険性を感じる!)。
 よって、「『等』は幼稚園の教育要領を指すので、『解説』は含めない」と明記するよう要求する。その上で、3頁についての原記述を以下、当方の意見に差し替えるよう求めます。
※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号①への肝心の「意見」です。文科省が「改"正"教育基本法の『教育の目標』」という時は、同法第2条5号の"国を愛する態度"を当然含むし、現行学習指導要領の総則、社会、地歴・公民、道徳は既に"愛国心"を明記してしまっているので、こういう前提で以下、「意見」を書きます。
            ↓
 ☆ 意見

 審議まとめ3頁の「○平成20年に行われた前回の改訂は、教育基本法の改正により明確になった教育の目的や目標を踏まえ、知識基盤社会でますます重要になる子供たちの「生きる力」をバランス良く育んでいく観点から見直しが行われた」という記述は、以下の通り修正すべきだ。
 大日本帝国憲法下の日本政府・明治天皇の出した教育勅語や修身教育、特に旧文部省著作の国定教科書は、子どもたちを洗脳し戦場に駆り立て、アジアや日本の無辜なる人たちを殺傷する、日本国家としての犯罪を犯した。その反省の上に制定された日本国憲法下、1947年の教育基本法により、やっと民主主義的な教育ができるようになった。
 だが、自民党など保守系政治家と文科省"高級"官僚との癒着より、①年を追うごとの学習指導要領の"君が代"・天皇・自衛隊・米軍基地等に関する、政府・自民党のイデオロギーに沿う記述強化と、その国家主義的イデオロギーそのまんまの教科書検定のイデオロギー的な強化、②第1次安倍政権下、2006年の改悪教育基本法で第2条「教育の目標」に"国を愛する態度"を盛る、憲法第19条違反の特定の思想強制により、国家権力が学校教育に介入する危機的状況にある。
 "君が代"・天皇・自衛隊・米軍基地等の政治的に意見の分かれる問題では、教員の創意工夫を制限し、学習指導要領や解説通りの授業や教科書作りを強制する、現在の文科省の施策を改めさせるには、これら政治的に意見の分かれる問題では、「政府の施策や政府見解は、決して政治的に中立とはいえない。政府の施策や政府見解は、立憲主義に反する方向に偏向している場合が多い」という大前提に立つべきだ。こういう国家権力にとって基盤となる政策絡みの問題にあっても、児童生徒が主体的に思考・判断し、表現できるようにする、立憲主義に基づいた教育に転換させるため、改悪教育基本法を、立憲主義に基づく方の1947年教育基本法に戻すことが、児童生徒の「生きる力」をバランス良く育む第一歩である。
 なお、この他、同趣旨の『審議まとめ』の記述があれば、当方のこの「意見」を適用して頂きたい。
 <4> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号①の「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」について

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の18頁、「① 学習指導要領等の枠組みの見直し」の(「学びの地図」としての枠組みづくり)について
 意見を述べる前に、始めに断っておくが、「学習指導要領等」の「等」は、当方が文科省の担当者に質すと、「幼稚園の教育要領があるから『等』を付けた」と答えられたので、一安心はした。しかし、一部文科省"高級"官僚や自民党が勝手に範囲を広げる危険性がある(特に「学習指導要領等」の「等」に、法的拘束力がない文科省著作・発行の『解説』を含めてしまい、法的拘束力があるかのように偽装する、危険性を感じる!)。
 よって、「『等』は幼稚園の教育要領を指すので、『解説』は含めない」と明記するよう要求する。その上で、18頁についての原記述を以下、当方の意見に差し替えるよう求めます。
※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号①への肝心の「意見の要旨」と、「詳細な意見」です。
            ↓
 ☆ 意見の要旨(千字以内)

 『審議まとめ』18頁については、以下の4点、加筆・修正すること。
 〔1〕 学習指導要領は、「教育課程の基準で」はなく、あくまで大綱的基準という範囲内での教育課程の基準であり、大綱的基準という範囲内で教育の目標や指導すべき内容等を示すものである。
 〔2〕 指導要領の策定や運用は「(国家権力が)誤つた知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制する教育は、憲法26条・13条・・・からも許されない」と判じた、76年の旭川学テ最高裁判決に則って、慎重に行わなければならない。
 〔3〕 『解説』は言うまでもなく単なる参考資料であり、文科省(検定審や教科書調査官)が教科書検定において、『解説』に沿う記述に修正するよう、検定意見を付すことは、あってはならない。
 〔4〕 小中学校の現行指導要領の改定案公表当日の08年2月15日、安倍晋三氏に近い衛藤晟一自民党参院議員(69歳)が文科省を訪れ、当時の高橋道和教育課程課長(現スポーツ庁次長)と部下の合田哲雄(ごうだてつお)教育課程企画室長(現教育課程課長)に直談判したり、日本会議系の改憲政治団体"日本教育再生機構"(理事長は安倍首相ブレーンの八木秀次氏)がネットでサンプルを提示し展開したような、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を、重視するがごとき、文科省"高級"官僚と自民党や改憲政治団体との癒着は、絶対にあってはならない。
 ☆ 詳細な意見(千字超)

