日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(183) 「未有仁而遺其親者也。」の「述語論理」と「再読文字」(Ⅱ)。

2019-04-19 09:51:56 | 訓読・論理学

―「記事(183)」を書き直します。―
(01)

読み方:いまダ~ず
訳:まだ~ない
再読文字とは、返り点に関係なくまず副詞として読み、その後、返り点に従って、下から戻って動詞・助動詞として読む漢字のことです。
(ViCOLLA Magazine 改)
然るに、
(02)
never[副詞]
《ne「・・・でない+ever「かつて」》
① 一度も・・・ない。いまだかつて・・・ない
② 決して・・・ない。少しも・・・ない。
(フェイバリット英和辞典、1996年)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① I have never been to New York.⇔
① 私は未だかつてニューヨークに行ったことがない
に於ける、
① never=未だかつて・・・ない
は、「英語の、再読文字(未)」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「再読文字」自体が、「不自然な読み方」である。といふわけではない。
(05)
① 未有仁而遺其親者也=
① 未不[有〔仁而遺(其親)者〕]也⇒
① 未[〔仁而(其親)遺者〕有]不也=
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らざるなり=
① 昔から仁に志すもので親をすてさったものは一人もいない(孟子・梁惠王章句上、小林勝人 訳)。
然るに、
(06)
① 昔から仁に志すもので親をすてさったものは一人もいない。
といふことは、
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことである。
然るに、
(07)
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことは、
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}⇔
① すべてのxについて、xが仁者であるならば、あるyはxの親であって、xがyを遺棄するといふ、そのやうなyは存在しない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1   (1)∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)} A
1   (2)   仁a→~∃y(親ya&遺ay)  1UE
 3  (3)   仁a               A
13  (4)      ~∃y(親ya&遺ay)  23MPP
13  (5)      ∀y~(親ya&遺ay)  4量化子の関係
13  (6)        ~(親ba&遺ab)  5UE
13  (7)        ~親ba∨~遺ab   6ド・モルガンの法則
13  (8)         親ba→~遺ab   7含意の定義
13  (9)      ∀y(親ya→~遺ay)  8UI
1   (ア)    仁a→∀y(親ya→~遺ay)    39CP
1   (イ)∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)} アUI
(ⅱ)
1   (1)∀x{仁x→∀y(遺xy→~親yx)} A
1   (2)   仁a→∀y(遺ay→~親ya)  1UE
 3  (3)   仁a               A
13  (4)      ∀y(遺ay→~親ya)  23MPP
13  (5)         遺ab→~親ba   4UE
13  (6)        ~遺ab∨~親ba   5含意の定仁
13  (7)       ~(遺ab& 親ba)  6ド・モルガンの法則
13  (8)     ∀y~(遺ab& 親ba)  7UI
13  (9)     ~∃y(遺ay& 親ya)  8量化子の関係
1   (ア)   仁a→~∃y(遺ay&親ya)  39CP
1   (イ)∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)  アUI
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことは、
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}⇔
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}⇔
① すべてのxについて、xが仁者であるならば、あるyはxの親であって、xがyを遺棄するといふ、そのやうなyは存在しない。
② すべてのxについて、xが仁者であるならば、すべてのyについて、yがxの親であるならば、xはyを遺棄しない。
といふことに、他ならない。
従って、
(10)により、
(11)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}⇔
② すべてのxについて、xが仁者であるならば、すべてのyについて、yがxの親であるならば、xはyを遺棄しない。
といふ「述語論理」は、
② すべてのxについて、・・・・・・、xは、・・・しない。
といふ「形」をしてゐる。
然るに、
(11)により、
(12)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
② ∀x
といふ「 量化子 」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
然るに、
(01)(05)により、
(13)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
に於いて、
① 未だ
といふ「再読文字」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
従って、
(12)(13)により、
(14)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
「再読文字と量化子」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
従って、
(14)により、
(15)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
① 未だ の「働き」と、
② ∀x の「働き」は、「似てゐる。」
従って、
(01)(14)(15)により、
(16)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於ける、
② ∀x
といふ「量化子」は、「再読文字」ではないにせよ、「再読文字」である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