大賀ハスのふるさとの会

東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催・ ハス文化の継承と普及を行うため組織されたボランティア団体です

2021年8月7日の活動報告 私たちボランティアのための「花ハス研修会」実施!

2021-08-08 09:59:00 | 日記
本日は2021年8月の第一土曜日。7月のハス見本園一般開放終了後、初の活動日です。まだまだハスの花が咲き誇っています。そこで、ボランティアメンバーに向けて花ハスのガイドツアー、質疑応答などの研修会が実施されました。

8月7日午前9時の気温31度、湿度65パーセント。台風10号が関東地方に向かって動いている中、時折サーっと雨が降ったりする空模様です。

いつものガイドツアーと同様に、まずは正面のパネルで解説が始まります。大賀ハスの種の発見の経緯、ハスの花が咲いてから、またその後のこの見本園の歴史など。また大賀博士がどれほど熱心に昔のハスの種を探して咲かせようと思っていたのかなども解説がありました。

反対側のパネルには花ハスの種類が掲示されています。それを使っての解説もありました。大賀蓮、古代蓮、大賀蓮の仲間、ここ東京大学旧緑地植物実験場で作出された蓮、そして舞妃蓮の紹介パネルです。


パネルでの紹介のあと、通常のガイドツアーと同様に、右側の森の中の道を進みます。この森は実はツバキの見本園だったそうで、100種類以上ものツバキが植えられていたとか。ツバキが咲く季節には、様々な品種の花が咲くので、とても楽しい森のなかです。

この道をさらに右に曲がると、パッと開けてくるのがハスの見本園です。正面に三つのグループがあり、左からA列B列C列と名付けられています。さらにずっと奥には横向きにD列E列が並びます。A列には巨椋池大黒や巨椋の曙など、昔京都にあった巨椋池に生えていた蓮が植えられています。C列には交配して作られた品種が植えられています。中ほどにある知里の曙は私たち大賀ハスのふるさとの会の顧問である南定雄先生が、ここ東京大学旧緑地植物実験場で交配して作られた品種です。B列の、ちょうど知里の曙の向かいには大賀ハスのマスが3つ並んでいます。なんと今日はその中の一つで大賀ハスが開花していました。

ここはクラウドファンディングによって今年植え替えることができたマスなのですが、7月中は、花は数本咲いたものの育ちがあまりよくありませんでした。それが8月に入ってこのように葉っぱも大きく茂り、花も咲き、蕾もまだ出ている状態になりました。ボランティアのMoさんが特に気を配ってお世話をしてくださったおかげだそうです。ありがとうございました。

ハスの葉っぱは表面がツルツルしているものとザラザラしているものがありますが、大賀ハスはツルツルです。またハスは開花してから4日間で散ってしまうと言われていますが、1日目はとっくり型に開いて9時ごろには閉じてしまい、2日目にはおわん型に開き昼頃には閉じる、3日目はお皿型に開き午後には閉じ、4日目には花びらが落ちるそうです。1日目のとっくり型に開花した時は、花びらの中が発熱しているそうで、指を入れてみるとかなりの熱を感じる時があります。

写真中央で赤い艶陽天を触っているMaさん、熱は感じられましたか?
また、開花1日目2日目は、ハスがとてもよく香るのだそうです。虫を誘って受粉してもらうためでもあるとか。実際に鼻を近づけてにおいを嗅いでみると、ハスの種類によってずいぶん香りが違うのがわかります。

ハス圃場の見学最後は、東屋で未熟な果托に入っている実を味わいました。まだ青い実を取り出して、さらに外側の緑の皮を剥きます。

実を半分に割ると、中には今にも発芽しそうな芽があるのがわかります。じつはこの緑の芽はとても苦かったのです。周りの白い部分は、うっすらと甘い生栗のような味がしました。

最後は事務所の中で質疑応答の時間です。ボランティアメンバーからいくつか質問が出ました。栽培方法について、肥料は何をどのくらいやったらいいのか、土は何を使うのか、など。ハスの肥料としてはカルシウム分が大事だそうで、大賀博士は昔ハスの肥料として身欠きにしんや煮干しを使ったことがあるとか。今はこれは水を腐らせるので使わない方がいいそうです。ハスは根菜の一種なので、鶏糞など根菜用の肥料もいいのだそうです。
土は荒木田、畑土、田土、腐葉土。家庭ではバケツで栽培できますが、乾燥に弱いので注意すること、春先に浮き葉が出てきたら、梅雨寒の前に葉を大きく育てるために水位を下げて水温が上がるように調整すると早い時期に花が咲く、藻や浮草はどんどん除去して日照を確保する、など、ベテランボランティアからの栽培ポイントの助言がありました。


ハスの絵葉書を差し上げた人から、このようにバックをほとんど黒にして花を浮かび上がらせるような写真はどのようにして撮るのかと聞かれたという質問もありました。自動でピントを合わせるスマホなどでは、無理ではないか、手動で望遠レンズを使って調整して、このような写真にしていると、写真家でもあるボランティアのOさんからのご返事でした。

とても有意義な勉強会になりました。講師役を務めてくださったボランティアの皆さん、どうもありがとうございました。

それでは今日のハス見本園で咲いていたハスの花をご紹介します。
剣舞蓮です。




千弁連です。


寿星桃です。


美中紅です。


名前の確認を忘れました。


輪王蓮です。


天嬌です。


大酒錦です。


紅領巾です。


名札をチェックするのを忘れましたが、白繡蓮でしょうか?


次回の活動日、8月21日にもまたボランティアのための勉強会が開催される予定です。今回参加できなかった皆さま、どうぞご参加くださいね。ハスの花はまだまだ咲くと思われます。

(担当: えむ)



コメント (2)
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