豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

雙六・双六

2016年01月16日 | 今日の美女

 日本で雙六・双六といった場合、二つの違ったゲーム、即ち「盤雙六」と「絵(道中)双六」を意味し、現代では後者の絵すごろくをいうが、かつては前者の盤すごろくがふつうであった。
 盤雙六は「バックギャモン」という西欧のゲームの古い形で、富裕の家庭などの女性に好まれたようである。

   不詳                               鳥居清倍                      鳥居清広
    

   歌川豊国                                                     喜多川歌麿
  

   歌川豊国                                                  鈴木春信
  

   揚州周延 二点
  

     水野年方


     富岡英泉


◎ 下は絵双六

   落合芳幾                         歌川小国政
  



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運命の女神 5 追補

2016年01月15日 | 今日の美女


◎ 運命の女神といってもいろいろあるということで簡単に整理しておく。
  
 まずフォルトゥナというローマ神話の女神が一般的に有名だが、同じ女神がギリシャではテュケという名で呼ばれ、ヴィーナスとアフロディテ、ダイアナとアルテミスと同じようなものだから、同一の画像がどちらかの名前であったり、二つの名前が併記されたりする。
 テュケにはネメシスという姉がいて、テュケの与える運命の調整など当たる。ただ作品は多くない。
 ギリシャには別にクロト・ラケシス・アトロポスの三女神からなるモイライという運命を司る神がいる。
 
  フォルトゥナ                  テュケ                             ネメシス
    

  モイライの絵は三人の連続した役割を描くので単独のものは数少ない。
  クロト                                       ラケシス                 アトロポス
    

◎ ところで昨日提起した下の絵のように「モイライは姉妹のはずなのにアトロポスだけが老婆とされる不自然さ」について私なりの解釈を述べたい。 

 

 まずモイライ三姉妹の母はテミスという「掟、法、必然」の女神であり、ローマ神話のユーティスティアと対応し、下の絵のように剣と秤を手にした姿で描かれる。この姿は後の「正義・公正」のジャスティスと同一である。このテミスを二人の妹テュケとネメシスが助手として助けていたのである。つまり末の妹テュケがばら撒く運をネメシスがフォローしテミスが決定づけるのである。これはモイライと同じパターンといえる。
 最終決定者はどちらも最年長の姉にして母のテミスと長女アトロポスのはずなのだが、モイライの場合の姉アトロポスが母テミスと錯綜、混同されたのではないか。母と二人の娘として運命を司る三女神としてなら絵の不自然さはないことになろう。 

 ユーティスティア                       テミス                     テミス
    

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運命の女神 4 Moirai 

2016年01月14日 | 今日の美女
 ◎ ギリシャ神話には前述のティケ・ネメシスのほかに、モイライという別の運命の女神がいる。
  モイライは、運命の糸を紡ぐ末娘のクロト、糸の長さを測る中のラケシス、糸を切断する姉のアトロポスの三姉妹とされている。アトロポスによって運命は最終的に決定づけられるわけだから、彼女の役割の説明には、最近よく目にする「不可逆的」という単語が用いられることが多い。
 作者名は省略するが二段目最後はルーベンスの部分図である。
 また「三姉妹」といっても若い娘とは限らないから、昔美女の「三老婆」もたくさんある。


  


    

   ★
  


    

   ★                                                     ★
  

◎ 黒い★マークをつけた四点の絵で何か気づいたろうか。モイライは姉妹ということでほぼ年齢の近い三女性として描かれるが、これらの画では一人、アトロポスが老婆として描かれていて、この三人が姉妹というのは不自然ではないか。ギリシャの神様たちは性関係がかなり乱雑だから腹違いの歳の離れた姉妹と考えられないこともないが、寓意的な三人一組を描くのにそこまで必要だろうか。それにモイライというのはモイラという一人の神の持つ力を三分したとされるので、わざわざ一人だけ切り離すことは無意味なのである。
 どなたか理由がお解りならご教示願いたいものである。

   ★
  


  


   


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運命の女神 3 Tyche & Nemesis

2016年01月13日 | 今日の美女
◎ ローマ神話のフォルトゥナに対応するギリシャ神話の女神はティケという。両者は同じに扱われているようなので、絵も同じである。

    

