日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(181)「全称命題と、存在」について。

2019-04-18 14:29:15 | 論理

(01)
任意の名前が、結論Cの中に現れてはならないという理由を知るためには、そうでなければ、
あるものがFをもつという仮定から、すべてのものがFをもつということが証明されるであろうということを考えれば十分である。
 1 (1)∃xFx A
  2(2)  Fa A
 1 (3)  Fa 122EE
 1 (4)∀xFx 2UI
UIの適用は正しい。  なぜならば、1はaを含んでいないからである。しかし、
EEの適用は正しくない。なぜならば、問題になる結論、ここでは、
 1 (3)  Fa 122EE
において、    a をふくんでいるからである。
あるものがFをもっていることから、任意に選ばれた対象がFをもつということは帰結しない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英雄 訳、1973年、147頁改)
然るに、
(02)
(a)
 1 (1)∃xFx      A
  2(2)  Fa      A
 1 (3)  Fa      122EE
 1 (4)∀xFx      2UI
   (5)∃xFx→∀xFx 14CP
   (〃)あるxがFならば、すべてxはFである。
(b)
 1 (1)∃xFx      A
  2(2)  Fa      A
 1 (3)  Fa      122EE
 1 (4)∃xFx      3EI
   (5)∃xFx→∃xFx 14CP
   (〃)あるxがFならば、あるxはFである。
然るに、
(03)
(a)あるxがFならば、すべてのxはFである。
が「」であるのに対して、
(b)あるxがFならば、  あるxはFである。
といふ「トートロジー」は、明らかに「」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「任意の名前が、EEによる結論Cの中に現れてはならないという。」のではなく、
「EEによる結論Cの中の、任意の名前に対して、UIを適用してはならない。」といふ、ことになる。
(05)
(ⅰ)
1  (1) ∀x Fx  A
 2 (2) ∃x~Fx  A
1  (3)    Fa  1UI
  4(4)   ~Fa  4
1 4(5)Fa&~Fa  34&E
  4(6)~∀x Fx  15RAA
 2 (7)~∀x Fx  246EE
12 (8) ∀x Fx&
      ~∀x Fx  17&I
1  (9)~∃x~Fx  28RAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x~Fx  A
 2 (2)   ~Fa  A
 2 (3) ∃x~Fx  2EI
12 (4)~∃x~Fx&
       ∃x~Fx  13&I
1  (5)  ~~Fa  24RAA
1  (6)    Fa  5DN
1  (7)  ∀xFx  6UI
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ) ∀x Fx
(ⅱ)~∃x~Fx
に於いて、
(ⅰ)ならば(ⅱ)であり、
(ⅱ)ならば(ⅰ)である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ) ∀x Fx=「すべてのxはFである。」
(ⅱ)~∃x~Fx=「Fでないxは存在しない。」
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
(08)
(ⅲ)
1  (1) ∀x(Fx→ Gx) A
1  (2)    Fa→ Ga  1UE
 3 (3) ∃x(Fx&~Gx) A
  4(4)    Fa&~Ga  A
  4(5)    Fa      4&E
  4(6)       ~Ga  4&E
1 4(7)        Ga  26MPP
1 4(8)    ~Ga&Ga  67&I
13 (9)    ~Ga&Ga  348EE
1  (ア)~∃x(Fx&~Gx) 39RAA
(ⅳ)
1(1)~∃x(Fx&~Gx) A
1(2)∀x~(Fx&~Gx) 1量化子の関係
1(3)  ~(Fa&~Ga) 2UE
1(4)  ~Fa∨~~Ga  3ド・モルガンの法則 
1(5)  ~Fa∨  Ga  4DN
1(6)    Fa→ Ga  5含意の定義
1(7) ∀x(Fx→ Gx) 6UI
従って、
(08)により、
(09)
(ⅲ) ∀x(Fx→ Gx)
(ⅳ)~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
(ⅲ)ならば(ⅳ)であり、
(ⅳ)ならば(ⅲ)である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅲ) ∀x(Fx→ Gx)=「すべてのxについて、xがFならば、xはGである。」
(ⅳ)~∃x(Fx&~Gx)=「Fであって、Gでないxは、存在しない。」
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
(11)
(ⅴ)
1  (1) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)   ∀y(Fa&Fy→a=y) 1UE
1  (3)      Fa&Fb→a=b  2UE
 4 (4)   ∃y(Fa&Fy&a<>y) A
  5(5)      Fa&Fb&a<>y  A
  5(6)      Fa&Fb      5&E
  5(7)            a<>b  5&E 
1 5(8)            a=b  37MPP
1 5(9)        a<>b&a=b  89&I
14 (ア)        a<>b&a=b  459EE
1  (イ)  ~∃y(Fa&Fy&a<>y) 4アRAA
1  (ウ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y) イUI
(ⅵ)
1(1)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y) A
1(2)  ~∃y(Fa&Fy&a<>y) 1UE
