国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

小沢一郎「陸山会」と事務所費

2007-01-14 00:24:57 | 時事問題
事務所費問題も終息してきたようだ。大体新聞の社説も似たり寄ったりのことを主張している。例えば1月13日付の信濃毎日「政治とカネ 「出」を透明にしなくては」では、次のように論じている。
「問題の背景には、使い道が不透明になりやすい事務所費の仕組みがある。支出をどこまで賄えるのか、法の決まりはあいまいだ。領収書も要らない。政治家の便利な財布になりかねない面がある。
 閣僚や政党役員だけでなく、すべての国会議員にかかわる問題だ。何に使ったか実態に即した記録を残す、領収書を添える-といった制度改革は最低限、必要になる。
 その前に、伊吹文科相や松岡農相は指摘された問題について分かりやすく説明しなければならない。」
(http://www.shinmai.co.jp/news/20070113/KT070112ETI090003000022.htm)

確かにその通りである。

さらに民主党の小沢代表の資金管理団体「陸山会」が、2005年、事務所費を4億1500万円計上していたことが分かったという報道があった。(ちなみに「陸山会」の主たる事務所は東京都港区赤坂2丁目にあるビルの一室である。)

民主党の鳩山幹事長は、「「大部分が、事務所を設けるために東京都世田谷区内に購入した土地、建物の代金と聞いている」と述べ、問題ないとの認識を示した。」という。「報告書にも資産の内訳として、同区に約3億6600万円相当の土地、建物の記載がある。」(http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/article.aspx?id=20070113000175)この建物の目的は、秘書の独身寮であるらしい。

私はむしろ小沢氏の資金管理団体が「陸山会」という名前であることに感心した。きっと田中角栄の「越山会」をまねているに違いないと思ったからである。
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伊吹文明文科相と事務所費

2007-01-13 03:37:07 | 時事問題
伊吹文明文科相に関して、事務費問題で火が消えていない。以下は備忘のためのメモ。

*「明風会」関連
伊吹文科相の政治資金団体「明風会」の所在地が、議員会館もかかわらず、2005年度に4146万円の事務所費を計上した。これに対して伊吹文科相は、 「議員会館の事務所とは別に、東京と京都に事務所があり、家賃が年間計1800万円ほどかかる」と弁明した。

しかしこれに対して、アカハタが追撃している。
「伊吹文科相の事務所は、「議員会館の事務所とは別に、東京と京都に事務所があり、家賃が年間計千八百万円ほどかかる」と説明しています。
ところが、東京・平河町にある「明友会」や、京都市下京区に同居する伊吹氏が支部長の「自民党京都府第一選挙区支部」、「自民党京都府明風支部」、関連政治団体の「新風会」とも、それぞれが事務所費を計上しています。
伊吹氏側は、「飲食を含む会合費としても三百万―四百万円かかっている」ともいいますが、政治活動費の「組織活動費」として処理すべきものであり、資金流用そのものです。」(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-12/2007011201_04_0.html)

ここには二つの問題がある。後者の「資金流用」に関しては他紙も取り上げている。これはどうやら伊吹氏の政治資金の処理の仕方が誤っているようだ。

前者の「東京との京都の事務所」費が4146万に含まれているという説明に対する疑惑は、他紙はまだ追求していないようだ。アカハタの言うとおりであれば、伊吹氏はちゃんと説明しないといけない。

*「構造改革研究会」関連
また他紙では、伊吹氏のこれ以外の政治団体に対しても問題が指摘されている。
「家賃のかからない議員会館に事務所を置く政治団体「構造改革研究会」が、実際には活動をしていなかった04、05の両年に総額約900万円を事務所費として政治資金収支報告書に計上していた疑いがあることが分かった。伊吹文科相の事務所は朝日新聞に対し、03年以降は活動実態がないことを認めたうえで「交際費、お返し代、ご苦労様代などに使った」と証言している。」(http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY200701110400.html)

もしここで書かれているとおりであるとすれば、伊吹氏は政治資金の処理の仕方を間違えているようだ。ここで書かれている費目は政治活動費ということになろう。

なぜこのようなことが起きるのかについて、私には次の朝日の説明がわかりやすかった。
「政治活動費には1件5万円以上について領収書の添付が求められるが、事務所費や人件費などの経常経費には領収書の添付の必要がなく、使途明細を報告する義務もないため、領収書が必要な交際費を経常経費として報告すれば、外部から支出の正当性をチェックすることができない。」

