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パソコンカレッジ スタッフのひとりごと

パソコンスクールのスタッフが、
初心者から上級者まで役立つ情報をお伝えします。

スペース区切りのデータの各値をセルに展開する

2010-11-09 09:00:31 | ExcelVBA
さあ、今日はいい天気だなあ。
こんな日は、みんなもバシバシ、パソコンはかどってるだろうなあ。

空を見て、そんなことを思っていると、生徒さんがやってきました。

「先生、こんなミッションが上司から・・・」

「どんなミッションなんですか?ふむふむ、エクセルですね。」

「そうです。あるシステムから出力された数字の羅列があるのですが、
その数字をひとつずつセルに入れてほしいって言われたんです。」

「ははあ、スペースで区切られた数字の集合体ですね。」

見せてもらうと、こんな感じでした。




「確認したいのですが、上司の指示は、こういうことでいいのでしょうか?」

僕は、手入力で数字を入力して、生徒さんに見せました。





「そうなんです。先生。同じ行のC列から右方向にひとつずつ数字を入れていくんです。
でも先生・・・」

「どうしましたか?」

「手入力なら、僕でもできるのですよ。もっと簡単にできませんか?
今回のサンプルは、たった4行ですが、実際は、1000行くらいあるんですよ。」

「それは、手入力では大変ですね。分かりました。困ったときのVBAといいます。
プログラミングで、乗り切りましょう。」


そんなわけで、今回もエクセルVBAを駆使して、解決することになりました。

なお、今回の条件を整理しておくと、
スペースで区切られた数字は、いつも6個
スペースは、半角だけど、1個のときも2個のときもある。
今回のサンプルは4件だが、実際は何件あるか分からない。



プログラミングの際に、まず考えることは、何が処理の核心かということです。
それが分かると、そのために必要な情報は何かということも分かります。
そして、処理の結果をどうしたらいいのかを考えればいいのです。

少しだけ専門的な表現を使うと、入力→処理→出力 という一連の流れを押さえることが重要なのです。

今回の場合、核心の処理は、「スペース区切りのデータを各数値に分解する」ということです。

そのために必要な情報は、スペース区切りのデータ1件分です。
1件のデータをちゃんと分解できれば、後は、その作業の繰り返しに過ぎないからです。

この核心の処理は、ひとつのプロシージャとして記述します。
そのほうが効率的だからです。

なお、引数にデータ1件分を指定するのがミソです。

以下のようにコーディングします。

Private Sub SplitData(ByVal s As String, ByVal r As Integer)
  '引数sを空白で分割して、各数字をセルに代入
  '引数rは、セルの行番号

  Dim Data As String
  '行頭行末のスペースを削除
  Data = Trim(s)
  'スペースの数を一つに統一(置換を使う)
  Data = Replace(Data, " ", " ")
  Dim tmp() As String
  'Split関数を使ってスペース区切りで値を配列に格納
  tmp = Split(Data, " ")

  Dim i As Integer
  '配列の要素数だけ繰り返し
  For i = 0 To UBound(tmp)
    '配列のi番目の値をセルに代入
    Cells(r, i + 3).Value = tmp(i)
  Next

End Sub


参考までに、画像を載せておきます。





メインは、Split関数の部分です。この関数は、戻り値を配列として返します。
配列の個数は今回は必ず6個ですが、いくつか分からないとしても何とかなります。
それが、今回の UBound(tmp) の部分です。
配列の上限をこれで取得できるのです。
(ちなみに、VB.NET以降は、tmp.Length という書き方をします。)

なお、スペースの数を1つに統一するのに、いわゆる置換の関数を使うと楽です。
また、行頭のスペースを、Trim関数で削除しておくと、配列の最初の要素から数字を取り込むことができます。


あとは、このサブルーチンを使って1行ずつ処理を繰り返します。

以下のようにコーディングしてください。

Public Sub Main()
  '1行目から最終行までのデータを繰り返し処理

  Dim i As Integer
  Dim LastRow As Integer
  LastRow = Range("A65536").End(xlUp).Row

  For i = 1 To LastRow
    '1行ごとにサブルーチンを呼び出す
    Call SplitData(Range("A" & i).Value, i)
  Next
End Sub

画像は以下のとおりです。





最終行を取得する方法を覚えておくと便利ですよ。


実行すると、以下のとおりになります。





生徒さんも、うまくいきました。今日もがんばりましょう。


だい

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (みちゃこ)
2020-05-15 10:29:08
はじめまして、みちゃこと申します。
仕事でVBAを使う機会があり、使えそうな技術が載っていたので記事を拝見させていただきました。

質問なのですが、SplitdataのマクロとMainのマクロは1つのModuleにすべて記述しますか?それともModuleをわけますか?

SplitdataのModuleを作成した際、マクロ登録の時に名前が出てこなかったため不思議に思い、質問させていただきました。
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