ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

同級生の宮川くん

2010-04-08 23:19:13 | Weblog
 学校の先生をしている同級生の話を昨日したので、前から書こうと思っていたその友人の話を、今日は書きます。

 中学の同級生で生徒会長を務めていたその友人に初めて会ったとき、こんなにバランス感覚の優れた、そしてユーモアのある人気者が世の中にいるんだと思いました。

 3年前、およそ25年ぶりで会った友人は、昔と少しも変わってなかった。

 互いの仕事に話に触れ。障害を持つ方の生活支援をしている自分の話をし、病気の家族が追い詰められていること、片親家庭が大変な苦労している話をした。すると。

 今学校では、普通学級でも3分の1が片親家庭。そして心を病む親も多いと語る友人。追い詰められた親から、夜中でも電話がかかってくる。そのとき、3時間でも4時間でも悩みを聞き続けるのだそうです。

「よくそんなことが出来るね。それは立派だ」とこちらが言うと、「その時は大変だけど、それをすることで落ち着きを取り戻してくれた方が、あとが楽なんだ」と、当たり前のように語っていた。

 これは、われわれが障害を持つ人たちに行なっている心のケアと同じ対応である。われわれが師匠からたくさんの研修を受けてやっていることを、彼はひとり、誰からも教わることなく、こつこつと実行していた。

 こんなに素晴らしい先生が世の中にはいて。そしてそれが自分の同級生である。本当に素晴らしい。

 彼が先生になってわれわれの母校に赴任していた期間に、自分の姪が在学していたことが会話の中でわかった。知的障害を持ち特殊学級に在籍していたことを話すと、よく知っていて、かわいがってくれていたことを初めて聞いた。

 母校は障害を持つ子たちの学級にとても優しくて、一番日当たりのいい教室を当ててくれていた、週に1回受け持つ時間があり、普通学級にはない温かい時間を過ごした、と語ってくれた。


 生徒の家がやっているという居酒屋さんへ入ると、大勢の人が、彼に先生、先生、と慕う声がかかって話もできないほどだった。

 こんな人材が名もない地方でがんばっている。こんな友人が自分にはいる。それは誇らしい事実です。