日々雑記

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安倍晋三さん、憲法を守ると国民の安全を守れないのでしょうか

2014-05-18 12:20:06 | 日記

5月16日テレビのスイッチを入れると、麻生太郎副総理の顔が出て「憲法を守るために国民の安全が守られないなんて話は本末転倒も甚だしい」と言っているのでびっくりしました。安保法制懇の報告書が言葉をひねって言っていることを、あからさまに言っていたからです。

しかし、麻生氏こそ本末転倒なのです。政府は憲法の指示に従がって政治を行わなければならないのです。総理大臣の個人的な意見で「国民の安全」を言ってはいけないのです。憲法の指示に従って外交を行って、「国民の安全」を守らなければならないのです。憲法をどうしても変えなければならない場合もあるでしょう。その時には、国民が考えて、決められた手続きに従がってきめることになります。政府が勝手に決めて、憲法に反する政治を行うようなことは絶対にあってはならないことです。

安保法制懇報告、安倍首相の会見へとつながった「集団的自衛権」をめぐる先週の動きは憲法を骨抜きにするという政府の宣言でした。

報告書も首相の会見も色々な言葉で飾られているので、検討してみました。

まず「必要最小限度」という言葉です。必要最小限と言っても、集団的自衛権の行使というのは、日本のためではなく他国のために軍隊を派遣することです。日本の若者を戦場に送り、人を殺し、自衛隊員も殺されるのです。自分の父や夫、息子がそのような場所に行くことを考えると、首相のように美しい言葉で飾ることは出来ないでしょう。美しい言葉で300万人の日本人が死んだのが太平洋戦争でした。

「限定的」という言葉も使われています。その中には色々な事例があげられています。事例を一つずつ見るとあり得ない話ばかりです。

「日本近海でアメリカのイージス艦が攻撃を受けたら」。イージス艦だけが攻撃を受けるということがありうるだろうか。これは全面戦争ではないでしょうか。横田や横須賀、佐世保の基地も攻撃されるでしょう。それは日本への攻撃そのものであり、日本そのものが戦争に巻き込まれるでしょう。

「北朝鮮からアメリカ本土を狙うミサイルを撃ち落とす」という想定もあります。専門家によると、日本上空では高高度を飛んでいて、技術的に撃ち落とすことは不可能だそうです。

「中東などで機雷が敷設された時にこれを取り除く」という想定もあります。機雷を敷設する国は他の国と戦争をしているのです。日本の自衛隊がこれを取り除きに行けば、敷設した国は日本を敵国として攻撃してくるでしょう。その時には日本が戦争に巻き込まれるでしょう。

あまり長くなるのでこれ以上書きませんが、首相が言う10の事例がどれも荒唐無稽な、あり得ない想定だと思います。

もう一つ根本的なことにふれておきましょう。安倍首相は、「集団的自衛権の行使は、戦争をするためでなく、抑止力として、戦争を避けるためのものだ」という意味のことを繰り返しています。本当にそうでしょうか。日本が戦争の備えをすればするほど近隣国との緊張を高めるのではないでしょうか。太平洋戦争後、日本は憲法9条を持ち、戦争をしない国として、世界の信頼を得てきました。この信頼を大切にして、軍事力ではなく外交の力で国の安全を守っていくべきではないでしょうか。

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