 まず、『審議まとめ』18頁の1つ目の「○印」の、
―― これからの教育課程やその基準となる学習指導要領等には、「社会に開かれた教育課程」の理念のもと、《後略》――
は、
―― 学習指導要領は、日本国憲法や子どもの権利条約の下、教育基本法に言う教育の目的の実現を図るため、学校教育法に基づき国が定める、あくまで大綱的基準という範囲内での教育課程の基準であり、大綱的基準という範囲内で教育の目標や指導すべき内容等を示すものである。学習指導要領の策定や運用は「(国家権力が)誤つた知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制する教育は、憲法26条・13条・・・からも許されない」と判じた、76年の旭川学テ最高裁判決に則って、慎重に行わなければならない。また、『解説』は言うまでもなく単なる参考資料であり、文科省(検定審や教科書調査官)が教科書検定において、『解説』に沿う記述に修正するよう、検定意見を付すことは、あってはならない。/これら大原則を踏まえた上で、これからの教育課程やその大綱的基準となる学習指導要領には、「社会に開かれた教育課程」の理念のもと、《後略》――
に、修正すべきだ。

 また、審議まとめ18頁の2つ目の「○印」の、
―― そのためには、教育課程や学習指導要領等が、学校の創意工夫のもと、子供たちの多様で質の高い学びを引き出すため、学校教育を通じて子供たちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」として、《中略》こうしたことにより、教育課程を介して学校が社会や世界との接点となり、さらには、現在と未来をつなぐ役割を果たしていくことが期待される。――
も、
―― そのためには、教育課程や大綱的基準である学習指導要領が、学校の創意工夫のもと、子どもたちの多様で質の高い学びを引き出すため、学校教育を通じて子どもたちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」として、《中略》こうしたことにより、教育課程を介して学校が社会や世界との接点となり、さらには、現在と未来をつなぐ役割を果たしていくことが期待されるが、そのためには、小中学校の現行指導要領の改定案公表当日の08年2月15日、安倍晋三氏に近い衛藤晟一自民党参院議員(69歳)が文科省を訪れ、当時の・尭始其軌蕾歡・歡后文愁好檗璽陳・…后砲班・爾旅臈津・此覆瓦Δ世討弔・剖軌蕾歡・覯莠篠后文酋軌蕾歡・歡后砲膨消免修靴燭蝓・艝会議系の押ヲ棔Γ団ツホ"日本教育再生機構"(理事長は安倍首相ブレーンの八木秀次氏)がネットでサンプルを提示し展開したような、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を、重視するがごとき、文科省"高級"官僚と自民党や改憲政治団体との癒着は、絶対にあってはならない。文科省"高級"官僚は政治的中立性を、自ら破ってはいけない。――
に、修正すべきだ。

 <5> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見(小6社会科の"愛国心"強制は人権侵害を生んでいるので、削除を)
 分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」について(その1)

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第2部)」の127頁~155頁の中の、「社会、地理歴史、公民」全般について
 意見を述べる前に、始めに断っておくが、「学習指導要領等」の「等」は、当方が文科省の担当者に質すと、「幼稚園の教育要領があるから『等』を付けた」と答えられたので、一安心はした。しかし、一部文科省"高級"官僚や自民党が勝手に範囲を広げる危険性がある(特に「学習指導要領等」の「等」に、法的拘束力がない文科省著作・発行の『解説』を含めてしまい、法的拘束力があるかのように偽装する、危険性を感じる!)。
 よって、「『等』は幼稚園の教育要領を指すので、『解説』は含めない」と明記するよう要求する。その上で、127頁以降についての原記述を以下、当方の意見に差し替えるよう求めます。
 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号⑨への肝心の「意見」です。
            ↓
 ☆ 意見