この「構造改革研究会」に関しては、伊吹文科相は次のように説明している。
「私の政治団体ではありません。私がたまたま代表をしているということです。ここに計上されているお金は、私が自由に使えるお金ではありません。政治資金を私的に流用したとか、そういうことがあれば、これは私が最も嫌うことですから。だけど、私は別に恥ずかしいことをしているとは思っていないんですよ」
伊吹大臣は、900万円は「会員の選挙情勢の調査費用や冠婚葬祭の出費などにあてた」と説明し、不透明な経理処理はしていないことを強調しました。
(http://news.tbs.co.jp/top_news/top_news3468775.html)

善意に解釈すれば、すべて5万円以下の政治活動費であったが、面倒なので一括して事務所費として処理したということなのであろうか?

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事務所費雑感

2007-01-12 01:45:51 | 時事問題
事務所費問題がマスコミを賑わせている。資金管理団体が家賃のかからない議員会館を所在地としているのに、年間一千万円単位の事務所費を計上していることが問題とされている。

この問題は「しんぶん赤旗」がリードした。次のようなリストが示されている。

「事務所費」1000万円以上を計上している議員
伊吹 文明文部科学相    4146万円
松岡 利勝農水相      3359万円
中川 昭一政調会長     3096万円
鈴木 俊一元環境相     3012万円
金田 勝年前外務副大臣   2849万円
亀井 静香国民新党代表代行 2418万円
松本 剛明民主党政調会長  1866万円
武田 良太衆院議員(無)   1588万円
江藤  拓衆院議員(無)   1487万円
加納 時男参院議員     1416万円
衛藤征士郎元防衛庁長官   1409万円
佐藤 昭郎参院議員     1388万円
遠藤 利明文科副大臣    1313万円
中山 太郎元外相      1238万円
小坂 憲次前文部科学相   1192万円
保岡 興治元法相      1185万円
滝   実新党日本総務会長 1141万円
加藤 紘一元自民党幹事長  1041万円
≪注≫金額は万円以下切り捨て。政治資金収支報告書(05年分)で作成。「無」は無所属
「家賃ゼロの衆参議員会館に/多額の「事務所費」支出/自民・民主議員ら 18人が年1千万円超」(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-03/2007010301_01_0.html)

ちょっと調べてみると、次のようなことだ。

事務所費には、「政治団体の事務所の借料損料(地代、家賃)、公租公課、火災保険料、電話使用料、切手購入費、修繕料等事務所の維持に通常必要とされる経常的な経費が該当する」。

しかも事務所費には領収証が義務づけられていない。

また、収支報告書には「主たる事務所」以外に複数事務所を構えていても、その所在地などを記載する項目はない。このため事務所費として、複数事務所の経費を合計して計上する場合もあるらしい。

今は閣僚級の人物の弁明が求められている。

中川政調会長「(議員会館とは別に)東京都内や北海道内にも事務所があり、その経費も事務所費に含まれている。経理処理は徹底されており、一切問題ない」
(http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070111&j=0023&k=200701118113
)

松岡農相「事実に基づいて積み上がった経費がそれだけあるわけで、必要な経費がそれだけの額に上っている。架空の経費とか(別の団体の支出の)付け替えは一切ない」
(http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070110/eve_____sya_____008.shtml)

伊吹文相事務所「「議員会館の事務所とは別に、東京と京都に事務所があり、家賃が年間計1800万円ほどかかる」。残る年間2千数百万円は「駐車場代やコンピューター経費など」」
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070111it01.htm)

それぞれ実態があり、詳細を説明できるから、辞任した佐田行革相のケースとは異なると言うことらしい。事務所費に領収書が義務づけられていないのは、煩瑣な手続きを防ぐためらしいが、これが問題の根幹のようだ。これを改めた方が良いだろう。
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NPO法人審査状況照会の手数料が100万円とは高いかも

