日々雑記

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日ロ首脳会談はどこから見ても失敗だ

2016-12-17 10:57:56 | 政治

今回の日ロ会談ははじめから変な交渉でした。巌流島の宮本武蔵よろしく三時間近くも遅れて到着しながら平然とふるまうプーチン大統領、これに対し安倍首相は「信頼」関係の確立と「経済協力」こそ領土問題の解決に役立つという主張でした。しかし終わってみると、「共同宣言」すら出せないとんでもないことになっていました。

「経済協力」は交渉を開始することになりましたが、ロシア側は以前から「ロシアの主権の下で」行われる経済協力だと言っています。これでは多くの人が危惧するように「四島」を含め千島にロシアの支配を固定化するのに役立つでしょう。

日本の念願だった「北方領土」の返還はできませんでした。プーチン大統領は領土問題に関して何一つ言質を与えませんでした。

もともと千島は1875年の「樺太・千島交換条約」によって平和的に日本領になったところです。決して侵略によって奪ったものではありません。太平洋戦争の末期に軍事力で奪い取ったのはロシアのほうです。堂々と返還を要求するべきでしょう。

ロシアとの経済協力を進めることは、これまで日本がウクライナ問題でとってきた態度とも矛盾するものです。日本は、ロシアのウクライナへの軍事介入に対する経済制裁に参加しています。今年の「伊勢志摩サミット」の首脳宣言に議長としてロシアへの制裁の再確認を盛り込ませたのは安倍首相自身です。今回の首脳会談の結果は「伊勢志摩サミット」の宣言に反するものではないでしょうか。

どこから見ても今回の日ロ首脳会談は失敗というべきでしょう。

コメント (1)
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