 2002年度から適用の改悪学習指導要領では、小6社会科の目標の一つに「国を愛する心情を育てるようにする」との文言を加筆。このため福岡市立小始め、少なからぬ小学校が通知表の観点別評価項目に、"国を愛する心情""日本を愛する気持ち""愛国心"等、国家主義イデオロギーに直結する文言を盛り込んでしまった。小6社会科の目標は最低限、それ以前の指導要領の「我が国の歴史や伝統を大切にする心情を育てる」という文言に戻すべきだ。
 福岡市立小では、校長会主導で02年春にモデルを作成し、半数近い63校が通知表に"国を愛する心情"を記載した。ある成績優秀な在日外国人児童が、この「国を愛する心情」にBを付けられたため、保護者らが県弁護士に人権救済を求め、県弁護士会は今年2月、「思想・良心の自由を定めた憲法19条違反の恐れがある」として、市教委に削除指導を求める人権救済の勧告書を出した。
 このように、第1次安倍政権下、与野党対立の中、政府・与党が強行採決で"成立"させた2006年の改悪教育基本法で、第2条「教育の目標」に加筆した"国を愛する態度"に類する"国を愛する心情"等の文言(類似の"日本人としての自覚"等の文言も)は、在日外国人はもちろんのこと、日本人にあっても、個人と国との距離の置き方は多様な思想・信条や見解があるのだから、『審議まとめ』にも次期学習指導要領にも記載すべきでなく(特に「社会、地理歴史、公民」と道徳)、『審議まとめ』からこの種の表現はすべて削除すべきだ。
 <6> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」について(その2)

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第2部)」の中の、「社会、地理歴史、公民」の、127頁の「(2)社会、地理歴史、公民」の「①現行学習指導要領の成果と課題を踏まえた社会科、地理歴史科、公民科の目標の在り方」の中の、「i)現行学習指導要領の成果と課題」について
 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号⑨への肝心の「意見」です。
            ↓
 ☆ 意見(小6社会の指導要領から「天皇への敬愛の念」を削除すべき)

 127頁には、「○ 社会科、地理歴史科、公民科においては、社会的事象に関心を持って多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を成長させること等に重点を置いて、改善が目指されてきた」とある。
 しかし、現行の小6社会の学習指導要領はこの記述に反し、旧ソ連や東欧諸国、戦前戦中の皇国日本のような、「天皇への敬愛の念」の教化という、全体主義的な国家主義イデオロギー色の濃い文言がある。『審議まとめ』は、次期学習指導要領では「天皇への敬愛の念」を削除する旨、明記すべきだ。
 国家権力が特定の人物を「敬え、愛せ」と教化(インドクトリネーション)するのは、旧東欧・ルーマニアの独裁政権、ニコラエ・チャウシェスク(1918年1月26日生。89年12月25日、逃亡先のトゥルゴヴィシュテで妻エレナとともに公開処刑=銃殺刑)と同じで、民主主義国と言うには恥ずかしいことだ。
            ↓
 ◇ 文科省が「天皇への敬愛の念」の教化を強化した弊害
   =右へ倣えの社会科教科書の体(てい)たらく

 旧文部省当時の1968年改定以降、小6社会の学習指導要領は「天皇への敬愛の念」という国家主義イデオロギー色の濃い文言を載せ続けている。文科省は08年、小6社会の『解説』で、この「天皇への敬愛の念」という国家主義イデオロギに関し、「被災地等を訪問する天皇」を勝手に例示する加筆を行った。
 この影響で、当方が現認しただけでも3つの教科書会社が、13年度検定合格の小6社会の教科書に、「被災地を訪問する天皇」等の写真を載せる際、(当時使用していた)現行本にはない、「・・・される」「天皇陛下」などという二重の敬語を、"自主"的に加筆してしまった。
 3つの教科書会社の中には、検定申請時の白表紙本時点から敬語を"自主"的に加筆してしまった出版社がある他、白表紙本時点で特に敬語を付けず検定に合格したのに、検定合格後、"訂正申請"という手法でわざわざ敬語を加筆した出版社もある。ベテラン教員は「これら教科書会社は、保守的な委員の多い教育委員会に採択してもらえるよう自主規制した」と分析。いずれの手法を取るにせよ、『解説』を鵜呑みにするこれら教科書会社は、小学生に「天皇への敬愛の念」を植え付けようと謀んでいるのだ。
 <7> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」について(その3)

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第2部)」の中の、「社会、地理歴史、公民」の、135頁の「社会科・地歴科・公民科における教育のイメージ(別添3-1)」の表(ひょう)と、136頁~138頁の「社会科・地歴科・公民科において育成を目指す資質・能力の整理」(別添3-2)の表の「学びに向かう力・人間性等」の欄についてについて
 以下の「意見」の後に付した【参考資料1】【参考資料2】は、「意見」に関し、参考となる情報等である。
 ☆ 意見(小中高とも、国家主義イデオロギー色の濃い文言は削除を)