1(3)  ∀y~(Fa&Fy&a<>y) 量化子の関係
1(4)    ~(Fa&Fb&a<>b) 3UE
1(5)    ~Fa∨~Fb∨a=b  4ド・モルガンの法則  
1(6)  (~Fa∨~Fb)∨a=b  5結合法則
1(7)   ~(Fa&Fb)∨a=b  6ド・モルガンの法則
1(8)     Fa&Fb→ a=b  7含意の定義
1(9)  ∀y(Fa&Fb→ a=b) 8UI
1(ア)∀x∀y(Fx&Fy→ x=y) 9UI
cf.
「≠」を「<>」と書くこととし、それ故、「<>ではない」が「=」であって、「=ではない」が「<>」である。
従って、
(11)により、
(12)
(ⅴ) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
(ⅵ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y)
に於いて、
(ⅴ)ならば(ⅵ)であり、
(ⅵ)ならば(ⅴ)である。
従って、
(12)により、
(13)
(ⅴ) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)=「すべてのxと、すべてのyについて、xがFであって、yもFであるならば、xとyは同一である。」
(ⅵ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y)=「すべてのxに対して、xがFであって、yもFであって、尚且つ、xとyが同一ではないといふ、そのやうなyは存在しない。」
に於いて、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
然るに、
(14)    
「量化子の関係」により、
(ⅵ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y)
(ⅶ)~∃x∃y(Fx&Fy&x<>y)
に於いて、
(ⅵ)=(ⅶ) である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
(ⅴ) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)=「すべてのxと、すべてのyについて、xがFであって、yもFであるならば、xとyは同一である。」
(ⅵ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y)=「すべてのxに対して、xがFであって、yもFであって、尚且つ、xとyが同一ではないといふ、そのようなyは存在しない。」
(ⅶ)~∃x∃y(Fx&Fy&x<>y)=「xがFであって、yもFであって、尚且つ、xとyが同一ではないといふ、そのやうなxは存在しない。」
従って、
(15)により、
(16)
(ⅴ)∀x~∃y(Fx&Fy&x<>y)
といふ「論理式」は、
(ⅵ)「・・・・・・・といふ、そのやうなyは存在しない。」
(ⅶ)「・・・・・・・といふ、そのようなxは存在しない。」
といふ「意味」になる。
従って、
(16)により、
(17)
(ⅴ)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
といふ「論理式」は、
(ⅵ)「・・・・・・・といふ、そのやうなyが存在する。」とは、言ってないし、
(ⅶ)「・・・・・・・といふ、そのようなxが存在する。」とも、言っていない。
従って、
(18)
われわれの記号では、それは次のように書かれる。
 (ⅴ)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
対象xおよびyをとるとする。するとそれらのいずれもがFをもつならば、それらは同一である。この式は、Fをもつものが存在しないことも、またFをもつ一つのものが存在することも許す。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英雄 訳、1973年、211頁)
従って、
(17)(18)により、
(19)
E.J.レモンも、書いてゐるやうに、
(ⅴ)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
といふ「論理式」は、「Fをもつものが存在しないことを許してゐる」ため、「この式」は、
(ⅵ)「・・・・・・・といふ、そのやうなyが存在する。」とは、言ってないし、
(ⅶ)「・・・・・・・といふ、そのようなxが存在する。」とも、言っていない。
加へて、
(20)
(ⅰ) ∀x Fx=「すべてのxはFである。」
(ⅱ)~∃x~Fx=「Fでないxは存在しない。」
(ⅲ) ∀x(Fx→ Gx)=「すべてのxについて、xがFならば、xはGである。」
(ⅳ)~∃x(Fx&~Gx)=「Fであって、Gでないxは、存在しない。」
といふ「全称命題」も、「xが存在する。」とは、言ってゐない。
然るに、
(20)
(ⅷ)
1  (1)  ∃xFx  A
 2 (2)    Fa  A
  3(3) ∀x~Fx  A
  3(4)   ~Fa  3UE
 23(5)Fa&~Fa  24&I
 2 (6)~∀x~Fx  35RAA
1  (7)~∀x~Fx  126EE
(ⅸ)
1  (1)~∀x~Fx  A
 2 (2) ~∃xFx  A
  3(3)    Fa  A
   (4)  ∃xFx  3EI
 23(5) ~∃xFx&
        ∃xFx  24&I
 2 (6)   ~Fa  35RAA
 2 (7)  ∀x~Fa    6UI
12 (8)~∀x~Fx&
       ∀x~Fx  17&I
1  (9)~~∃xFx  28RAA
1  (ア)  ∃xFx  9DN
従って、
(20)により、
(21)
(ⅷ) ∃x Fx=「あるxはFである。」
(ⅸ)~∀x~Fx=「すべてのxがFでない。といふわけではない。」
に於いて、
(ⅷ)=(ⅸ) である。
然るに、
(22)
(ⅷ)「あるxはFである。」=∃xFx
といふのであれば、「Fであるxが存在する。」
従って、
(21)(22)により、
(23)
(ⅷ)「あるxはFである。」=∃xFx
(ⅸ)「すべてのxがFでない。といふわけではない。」=~∀x~Fx
に於ける、(ⅷ)だけでなく、(ⅸ)であっても、「Fであるxが存在する。」


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