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心の悩みへの対応(その2)抑圧

2011-11-26 23:26:44 | インポート
 ストレスやフラストレーションを「なかったもの」、あるいは「ないもの」として無意識の中に閉じこめてしまうという解決方法です。精神分析学では、これを抑圧といいます。自分を不安にする願望や衝動を意識から締め出して、自分の気持ちを守ろうとする、自我の防衛機制です。
 中学や高校の同窓会に出席して、どうしても相手のことを思い出せないとき、その同級生との間に思い出したくない過去が横たわっていたというような場合が抑圧です。
 無意識の中に抑圧された衝動は、完全に抑圧されれば、その欲求は自我によって変形されたり昇華されたりして、有効活用されますが、何らかのきっかけで不安神経症などによって意識に表れることもあります。
 性的なタブーが強い家庭で育った男の子が、女性に対する興味や関心を正当に表現できず、下着を盗んだりするのは抑圧が歪んだ形で現れたものといえると思います。
 また、結婚をしたいと思っているのに、仕事に専念して結婚願望を押さえるつけてしまうのは抑圧ですが、それがさらに極端になると、仕事が自分の生き甲斐だとか、仕事が命であるというように、抑圧とは正反対の行動をとるようになります。これを「反動形成」といいます。仕事に没頭しすぎる人は、何かを抑圧したいという気持ちがあるのではないでしょうか。