 135頁の表(ひょう)と、136頁~138頁の表の「学びに向かう力・人間性等」(観点別評価で3年ほど前まで、文科省が「関心・意欲・態度」と言っていたもの)の欄は、福岡県弁護士会等も、「思想・良心の自由を定めた憲法19条違反の恐れがある」と言っておられる、"日本国民としての自覚、我が国の国土や歴史に対する愛情"、"自国を愛しその平和と繁栄を図ること"等、国家主義イデオロギー色の濃い文言を満載している(後掲の【参考資料1】参照)。
 在日外国人はもちろんのこと、日本人にあっても、個人と国との距離の置き方は多様な思想・信条や見解があるのだから、これらの文言は、『審議まとめ』にも次期学習指導要領にも記載すべきでなく、この種の表現はすべて削除すべきだ(特に「別添3-2」は、この表の「3つの育成すべき資質の3つの柱=指導内容」に沿って3観点別評価するのだから、福岡市立小の"愛国心"通知表のような子どもにとって良くない事態が起きかねない)。
 2002年度から適用の改悪学習指導要領以前の指導要領の、「我が国の歴史や伝統を大切にする心情を育てる」という文言で十分である。
 これら国家主義イデオロギー色の濃い文言を学習指導要領等に記載することの、違憲性や非常識さ、弊害を以下、具体的に指摘しよう。
            ↓
 1 日本には、過去の侵略戦争で強制連行されたり、経済的理由等で日本に来ざるを得なかったアジアの人々が大勢いらしゃるのに、その子孫に対し、"日本国民としての自覚"を持てと、公教育で教化するのは、失礼だ。文科省は外国人児童・生徒に対し謙虚さを持つべき。
 2 文科省は"我が国の国土や歴史に対する愛情"っていうけど、「アジア・太平洋戦争はじめ、アジア・太平洋諸国の無辜なる人たちを殺傷した歴史や、身分差別の横行した時代も愛せ」というのか?! 「無辜なる人たちを殺傷した歴史」「天皇を頂点とする、身分差別の横行した時代」を愛する児童生徒が育ったら、「道徳の生命尊重」や「差別をなくす等の人権教育」に著しく支障が生じる。
 3 文科省は"自国を愛しその平和と繁栄を図ること"と言うが、安倍政権が集団的自衛権行使ができるようにすると共に、米軍等の引き起こす戦争で、戦地でも自衛隊員に米軍等の武器・弾薬を輸送させる(弾薬は補給も)等、戦争加担する戦争法を強行成立させた現在、少なくとも戦争法を廃止しない限りは、"平和と繁栄を図ること"は困難である。
 【参考資料1】
 文科省HPの『審議まとめ』の135頁~138頁の表(ひょう)から、国家主義イデオロギー色の濃い文言を抜粋すると、以下の通り。
× 135頁の記述 →「社会科・地歴科・公民科における教育のイメージ(別添3-1)」の表から
・高校地歴科
 日本国民としての自覚、我が国の国土や歴史に対する愛情
・高校公民科
 自国を愛しその平和と繁栄を図ること
・中学校社会
 多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される我が国の国土や歴史に対する愛情
・小学校社会(3年~6年)
 我が国の国土や歴史に対する愛情

× 136頁の記述 →「社会科・地歴科・公民科において育成を目指す資質・能力の整理(別添3-2)」の表の1頁目の「学びに向かう力・人間性等」の欄から
・中学校社会
 我が国の国土や歴史に対する愛情
 我が国の歴史に対する愛情や国民としての自覚
 自国を愛しその平和と繁栄を図ること

× 137頁の記述 →「社会科・地歴科・公民科において育成を目指す資質・能力の整理(別添3-2)」の表の2頁目の「学びに向かう力・人間性等」の欄から(ナント、6回以上、繰り返し出てくる語句もあるんです!)
・高校地歴科
 多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される日本国民としての自覚、我が国の国土や歴史に対する愛情
 我が国の歴史に対する愛情や国民としての自覚

138頁の記述 →社会科・地歴科・公民科において育成を目指す資質・能力の整理(別添3-2)の表の「学びに向かう力・人間性等」の欄の3頁目(ナント、3回以上、繰り返し出てくる語句もあるんです!)
・高校公民科
 自国を愛しその平和と繁栄を図ること
 【参考資料2】
 学習指導要領改定に向けた『審議まとめ』の策定過程で、文科省側が"日本国民としての自覚、我が国の国土や歴史に対する愛情"、"自国を愛しその平和と繁栄を図ること"等、国家主義イデオロギー色の濃い文言を満載してきた事案に対しては、「中教審教育課程部会の社会・地理歴史・公民ワーキンググループ」(主査=土井真一京都大学教授)や「高校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」(主査=田中愛治(あいじ)早稲田大学教授)の会合で、委員から異論が続出した。
 詳細は、教育ジャーナリスト・永野厚男さんの『マスコミ市民』2016年7月号掲載記事を参照(『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2』というブログにも掲載)。
 <8> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見
 分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」について

