日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(714)『「鼻は象が長い。」といふわけでない。』の「述語論理」。

2020-09-16 16:46:12 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
{象、兎、馬}を{変域(ドメイン)}とすると、
{鼻は、象長い。}
{耳は、兎長い。}
{顔は、馬長い。}
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は象長い。⇔ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬)は長くない
② 耳は兎長い。⇔ 耳は兎は長く、兎以外(象、馬)は長くない
③ 顔は馬長い。⇔ 顔は馬は長く、馬以外(象、兎)は長くない
然るに、
(03)
1    (1)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ya&象a→長y)&(鼻ya&~象a→~長y)} A
 3   (3)     (鼻ya&象a→長b)&(鼻ba&~象a→~長b)  A
  4  (4)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)                A
   5 (5)  ∃y(兎a&~象a&鼻ba)                A
    6(6)     兎a&~象a&鼻ba                 A
    6(7)     兎a                         6&E
    6(8)        ~象a                     6&E
    6(9)            鼻ba                 6&E
    6(ア)            鼻ba&~象a             89&I
 3   (イ)                  鼻ba&~象a→~長b   3&E
 3  6(ウ)                          ~長b   アイMPP
    6(エ)     兎a&鼻ba                     79&I
 3  6(オ)     兎a&鼻ba&~長b                 ウエ&I
 3  6(カ)  ∃y(兎a&鼻ya&~長y)                オEI
 3 5 (キ)  ∃y(兎a&鼻ya&~長y)                56カEE
 3 5 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                キEI
 34  (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                45クEE
1 4  (コ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                23ケEE
従って、
(03)
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは兎であって、象ではなく、yはxの鼻である。}従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。}
従って、
(02)(05)により、
(06)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない)。然るに、
(ⅱ)ある兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)鼻が長くない、兎が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1  (1)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} A
1  (2)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
1  (3)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
 4 (4)  ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} A
 4 (5)    ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} 4UE
 4 (6)     ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b)  5ド・モルガンの法則
 4 (7)      (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b)  6含意の定義
  8(8)      (鼻ba&象a→長b)                 A
 48(9)                  ~(鼻ba&~象a→~長b)  78MPP
 48(ア)               ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b)  48含意の定義
 48(イ)                  (鼻ba&~象a)& 長b   ア、ド・モルガンの法則
 48(ウ)                  (鼻ba&~象a&長b)    イ結語法則
 48(エ)                  (~象a&鼻ba&長b)    ウ交換法則
 4 (オ)      (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b)    8エCP
 4 (カ)   ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)}   オUI
 4 (キ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}   カEI
1  (ク) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}   キEI
1  (ケ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}   34クEE
(ⅲ)
1  (1) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}   A
 2 (2)   ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)}   A
 2 (3)      (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b)    2UE
  4(4)      (鼻ba&象a→長b)                 A
 24(5)                  (~象a&鼻ba&長b)    34MPP
 24(6)                  (鼻ba&~象a&長b)    5交換法則
 24(7)                  (鼻ba&~象a)&長b    6結合法則
 24(8)               ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b)  7ド・モルガンの法則
 2 (9)      (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b)  48CP
 2 (ア)     ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b)  9含意の定義
 2 (イ)    ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} ア、ド・モルガンの法則
 2 (ウ)  ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} イUI
 2 (エ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} ウEI
1  (カ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 12エEE
1  (キ)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} カ量化子の関係
1  (ク)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} キ量化子の関係
従って、
(07)により、
(08)
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}
③  ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(07)(08)により、
(09)
② すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}といふわけではない。
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
といふことは、
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
といふ、ことである。
従って、
(02)(09)(10)により、
(11)
② 鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(12)
1    (1)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} A
 2   (2)  ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} A
 2   (3)     (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長y)  2UE
  4  (4) ∃x∃y(象x&鼻yx&長y)               A
   5 (5)   ∃y(象a&鼻ya&長y)               A
    6(6)      象a&鼻ba&長b                A
    6(7)             長b                6&E
    6(8)   ~(鼻ba&象a)∨長b                7∨I
    6(9)     (鼻ba&象a→長b)               8含意の定義
 2  6(ア)                 (~象a&鼻ba&長y)  39MPP
 2  6(イ)               ∃y(~象a&鼻ya&長y)  アEI
 2 5 (ウ)               ∃y(~象a&鼻ya&長y)  56イEE
 2 5 (エ)             ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y)  ウEI
1  5 (オ)             ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y)  12エEE
従って、
(12)により、
(13)
(ⅰ)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y( 象x&鼻yx&長y)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(~象x&鼻yx&長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、xは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、長い。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは象ではなく、yはxの鼻であって、長い。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物がゐる。然るに、
(ⅱ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅲ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。従って、
(ⅱ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。然るに、
(ⅲ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅳ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
① 鼻は象が長い。          ⇔  ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔ ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③ 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔  ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(18)
「現状」に於いて、
①  ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③  ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に対して、「関心」を持ってゐる、「日本語の文法の、研究者」は、おそらくは、皆無に近い