心理カウンセリング ウィル

ご相談はホームページの予約申し込みフォームからお願いします。
 

心の病と薬 ~プラセボ(偽薬)でもなおる?~ №243

2016-08-02 17:43:14 | 日記
 心の病で処方される薬の効果の半分は、プラセボ効果だといわれています。プラセボというのは、一般に偽薬と訳されていますが、薬としての効き目のないものを錠剤やカプセル剤としてつくったもの、つまり、薬に似せた気安めのものといってもいいでしょう。
 ハーバート大学の心理学者で、プラセボ(偽薬・暗示)研究者のアービング・キルシュ氏が、情報公開法に基づき製薬会社の臨床試験データを調べたところによると、重症患者をのぞき、「ブロザック」などの抗うつ剤には、プラセボ(暗示)を超える効果はほとんどなかったということです。つまり、この薬を飲めばなおるという暗示効果以上の効き目は認められなかったということです。
 私たちの周りには健康食品やサプリメントが溢れていますが、それらの広告でみられる、「○○が直った」とか「××がよくなった」という例は、たぶんにプラセボ(暗示)効果による可能性があります。一般に、プラセボ(暗示)効果だけでも3分の1の人は良くなるともいわれているようです。症状によっては、それ以上の割合で効果がみられる場合があるといわれています。特に、不安や緊張に伴う症状や、痛みを伴う症状には効果が現れやすいと言われています。
 プラセボ効果は、内服薬や注射、点滴、食物の摂取などが主な対象ですが、外科手術に対しても効果があったという話があります。
 イギリスで、膝が悪い人に「本当の手術をしたグループ」と「皮膚を切開したのみのグループ」に分け、その効果を調べたところ、この2つのグループに治療効果の差が認められなかったのです。それどころか、皮膚だけを切ったある患者は手術をされたと信じ込み、それまでは杖をついて歩いていたのに、バスケットボールができるまで回復したというのです。にわかに信じがたい話ですが、本当に起こったことだということです。
 すべての心の病が気持ちの持ち方やプラセボ効果で治るわけではありませんが、信じるということが引き起こす効果をあなどってはいけません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