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の127頁~155頁の「社会、地理歴史、公民」についての中の、131頁に、
――公民科の科目構成を見直し、家庭科、情報科や総合的な探究の時間(仮称)等と連携して、現代社会の諸課題を捉え考察し、選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論を、古今東西の知的蓄積を踏まえて習得するとともに、それらを活用して自立した主体として、他者と協働しつつ国家・社会の形成に参画し、持続可能な社会づくりに向けて必要な力を育む共通必履修科目としての「公共(仮称)」を設置し、選択履修科目として「倫理(仮称)」及び「政治・経済(仮称)」を設置することが適当である。――
と、あることについて

 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号⑨への肝心の「意見」です。
            ↓
 ☆ 意見(「公共」の新設に反対、その1。理由は当初、文科省官僚が「国家への参画」という恐ろしい国家主義的な文言を入れていたから等)
 立憲主義に反する内容が盛られる危険性の高いのは、高校公民科の新設必修科目「公共」だ。「公共」は自民党が10年の参院選政策集『J-ファイル2010』で、「国旗・国歌を尊重し、わが国の将来を担う主権者を育成する教育を推進します」という、政治色の濃い目的で設置を主張したのが始まり。高校にはない道徳の内容も盛るため"愛国心"が入る可能性は大。
 現に5月26日、中教審教育課程部会の社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(以下、WG)の会合で、文科省が出した「公共」の構成内容の原案は、「自立した主体として」という語句を冠してはいるものの、生徒に「国家・社会に参画し」と要求。合田哲雄教育課程課長らは、改定教育基本法第2条3号の「主体的に社会の形成に参画し」という文言に、勝手に「国家」を加筆しようとしたのだ。
 同日のWGでは、「『社会』はいいが、(児童・生徒を)『国家』に参画させるのは一種の動員だ」などと3人の委員が批判したため、同省は同法第1条の「・・・国家及び社会の形成者として・・・」という規定に沿う
 こういう"出自"を巡る問題(もともと文科省が特定の政党の政策通り、その名前まで同じ「公共」と称する科目として、導入した科目だ)や、当初の「国家への参画」という恐ろしい国家主義的な文言に対し委員から異論が続出した事実(詳細は教育ジャーナリスト・永野厚男さんの『マスコミ市民』2016年7月号掲載記事を参照。『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2』というブログにも掲載)――等から、当方は「公共」の新設に反対する。これまで通り、「現代社会と政経からの選択必修」を続けるべきだ。
 <9> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」について

 =文科省HPの『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告)』の「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第1部)」の127頁~155頁の「社会、地理歴史、公民」についての中の、132頁に、
――○ なお、これらの地理歴史科や公民科の各科目においては、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、偏った取扱いにより、生徒が多面的・多角的に考察し、事実を客観的に捉え、公正に判断することを妨げることのないよう留意するとともに、客観的かつ公正な資料に基づいて指導するよう留意することが必要である。――
と、あることについて

 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号⑨への肝心の「意見」です。
            ↓
 ☆ 意見(「公共」の新設に反対、その2。政府見解や政府の政策のみを是と教化する指導は、あってはならない)
 132頁の「○ なお、これらの地理歴史科や公民科の各科目においては、特定の事柄を強調しすぎたり、《中略》客観的かつ公正な資料に基づいて指導するよう留意することが必要である」は削除し、
 「○ なお、これらの地理歴史科や公民科の各科目においては、日本国憲法に則り、生徒が多面的・多角的に考察し、事実を客観的に捉え、公正に判断できるようにするためにも、政府見解や政府の政策のみを是と教化する指導は、あってはならない。――」
 と、修正する。
 「公共」は主権者教育も扱うが、15年10月の主権者教育に関する文科省通知「第2の4」も、授業で「多様な見解」を取り扱うことにより、「指導が全体として特定の政治上の主義若しくは施策又は特定の政党や政治的団体等を支持し、又は反対することとならないよう留意すること」と主張。「多様な見解」のある問題のうち、文科省は「愛国心、国旗国歌、自衛隊、安保法、米軍基地」など、国家権力の根幹に関わるテーマは、"政府見解"を「多様な見解」の埒(らち)外(聖域)に置き、それと異なる見解を教えるのを、「特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりする」と決め付け、「偏った取扱い」「偏向教育」などと称し、排除してくる危険性もある。
 文科省は「教員が教える」だけではなく、今回の改定では議論の時間を増やすなどし、児童生徒が自ら考え学んでいく「アクティブ・ラーニング」を強調。
 だが、"政府見解"を教え込んだ上で、「アクティブ・ラーニング」として議論の時間を増やすことになれば将来、安倍首相が望む"憲法改正の国民投票"で"政府見解"を深化させ投票に臨む「18歳有権者」、が増えてしまう危険性もある。
 「公共」新設に当たっては、"愛国心"教化や「国旗国歌、自衛隊、安保法、米軍基地」など、国家権力の根幹に関わるテーマについて、"政府見解"や政府の施策が"中立"であるかのように教え込ませることがあってはならない。"政府見解"や政府の施策を教化する教育では、旧ソ連のような全体主義国と同じになってしまう。
 【参考資料】
 この意見の背景にある、山口県教委の浅原司教育長の恐るべき"保守系政治家に弱い"実態は、教育ジャーナリスト・永野厚男さんの『週刊金曜日』2015年12月11日号の「アンテナ」欄掲載の、以下の記事を参照(『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2』というブログにも掲載)。
            ↓
 ◇ 主権者教育の教員意見表明、「中立」めぐり判断に差
   永野厚男・教育ジャーナリスト