2007-01-06 14:18:15 | 時事問題
「松岡農相」という、キーワードで本ブログにたどりつかれた方が多い。NPO法人認証をめぐり、松岡利勝農水大臣の秘書が審査状況を照会していた問題がマスコミを賑わせているためらしい。このあたりの経緯を、6日付の朝日新聞社説が丁寧に説明してくれている。
「福岡市にある資産運用のコンサルティング会社が05年、関連団体をNPO法人に認証するよう内閣府に申請した。
 関連団体はこのころ、松岡氏側にパーティー券代として100万円を渡した。
 その3カ月後、松岡氏の秘書が内閣府に審査状況を照会した。内閣府はその内容を「よろしくお願いしたい旨連絡」などと文書にして残した。
 関連団体は審査中に勝手にNPO法人をうたい、「1口100万円で月5万円を配当」などと宣伝した。そのため、内閣府は不認証とした。
 コンサルティング会社は、福岡県警から家宅捜索を受けた。金融業の許可がないのに、外貨の為替変動で利益を上げると宣伝し、全国で数千人から出資金を集めた疑いが持たれている。」

松岡農水相側の言い分は次の通りである。
「照会したとされる秘書は記憶が定かでない。だが、パーティー券の購入を仲介した後援者は「松岡氏の事務所で手続きの日程を確認してもらった」と言っている。照会の事実はあったが、働きかけではない。よろしくと言ったとしても、儀礼的なものにすぎない。」

それで問題は何か?
「松岡氏が働きかけを認めたくないのは、パーティー券を買ってもらっていたからではないか。NPOの申請にもやましい点があると感じたからではないか。そう勘ぐられても仕方がない。
 言うまでもなく、国会議員や秘書らが他人から請託を受け、官庁に口利きをして謝礼を受け取ることは、あっせん利得処罰法によって禁じられている。」

随分厳しい書き方だ。「あっせん利得処罰法」が関わってくるので、松岡農水相の口が硬いのであろう。実態は、パー券を100万円分買ってもらった支持者から、頼まれたのでとりあえず照会をしただけではないのか?もっとも100万は、ちと高すぎるような気がする。パー券を買ってくれた側のスジが悪かったためであろう。

それとも、朝日が元日から立て続けに、この問題に関する記事を載せているのは、他に何かもっと大きな問題が出てくる前振りなのであろうか?以上とりあえず感想です。
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中国共産党幹部解任と台湾総統一族スキャンダルとの関係

2007-01-05 14:21:30 | 時事問題
昨年12月24日に、中国共産党中央委員会は、杜世成山東省副書記兼青島市書記を、「重大な規律違反」のために解任した。このようなハイレベルの共産党幹部の解任は、共産党が進める腐敗防止策の一環であると考えられる。このような事実は、昨年末に日本でも報道された。

この共産党書記幹部と台湾総統夫人や娘婿のスキャンダルを対比させている記事に出会った(China's Crackdown on Corruption Still Largely Secret)。この記事の主旨は、民主主義や自由なプレスがないという条件のもとでおこなわれている、中国共産党による腐敗撲滅は限界があるということである。

「…台北の検察は、…陳水扁総統の妻を横領のために裁判にかけ、総統の娘婿をインサイダー取引のために収監している。このことすべては、メディアの執拗で詳しい監視のもとにおかれている。陳総統は、自身ならびに妻の無実を主張しているが、検察がこの件を捜査する権利と義務を再確認している。
 これらの捜査は、台湾民主主義の大きな前進として、また検察や裁判官が政府による操作から自由であることの喜ばしい印として、台湾では歓迎されている。「私たちの司法制度が、初めて独立したのです」と、かつて陳総統のもとにいた江春男氏は述べた。」

台湾の騒動は、民主主義につきものの醜聞であり、困ったものだと否定的にしか捉えていなかった私には、新鮮であった。

また「独立した司法」で、思い出したことがある。かつて光華寮裁判の判決が出たとき、大学院で学んでいた中国留学生たちが、児島惟謙のことをしきりに語っていたっけ。


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*.exeを実行できない

2007-01-03 00:57:29 | PCSkills
正月早々家族用のWindowsXPがトラブルに見舞われた。*.exeファイルが実行できないのである。

*.exeファイルが実行できないから、システムの復元のプログラム(rstrui.exe)も実行できない。Googleで対策を探したが、検索結果が多すぎて的が絞れない。またWindowsの再インストールかと絶望的な気持ちになった。

