当ブログで浮世絵と言えば「歌川何某」という絵師たちが大活躍だが、「鳥居何々」も「清長」などたびたび登場している。
鳥居派は歌舞伎と結びついて、芝居絵、役者絵などの版画だけでなく芝居のちらしや看板も手掛け、現在も仕事をしている息の長い一派である。
ところで、「とりいきよみつ」と仮名やローマ字で検索すると「鳥居清満」として以下のような画像が並ぶ。
一段目は左から将棋・囲碁・双六・・・あやとり・百人一首のゲームを楽しむ子供達。
二段目は深川の美人娘や芝居の女形、あぶな絵。
三段目は上二段の女性とは顔つきは違っており、菊川英山描く美人に似ている。注意してみると署名が「清満」「清峯」となっている。
実は上二段は初代「清満」で、下三点は孫の「清峯」が二代目「清満」となったための混乱である。孫と言っても半世紀程の開きがある。
初代は18世紀後半、二代目は19 世紀前半。
下の段も一緒に出てくるが、非常に新しい版だということが分る。尤も摺りは新しくても復刻版なら問題は無いのだが、落款は「清光」となっているから別人の作ということになる。
娘道成寺 ・ 勧進帳弁慶 ・ 鷺娘
この「清光」は昭和13年生まれの現鳥居派九代目当主で、鳥居派初の女性絵師だそうである。
つまり三人の「きよみつ」がネット上では一緒にされているので注意が必要というわけである。
花月雪
春秋