「もの言える自由」裁判・最高裁上告棄却！報告集会

　伝わる・つながる・広がる
　　　　♪ 響 ♪
　「もの言える自由」裁判交流会ニュース　ＮＯ．１４

　１０月１７日（土）１３：３０～　上告棄却報告会を行います。
　会場：武蔵野市芸能劇場（三鷹駅北口より１分）
　武蔵野市中町１－１５－１０　ＴＥＬ：０４２２－５５－３５００
　内容：Ⅰ、弁護団・原告より
　　　　　Ⅱ、講演：土屋英雄教授
　　　　　「判決をどう見るか」〔仮題〕
　資料代：５００円

　土屋英雄教授〔筑波大大学院人文社会学研究科教授〕は、精神の自由、思想・良心の自由、信教の自由等に関する研究の専門家で、多数の著作のある方です。
　「判決をどう見るか」〔仮題〕の講演を３時から、前半は１時半から弁護団と原告の話と意見交流を行います。関連する裁判の今後に資するような観点も含めて、土屋先生のお話を通して、改めてこの裁判と判決の意味について考えたいと思います。どうぞご参加下さい。

　♪ 「もの言える自由」裁判上告棄却に対する弁護団声明
　本年７月２日、最高裁第一小法廷は、実質審理に入ることなく、本件につき上告棄却及び上告受理申立の不受理決定を下しました。
　４月２８日に上告理由書及び上告受理申立理由書を提出し、５月１８日に、最高裁に記録が到着した旨の通知書が届きましたが、それからわずか１ヶ月半ほどで判断がなされており、非常に短期間で三行半の判断が下されています。
　本件は、都立高等学校教員である上告人（原告）が、週休日に、前任校の卒業式に来賓として招かれて出席し、卒業していく生徒達に餞、励ましになるような言葉を一書添えたいという気持ちで、式次第に従った来賓紹介の際に、「おめでとうございます。色々な強制のもとであっても、自分で判断し、行動できる力を磨いていってください。」という餞にふさわしい短い祝辞を述べたにすぎません。
　これに対し、都教委は、この祝辞を「不適切な発言」「教員公務員としてふさわしくない」と不当な評価をして指導決定を行っており、教員の職務外における表現の自由をはじめとする憲法上の権利の侵害がまさに問題となっている事案でした。
　上告人は、控訴審において、本件指導決定の違憲性・違法性を明らかにするために、行政法学、憲法学、教育学それぞれの専門の立場からの意見書を提出しました。
　憲法学者からは本件指導は憲法上の権利侵害として許されないとの明確な意見が出されており、行政法学者からも本件指導の違法性が指摘され、教育学者からは、同祝辞の内容は何ら不適切なものではなく、むしろ教育的に価値のある励ましのメッセージであると評価されています。各分野における専門家の意見からも、本件の都教委の措置に法的問題が存することは明らかなものでした。
　しかしながら最高裁は、本件が憲法問題ではないとして門前払いの判断をし、都教委の不当・違法な指導決定を容認しています。
　本件のような、教員の週休日における私生活に対する都教委の制約が、明確な基準・理由も示されずに許容されてしまったことは、今後都教委によるさらなる不当な制約を招きかねないうえに、教員における、教育の自由・表現の自由に対する著しい萎縮的効果をももたらすことが強く懸念されます。
　教員であるからといって、何故、客観的常識的に不適切と評価しえない週休日の行動（発言内容）に対し都教委が介入できるのか、憲法上の権利侵害が許されるのか、その判断に司法の最後の砦である最高裁判所が踏み込まなかったことは、誠に遺憾であり、司法が果たすべき役割を果たしていないとの誘りを免れないことと思います。
　もの言える自由裁判弁護団　中川明　樫尾わかな　牧田潤一郎　秋山淳


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　裁判の記録を残し、次にどこかで役立つことを期待して、法科大学院の図書館に寄贈することを前提に企画します。費用を抑えるために基本的に手作りとなる予定ですが、内容的にはきちんと裁判の内容がわかる記録集にしたいと考えています。作成部数が限られるので、購入を希望される方は予約してくださるようお願いいたします。
　価格未定。（価格がはっきりした段階で、予約の方には確認させていただきます。）
　予約先　メール　電話０８０－３０８４－９４７７

　「もの言える自由」裁判交流会ニュース２００９年８月１７日発行ＮＯ．１４