 選挙権年齢を18歳以上とする公職選挙法改定に伴い、文部科学省は総務省と共に約12億8000万円かけ、主権者教育の高校生向け副教材『私たちが拓く日本の未来』を作成。12月中旬までに全国の国公私立高校生全員に約370万部配布するため、11月17日から発送を開始した。
 この副教材は、改定教育基本法第14条を引き、「授業において、教員が一つの政党の政策や主張についてのみ教えること(中略)は認められていません」と明記。教員用指導資料も「中立かつ公正な立場での指導」を求めている。
 これに先立つ6月24日、山口県立柳井高校の教員が、「現代社会」の授業で『朝日新聞』『日本経済新聞』両紙の安保法(当時、法案)の記事を配布し、政府・与野党の見解などをグループ議論などで学習後、「どのグループの意見が最も説得力があるか」と模擬投票を実施。これに対し、7月の山口県議会で自民党県議が”政治的中立性”を追及し、浅原司教育長が”謝罪”。”中立”名目の「政府見解教化の強制」が懸念されている。
 <10> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号⑭の「第2部 2.(7)音楽、芸術(音楽)」について
(一部、分類番号⑨の「第2部 2.(2)社会、地理歴史、公民」への意見も含みます)
 音楽については、<2>の分類番号①の「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」についての「意見」にも書いたので、一部それを援用する。
            ↓
 ☆ 意見(文科省が自民党・改憲政治団体と癒着し08年指導要領で加筆した"君が代"「歌えるよう」の5文字は最低限、削除すべき)
 小中学校の現行指導要領は、改定案公表当日の08年2月15日、安倍晋三氏に近い衛藤晟一(えとうせいいち)自民党参院議員(69歳)が文科省を訪れ、当時の高橋道和(みちやす)教育課程課長(現スポーツ庁次長)と部下の合田哲雄(ごうだてつお)教育課程企画室長(現教育課程課長)に直談判。そして、日本会議系の改憲政治団体"日本教育再生機構"(理事長は安倍首相ブレーンの八木秀次氏)がネットでサンプルを提示し、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を展開した。
 こういう政治介入の下、文科省は08年3月28日の現行指導要領告示では、①"愛国心"教化を全教育課程に関係してくる「総則」に盛り、②小学校音楽の"君が代"は、1年生(6歳児)から(98年12月告示の指導要領は当時から、「国歌「君が代」は、いずれの学年においても指導すること」と、既に強制色があったのに、)「・・・歌えるよう指導すること」と加筆するなど、テニヲハに留まらない、異例の根幹に関わる"修正"を強行してしまった。
 現教育課程課長合田哲雄氏にあっては、この08年2月のような政治との癒着は、今回は絶対にあってはならない。文科省"高級"官僚は改悪教育基本法も規定している「政治的中立性」を、自ら破ってはいけない。最低限、「歌えるよう」の5文字は削除すべきだ。
 "君が代"の歌詞の意味を、ある小6の社会科教科書は「日本の国がいつまでも繁栄(はんえい)し続け、平和であることを願う気持ちがこめられている」と記述。しかし、これは間違っている。「君」は、『広辞苑』に「あなた」という意味の他に「天皇」と出ており、小渕恵三元首相も99年の"国旗国歌法"審議時、「天皇を含む」と答弁。"君が代"は「天皇の治世が永遠に続いて下さい」という意味あり、憲法の大原則である国民主権に反する。音楽の教科書には載せるべきでないし、社会科教科書には前述した本当の意味を載せた上、「尊重しろ」という政府・自民党寄りの特定の立場で教え込むのではなく、この歌への賛否両論を載せるべきだ。
 <11> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号22の「第2部 2.((15)道徳教育」について


