日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(717) 「弟子不必不如師」の「述語論理」。

2020-09-22 14:39:00 | 漢文・述語論理

(01)
① 弟子必不師=
① 弟子必不〔如(師)〕⇒
① 弟子必〔(師)如〕不=
① 弟子は必ず〔(師に)如か〕不=
① 弟子は必ず、師に及ばない。
(02)
② 弟子不必不一レ師=
② 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
② 弟子[必〔(師)如〕不]不=
② 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕不んば]あら不=
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 弟子必不師。
② 弟子不必不一レ師。
に於いて、
②は、「①の否定」である。
然るに、
(04)
① 弟子は必ず、師に及ばない。
であれば、
① ∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)≡
① すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)。
といふ「述語論理式」に、相当する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
であれば、
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「述語論理式」に、相当する。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1  (1)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)  A
1  (2)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)  1量化子の関係
1  (3)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy)  2量化子の関係
 4 (4)  ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay)  A
  5(5)    ~(弟子ab&師匠ba→~及ab)  A
  5(6)  ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 5含意の定義
  5(7)     (弟子ab&師匠ba)& 及ab  6ド・モルガンの法則
  5(8)     (弟子ab&師匠ba&及ab)   7結合法則
  5(9)   ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay)   8EI
 4 (ア)   ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay)   459EE
 4 (イ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)   アEI
1  (ウ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)   14イEE
(ⅲ)
1  (1) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)   A
 2 (2)   ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay)   A
  3(3)     (弟子ab&師匠ba&及ab)   A
  3(4)     (弟子ab&師匠ba)& 及ab  3結合法則
  3(5)  ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 4ド・モルガンの法則
  3(6)    ~(弟子ab&師匠ba→~及ab)  5含意の定義
  3(7)  ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay)  6EI
 2 (8)  ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay)  237EE
 2 (9)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy)  8EI
1  (ア)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy)  129EE
1  (イ)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)  ア量化子の関係
1  (ウ)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)  イ量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
③  ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&  及xy)
に於いて、すなはち、
② すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)といふわけではない。
③      あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であっ、   xはyに及んでゐる)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
③ ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)≡
③ あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であって、xはyに及んでゐる)。
といふことは、
③ ある弟子は、師匠よりも優れてゐる。⇔
③ ある師匠は、弟子に及ばない。
といふ「意味」である。
cf.
孔子は郯子・萇弘・師襄・老耼・を師としたが、郯子の仲間は、その徳のすぐれていること、孔子には及ばなかった
(明治書院、新釈漢文大系 70、1926年、88頁)
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① 弟子不必不一レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(10)
論理」は、「すべての人類」にとって、「共通」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
初めに(エン アルケー)」、
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「論理(ロゴス)」が有って、その「翻訳」として、
① 弟子不必不一レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
といふ「諸言語」が有るのかも知れない。
と、思ったりするのであるが、果たして、「本当に、さうなのだらうか?」。


(716)「∀y(∀xFx→Fy)」を「展開」すると、

2020-09-22 11:57:37 | 論理

(01)
3 つぎの定理を証明せよ。
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁)
(02)
 ― 私による「解答」―
1 (1)     Fα     A
  (2)     Fα→Fα  11CP
 3(3)   ∀xFx     A
 3(4)     Fα     3UE
 3(5)        Fα  24MPP
  (6)   ∀xFx→Fα  35CP
  (7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、「定理(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、
①   (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
②  ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「形」に、「展開」できる。
然るに、
(05)
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」は、
⑤ &E(連言除去)
⑥ &E(連言除去)
⑦ ∨E(選言除去)
⑧ 含意の定義(Df.→)
⑨ &I(連言導入)
により、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「型」に、「書き換へ」ことが出来る。
然るに、
(06)
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「式」は、
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}≡
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふことは、
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふことに、他ならない。
(08)
「E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁」でいふ所の『定理(theorem)』とは『恒真式(トートロジー)』に他ならない。
然るに、
(09)
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「同一律」は、『恒真式(トートロジー)』である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
1 (1)     Fα     A
  (2)     Fα→Fα  11CP
 3(3)   ∀xFx     A
 3(4)     Fα     3UE
 3(5)        Fα  24MPP
  (6)   ∀xFx→Fα  35CP
  (7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
といふ「計算」、並びに、
①   (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
②  ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」により、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、『定理(恒真式)』である。