加藤嘉一(北京大学研究員/英『フィナンシャル・タイムズ』中国語版コラムニスト
2003年に中国政府の国費留学生として中国に渡り
北京大学で学んでいた加藤氏に
人生の転機が訪れたのは、05年4月10日のことでした
その前日、北京市中関村で起きた反日デモの現場に
足を運んだことがきっかけで
香港フェニックステレビに出演
それを機に、中国メディアから取材・執筆依頼が
殺到するようになったのです
現在、27歳の加藤氏は北京大学の研究所に勤務する傍ら
「中国でもっとも有名な日本人」として
年間300以上の取材を受け、200本以上の記事の執筆をこなしています
2008年には、胡錦濤国家主席とも対面し
いま胡錦濤氏は、英『フィナンシャル・タイムズ』中国語版の
加藤氏の連載「第三眼」に必ず目を通していると言います
今夏、そんな加藤氏が日本で出版した
『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)という本のタイトルには
文字通り「日中関係の架け橋になる」
という思いが込められています
加藤氏が、本科4年間と修士課程の2年間みてきた
“中国の真実の姿”について
世界の有名大学生が驚く北京大学生の向学心
北京大学にはハーバードやオックスフォードなど
世界の有名大学から留学生が来ていますが
彼らも一様に北京大学生の向学心にはびっくりさせられます
中国人のクラスメートたちからの見えないプレッシャーに
大いに苦しみ、焦りすら感じていました
毎朝6時ごろになると寮に住む学生たちが
いっせいにキャンパスに出て、海外の専門書を音読するんです
そうやって、講義が始まるまでの数時間を読書に費やす
また夜は夜で、外に出て電灯の下で本を読んでいる
氷点下10度を下回る真冬の朝でもそうで
私も中国の学生に負けじと読書に励んだものです
「北京大学の学生は、英語力からスピーチ能力
ロジカルシンキング能力、計算能力、 記憶力まで優れている
日本の学生とは比較にならないほど勉強熱心だと
北京大学生に限ってのことではありません
たとえば、僕が地方大学に講演に行くと
定員800人ぐらいの会場に約2000人の学生が押し寄せる
そして「何か質問は?」と聞くと、全員がいっせいに手を挙げる
なかには壇上まで勝手に上がってきて、僕からマイクを強引に奪い
尖閣問題や歴史問題などについて聞いてくる学生もいます
僕は慶應義塾大学でも授業する機会があるのですが
誰も質問などしません
「中国の大学なら全員が手を挙げるよ」というと
やっと何人かが手を挙げるのですが
みんな中国からの留学生という状態
中国の学生の政治に対する意識については
「天安門事件」の影響がやはり大きい
北京大学の先輩たちのなかにも、事件で拘束されたり
帰国を許されていない人が数多くいます
自分のキャリアに傷がつくような行動はあえてしません
それが、政治離れ を生んでいるようです
経済的に豊かになるチャンスは以前とは比較になりません
そのために中国の学生は必死で勉強しているのです
2003年に中国政府の国費留学生として中国に渡り
北京大学で学んでいた加藤氏に
人生の転機が訪れたのは、05年4月10日のことでした
その前日、北京市中関村で起きた反日デモの現場に
足を運んだことがきっかけで
香港フェニックステレビに出演
それを機に、中国メディアから取材・執筆依頼が
殺到するようになったのです
現在、27歳の加藤氏は北京大学の研究所に勤務する傍ら
「中国でもっとも有名な日本人」として
年間300以上の取材を受け、200本以上の記事の執筆をこなしています
2008年には、胡錦濤国家主席とも対面し
いま胡錦濤氏は、英『フィナンシャル・タイムズ』中国語版の
加藤氏の連載「第三眼」に必ず目を通していると言います
今夏、そんな加藤氏が日本で出版した
『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)という本のタイトルには
文字通り「日中関係の架け橋になる」
という思いが込められています
加藤氏が、本科4年間と修士課程の2年間みてきた
“中国の真実の姿”について
世界の有名大学生が驚く北京大学生の向学心
北京大学にはハーバードやオックスフォードなど
世界の有名大学から留学生が来ていますが
彼らも一様に北京大学生の向学心にはびっくりさせられます
中国人のクラスメートたちからの見えないプレッシャーに
大いに苦しみ、焦りすら感じていました
毎朝6時ごろになると寮に住む学生たちが
いっせいにキャンパスに出て、海外の専門書を音読するんです
そうやって、講義が始まるまでの数時間を読書に費やす
また夜は夜で、外に出て電灯の下で本を読んでいる
氷点下10度を下回る真冬の朝でもそうで
私も中国の学生に負けじと読書に励んだものです
「北京大学の学生は、英語力からスピーチ能力
ロジカルシンキング能力、計算能力、 記憶力まで優れている
日本の学生とは比較にならないほど勉強熱心だと
北京大学生に限ってのことではありません
たとえば、僕が地方大学に講演に行くと
定員800人ぐらいの会場に約2000人の学生が押し寄せる
そして「何か質問は?」と聞くと、全員がいっせいに手を挙げる
なかには壇上まで勝手に上がってきて、僕からマイクを強引に奪い
尖閣問題や歴史問題などについて聞いてくる学生もいます
僕は慶應義塾大学でも授業する機会があるのですが
誰も質問などしません
「中国の大学なら全員が手を挙げるよ」というと
やっと何人かが手を挙げるのですが
みんな中国からの留学生という状態
中国の学生の政治に対する意識については
「天安門事件」の影響がやはり大きい
北京大学の先輩たちのなかにも、事件で拘束されたり
帰国を許されていない人が数多くいます
自分のキャリアに傷がつくような行動はあえてしません
それが、政治離れ を生んでいるようです
経済的に豊かになるチャンスは以前とは比較になりません
そのために中国の学生は必死で勉強しているのです