 道徳教育については、主に「総則」に当たる分類番号①に関する、<1>~<4>の「意見」でも述べたので、<4>の「意見」を一部、援用する。
 ※ ここから後が、千字以内にカウントする、分類番号?への肝心の「意見の要旨」と、「詳細な意見」です。
            ↓
 ☆ 意見(道徳教育は、生命尊重や寛容、思いやり、友情等の内容に重点を置くべきだ。権力者側の求める"愛国心"の教化は、大多数の庶民は望まないので、すべて削除し、「伝統・文化理解」の教育に留めるべき)
 "国を愛する態度"を盛るよう教育基本法を改悪する前から、道徳の学習指導要領では既に"愛国心"を明記してしまっている。が、特に心を育む道徳教育は、生命尊重や寛容、思いやり、友情等の内容に重点を置くべきであり、"愛国心"の教化は、憲法第19条違反の特定の思想強制となるので、"愛国心"の記述はすべて削除し、「伝統・文化理解教育」(例えば、風呂敷や法隆寺の建築に見られる日本文化の理解)に留めるべきだと、『審議まとめ』に明記してもらいたい。
 この他、以下にも留意頂きたい。
            ↓
 〔1〕 学習指導要領は、「教育課程の基準で」はなく、あくまで大綱的基準という範囲内での教育課程の基準であり、大綱的基準という範囲内で教育の目標や指導すべき内容等を示すものである。特に道徳教育では、この矩(のり)を越えてはならない。
 〔2〕 指導要領の策定や運用は「(国家権力が)誤つた知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制する教育は、憲法26条・13条・・・からも許されない」と判じた、76年の旭川学テ最高裁判決に則って、慎重に行わなければならない。
 〔3〕 『解説』は言うまでもなく単なる参考資料であり、文科省(検定審や教科書調査官)が教科書検定において、『解説』に沿う記述に修正するよう、検定意見を付すことは、あってはならない。
 但し、『中学校指導要領解説』58頁にある、「なお、その際、国を愛することは、偏狭で排他的な自国賛美ではなく、国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚と責任をもって、国際貢献に努めようとする態度につながっている点に留意する必要がある」等、ギリギリ立憲主義・民主主義を残す書き振りについては、大切にしてもらってもよい。
 〔4〕 小中学校の現行指導要領の改定案公表当日の08年2月15日、安倍晋三氏に近い衛藤晟一自民党参院議員(69歳)が文科省を訪れ、当時の・尭始其軌蕾歡・歡后文愁好檗璽陳・…后砲班・爾旅臈津・此覆瓦Δ世討弔・剖軌蕾歡・覯莠篠后文酋軌蕾歡・歡后砲膨消免修靴燭蝓・艝会議系の押ヲ棔Γ団ツホ"日本教育再生機構"(理事長は安倍首相ブレーンの八木秀次氏)がネットでサンプルを提示し展開したような、数だけ稼ぐ組織的なパブリックコメント工作を、重視するがごとき、文科省"高級"官僚と自民党や改憲政治団体との癒着は、絶対にあってはならない。
 <12> 件名:次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