◎ ティケには ネメシスという姉がいて二人とも人間の運命に関わっている。ただテイケは気まぐれで好き嫌いがはげしく不公平だが、ネメシスは神の正義に照らして厳正な厳しさがある。FORTUNE の持つ偶然性の強い幸運という意味と、FATE の意味の「厳しい宿命」といった違いのようある。                                 Albrecht Durer                       Alfred Rethel
    

   Gheorghe Tattarescu                      Pierre Paul Prud'hon
  


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Fortuna 運命の女神 2

2016年01月12日 | 今日の美女
 
 Fortuna は、Fortone のもとになったローマ神話の女神である。
 どちらかというと 偶然の幸運な機会を意味するようだが、それだけに逃げ足も速く捕えにくいのである。
 こういうことから、フォルトゥナの画は単に美女神をの姿を描くよりも、教訓的な寓意画であることが普通である。

   Pedro Pablo Rubens             Giovanni Battista Cipriani            Michelangelo ? ( Giorgio Vasari )
    

◎ レーニの2枚はは袋からこぼれる金貨と王冠の違い。
   Guido Reni                                                      Salvator Rosa
    

◎ 左は「忍耐の勝利」というタイトルで、「希望」と「願望」が「忍耐」の車を引いており「幸運」が後押ししている。
  右は「幸運」の後を「労働」「勤勉」「倹約」、その後に二つの面をつけた「欺瞞」、影の「虚偽」と「Vis」というのが従っているのだが、意味は解らない。 
   Maarten van Heemskerck                                Maarten van Heemskerck
  

◎ 乞食や危険なところで寝ている少年にも「幸運」は手を差し伸べるということか。
   Alexei Tarasovich Markov                  不詳
  

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Fortuna 運命の女神

2016年01月11日 | 今日の美女

 初詣でお御籤を引いた人も多いことだろう。今年は吉と出たか凶とでたか。
 そこで運命の女神を紹介しよう。今日は顔見せ程度だが・・・
 転がりやすい球、一個の立った車輪の上に乗った不安定な姿で描かれるのが普通である。
 だから、吉が出たからと安心してはならない。幸運はすぐに倒れてしまうかもしれないからだ。


    


    

 Jean Francois Armand Felix Bernard                                Domenico Beccafumi
    

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Tea time

2016年01月10日 | 今日の美女

◎ 新年初釜

   笠松浪                          長谷川貞信                     歌川豊国
    

◎ でも、こっちの方が気楽で好き。

   鈴木春信                         喜多川歌麿                     歌川豊国
    

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New Year Greetin Cards - Pin up girls

2016年01月09日 | 今日の美女

  


  


    

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New Year Greeting Cards

2016年01月08日 | 今日の美女


   中国
    

   インド なんで[H]がないのか不明。
  

   ロシア  
      

   ペルシャ
    


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七草 子松曳き

2016年01月07日 | 今日の美女

 正月も早や一週間、今日は五節句の始め人日の節句で春の野で摘んだ薺などを入れた「七草粥」を祝う日である。もちろん昨日が「小寒」の寒の入りでこれからが冬本番なので、現在の暦法では不自然なことになる。
 それはともかく絵では「七草なずな、唐土の鳥が・・・」と歌いながら七草を刻む姿が描かれる。

     勝川春潮


   歌川豊国                          喜多川歌麿                    鈴木春信     
    

     歌川豊国  歌舞伎役者の絵のようだが・・・・


◎ 五節句五つの場面を一続きの絵にした歌麿の作品。右から「人日、上巳、端午、七夕、重陽」


◎ 以下の絵は 「君が為春の野に出でて若菜摘む」の和歌にある若菜摘みのようでもあるが、実は違う所もあるのである。
 正月の最初の「子の日」に野山に出て、若い小さな松を引き抜く子松曳きの行事があったのである。若松の生命力を得るとのことで、合わせて若菜も摘んだりしたらしい。因みに今日は今年初の子の日である。
     石川流宣


     作者不詳


     葛飾北斎


     豊原国周


   落合芳幾                            窪俊満                     鈴木春信
     
 
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羽根つき

2016年01月06日 | 今日の美女

◎ 羽根をつく姿はほとんど見られなくなってしまった。

   奥村政信                    豊原国周                        長谷川貞信
    

若い男女のほほえましい姿。
ところで中央の春信に百人一首・楊成院の「筑波嶺の峰より落つるみなの川」が書かれているのだが、その理由お判りかな。
   鈴木春信                           鈴木春信                        喜多川歌麿
    

