ねがいのいえ理事長 藤本真二のブログ

障害を持つ方たちに寄り添い支援する日々の中で感じたこと、そのほか伝えたい話題などを、思いのまま日記風に綴ります。

井戸端元気

2009-01-14 00:12:23 | Weblog
 ねがいのいえを始めるとき、障害者だけでなく高齢者や障害のない子の保育など、どんなかたでも集まってこれる家になることを描いていた。生活そのものが最高のリハビリなのだと説いて老人介護の世界に変革を呼んできた三好春樹氏の生活リハビリ講座を受け、目指す形を実現している富山の宅老所を訪ねて歩いた。

 遊びりテーションの講座に参加したとき、隣に座った青年がきさくに話しかけてきて、すでにNPO法人を立ち上げて、千葉で宅老所を始めたところだと語り、考え方や方向性が自分とまったく同じで感銘を受けた。

 木更津で「井戸端元気」という宅老所を運営する伊藤英樹さん。最近はテレビにもよく登場する。今や珍しくなくなった宅老所界で、老舗ではない事業所が取材を受けるのはすごいことだ。その素晴らしさはテレビからも十分伝わってくるが、先日出版された本が詳細に伝えている。講談社から出た「奇跡の宅老所 井戸端元気物語」。
 
 伊藤さんの揺るがない信念は、対応の難しい人でも決して断らず裏切らない。また、ボランティアやスタッフで入ってくるかたたちの中にも、心を病む人があり、そのような方たちのほうが、難しい利用者と上手に関われることがある。そのかたたちの力で難題を解決し道を開いて歩んでゆく姿は、感動的に素晴らしい。

 「制度に利用者を合わせるのでなく、利用者が困っているから制度を使い、制度の及ばないところもなんとかするのだ」という考え方を伝えている伊藤さん。

 全国津々浦々には、私たちと同じ考えでがんばっている人たちがいる。それは嬉しい事実である