 分類番号23の「第2部 2.(16)特別活動」について


 ※ ここから後が、指導要領の儀式的行事での"君が代強制記述に関し、"千字以内にカウントする、分類番号?への肝心の「意見の要旨」と、「詳細な意見」です。
            ↓
 ☆ 意見の要旨(儀式的行事で、"君が代"「起立」とか「斉唱」という文言は、『審議まとめ』や次期学習指導要領に、絶対に入れるべきではない)
 残念ながら、上意下達の教育行政システム下、ここ15年くらいの卒業・入学式では、文部科学省(その背後には、一部の政治家の影もチラつく)の指示を受けた各地の教育委員会や校長が、"君が代"という天皇を賛美する歌をすべての小中学校や高校などに「立って歌わせるようにさせなさい」と強制している。
 しかし、卒業式は小6や中3、高3(定時制は高4)の児童生徒の成長と巣立ちを祝う日であり、式の主人公は言うまでもなく、児童生徒だ。入学式の主人公も児童生徒だ。
 児童生徒や父母、教職員、来賓(立憲主義を大切にする区議や市議)の中には、"君が代"が嫌いな明確な理由があり、この歌の間、椅子に座り、反対の意思表示をする人も当然いる(本来なら、"君が代"は一切ない式であるべきだ)。
 だが、都教育委員会や大阪府(市)教委は、校長に画一的な職務命令を出させ、式の最初に、司会者の副校長(教頭)や主幹教諭等に「ただ今から卒業式(入学式)を挙行致します。一同起立!」と、参加者全員に立つよう号令をかけ、その直後に「国歌斉唱」と発声し、音楽の教諭に"君が代"歌をピアノ伴奏させる。
 こういう民主主義にふさわしくない、上意下達の式の進行に対し、司会者が「国歌斉唱」と発声したすぐ後のタイミングで、"君が代"を「着席して(座って)歌わないようにする」か、「そのまま立ち続けたり歌ったりする」かは、児童生徒や父母、教職員、来賓一人一人が自分で判断し、自分で決めて行動して良いはずだ。
 こういう考えや行動の自由は、日本国憲法が第19条・20条・21条・23条で、
――(文科省など政府や教委など)権力を持つ者らは、生徒や父母を始めとする普通の市民の「思想・良心・信教・表現・学問の自由」を「侵してはならない」――
と保障しているのだ。
 文科省は"君が代"での「起立」とか「斉唱」という文言は、『審議まとめ』や次期学習指導要領に、絶対に入れるべきではない。入れたら、旧ソ連や東欧諸国、戦前戦中の皇国・日本と同じ、全体主義国に成り下がっちゃうよ。
 小中学校の現行指導要領の改定案公表(08年2月15日)後のパブリックコメントでは、日本会議系の改憲政治団体がネットで提示したサンプルを丸写しし、「起立しなければ処分せよ」などと同一筆跡・同一様式(恥ずかしいことに、誤字・脱字まで同じ)のインチキのパブコメが200通とか、何百通とか、あった。文科省は右翼の「起立」「斉唱」を強制する組織的パブコメは計上するな。
 ☆ 詳細な意見

 東京書籍版中学校社会科公民分野教科書は、34頁に、英国の政治学者で『統治二論』の著者のロック(John Locke、1632年~1704年)、フランスの哲学者で『法の精神』の著者のモンテスキュー(Charles-Louis de Montesquieu、1689年~1755年)、主にフランスで活躍した政治哲学者で『社会契約論』の著者のルソー(Jean-Jacques Rousseau、1712年~1778年)の3人を紹介。
 その上で、
 ――人権とは、人が生まれながらにして持っている人間としての権利のことです。人間は、個人として尊重され、自由に生き、安らかな生活を送ることができなければなりません。それを権利として保障したのが人権(基本的人権)です。/ 人権の保障が宣言されるまでには、人々の長年にわたる努力がありました。国王などの権力者の支配とたたかい、自由を勝ち取っていきました。特に近代革命のときには、人権の思想が、国王の支配を打ち破り、革命を成功させるうえで大きな力になりました。そのため、近代革命ののちにつくられた人権宣言や憲法では、人権が保障されました。――
 と記述。
 そして同教科書36頁は、
 ――憲法は、政府の権力を制限して国民の人権を保障するという立憲主義の思想にもとづいて、政治権力の乱用を防いで、国民の自由や権利を守ります。――
 と明記しています。
 現在、教科書の採択権者は、(教職員や父母、高校の場合は生徒も、もっと関われるようにすべきだという意見がかなりあるが、政府の法律の解釈では残念ながら)「自治体の教育委員(の合議制の会議」ということになっている。その教育委員たちが東京書籍を採択している理由は、ある市のHPでは、「憲法が全文載せてあ」るから、と明記している。
 前記<10>の、分類番号⑭の「第2部 2.(7)音楽、芸術(音楽)」について、の意見で述べた歌詞の意味を持つ"君が代"は、日本国憲法の「国の進む方向を決める主人公は、一人一人の人間だ」という「国民主権」の大原則や「法の下(もと)の平等」の規定(社会科公民分野教科書が明記している)に反する、と考える人たちは少なからずいる。
 従って、「天皇という特定の人物を敬う」という歌詞の意味を持つ"君が代"を立って歌えと強制することに対し、「私や周りの友人の命や人権の方が、天皇や皇室のそれよりも大事だ」などと考える児童生徒たち(この他、宗教や国籍などの関係で"君が代"は嫌だと思っている児童生徒もいる)や、「天皇や皇室よりも、かけがえのない我が子の方が大切」と考える父母たちが、「立つのは嫌だ」「歌うのは苦痛だ」「文科省や教育委員会、学校の強制には従いたくない」と思い、着席したり一時式場外に出たりする行動は、第19条・20条・21条・23条が保障する基本的人権に照らし、尊重されなければならない。
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