   鈴木春信 ?                                       勝川春潮      
  

   北尾重政                               喜多川歌麿
  

     揚州周延


     宮川春汀



◎ 羽根はついていないが、羽子板を手にしている画も多い。
   右田年英                         歌川豊国                      歌川国貞
    

   鈴木華邨                         武内桂舟
  

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歌留多

2016年01月05日 | 今日の美女
日本のカードゲームとして「カルタ」といえば一般に「百人一首」、子供向けの「いろはカルタ」で、ほかに花札がある。
正月の楽しみのひとつであつた。

    菱川師宣 うんすんかるたというものらしい                          石川豊信
  

   歌川国貞                        渡辺延一                       竹下夢二     
    

    歌川豊国  


    揚州周延


   揚州周延                                                   宮川春汀 いろはかるたらしい
  

   磯田湖龍斎                       魚屋北渓                       宮川春汀 坊主起こし(めくり)  
    

   伊東深水                         竹下夢二                       蕗谷虹児
      


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七福神

2016年01月04日 | 今日の美女

 七福神は男が多くて当ブログ向きではないのだが、弁天様は美女の典型だから男神は賛助出演のエキストラということでお認めあれ。
 なお、七福神については後日に改めて纏める心算である。

◎ 菱川師宣・師房父子の作品。右が父師宣。布袋の姿が無いのだが袋が置いて有るのでトイレじゃないかしらね。
  

◎ 歌川派の祖豊春。碁を打つ二人と飲み食いしている四人だが よく見ると奥の方で恵比寿が釣りをしている。


◎ 豊春の弟子が初代豊国。豊国とその弟子の国芳・国貞など一門による寄せ書き七福神。


◎ 喜多川歌麿 七福神の新年会。


◎ 歌麿 だいぶ出来上がって・・・・大騒ぎ                                    鈴木春信 大黒様の胴上げ
  

◎ 歌川豊国  「寿」作成現場 弁天様は保育担当。


◎ 渓斎英泉  力自慢コンテスト 審査員は大黒様。


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お屋敷の正月

2016年01月03日 | 今日の美女
 上流社会のお正月なんて関係ないけれど・・・

    歌川豊国


    揚州周延


    揚州周延


◎ 猿回しや万歳などを呼んで見物するのも特に女性の楽しみだったらしい。
    歌川豊国


    歌川国芳


    揚州周延


    鳥文斎栄之 詳細は不明ながら右端の飾りから見て正月の景と思われる。


    揚州周延  腰元たちにお年玉を撒いているところらしい。



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初夢・初詣・正月の町

2016年01月02日 | 今日の美女


◎ 初吉夢でしたかな。初夢はだれが決めたか「一富士、二鷹、三茄子」でして・・・

    石川豊信                                                  鈴木春信
  

    喜多川歌麿


    喜多川歌麿


    鳥居清長



◎ 雑煮食べたら初詣でと参りましょう。なーに、お参りと言っても日本人のは宗教とは関係ないです。

   めでたさや [美女を引き連れ  美女と連れ立ち  美女のお供で] 初詣
   中の句は 自分に見合ったのを選んでください。

    歌川豊弘                                                  歌川広重
  

◎ 江戸の町の正月風景。
    鳥居清長


    歌川豊国・豊広


◎ 珍しい獅子舞とよく見たら七福神の獅子舞、こいつぁー春から縁起がいいわい。
    葛飾北斎


◎ 江戸の町の中心街、越後屋前の大通り、二景
    鳥居清長


    歌川国貞


◎ 浅草の観音様はやはりお参りしなきゃぁ、ね。
    歌川国芳


◎ 観音様まで来た以上足を延ばして・・・、何処へ行くの? って、あんた野暮だねェ、吉原ですよ、よ、し、わ、ら。
    鳥文斎栄之


  正月二日は、それぞれお揃いの衣装で花魁のパレード、花魁道中とは違いますからね。
    栄松斎長喜


  思い切って大店の「扇屋」へ「居残り」覚悟で登楼。
    葛飾北斎


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プログ村

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