途方に暮れているとき思い出したのはWindows.FAQ - ウィンドウズ処方箋のサイトである。

ここで、サイト検索を試みると「exe ファイルの関連付けを変更してしまいました」という質問があった。「さすが!頼りになる!」と心の中で叫んだ。

解決策は、次のようなコマンドを打ち込めということなのだ。

1. [スタート]-[ファイル名を指定し実行] から command を実行します。
2. 次のコマンドを実行します。
assoc .exe=exefile
ftype exefile="%1" %*


ありがたや。ありがたや。念のため再起動させた。*.exeファイルが実行できるようになっているではないか。当たり前のことができなくなったときの苦しみが消えたのだ。あとはシステムの復元のプログラム(rstrui.exe)を使ってWindowsXPがまともに動いていた12月下旬のシステムに復元するだけであった。ここに至るまで試行錯誤があり、時間を相当費やしたが、再インストールするよりましであった。

しかし根本的な疑問は、なぜ*.exeが実行できなくなったのかが分からない。私が常用しているパソコンではないので、「多分誰かがウィルスに引っかかったか?まあいいか動けば」で終わっているが。
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澤地久枝『密約』について(4)

2007-01-02 00:11:34 | 
テレビ朝日系の『ザ・スクープ』という番組が、2006年12月10日、西山事件を取り上げた(「沖縄返還35年目の真実 ~政府が今もひた隠す”密約”の正体~」)。私はネット配信の映像で見た。老境に入った西山氏の凛とした姿を見ることができたのは満足であった。

何よりも驚いたのは、吉野文六氏が出演し、密約について淡々と語っていたことである。そしてさらに驚いたのは、2000年アメリカ公文書公開により、「密約」が明らかになったとき、外務省高官から吉野氏に対して、「密約」に関しては、従来通りの方針(すなわち密約は存在していないということ)で行きましょうという電話がかかってきたと、吉野氏がこともなげに語ったことであった。さらに追い打ちをかけるように、吉野氏は、外相からも直々に同趣旨の電話があったと語ったのだ。

2000年の外相といえば、河野洋平氏だ。実は河野氏は、西山事件裁判控訴審で弁護側証人として出廷したのだ。澤地氏の要約によれば、1975年11月27日、河野氏は次のように発言している。

「父子二代の与党政治家の体験から、マスコミの役割を高く評価し、外交交渉について、開かれた場で、徹底した取材活動がなされなければ後遺症を残すと証言」

つまり河野氏は一般論ではあるが、西山氏を弁護しているのである。25年後に外相になったとき河野氏は、その西山氏が裁かれる原因になった密約に関して、従来通りで行きましょうと吉野氏に求めたというのである。河野氏は、外相として、別の大きな目的を追求していたのかもしれない。そのために昔の密約問題で省内に波風を立てたくなかったのかもしれない。たとえそうだとしても別のやり方が、あったように思える。(もっとも、公平のために記せば、国会においてこのことが2006年質問されたとき、麻生太郎外相は、当時の外相から吉野氏にこのような電話があったことは承知していないと答弁している。)

さらにまた驚いたことに、当時検察のサイドでこの裁判を「情を通じる」という方向に誘導したのは、現在の民主党参議院議員佐藤道夫氏であるということだ。佐藤氏も『ザ・スクープ』に出演していた。そして当時知識人が「国民の知る権利」と騒いでいたことに対抗するために、「情を通じる」というスキャンダルの方針を打ち出したと述べていた。佐藤氏は、スキャンダルこそが事実であると確信していた。なお国会で佐藤内閣を追及していた横路氏も、今では同じ民主党に属する。両氏はこの問題について、意見交換をしたことがあるのだろうか。

西山事件はまだ終わっていない。西山氏は、密約の存在がアメリカ側文書から確認されたことを契機に、不当な裁判で被害を被ったと国賠訴訟を行っている。裁判は結審し、来春判決が出されるという。裁判所は、密約に対してどのような判断を下すのだろうか。

『ザ・スクープ』
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澤地久枝『密約』について(3)

2007-01-01 00:36:52 | 
私はこの「密約」(米軍基地原状回復に関する費用400万ドルを日本が肩代わりするが、あたかも米国が支払ったかのようにすること)にさほど関心がないと言った。実際、大学の講義において沖縄返還交渉について簡単に説明するとき、私はこの「密約」に触れることはない。私が、日本政府は常に正しいことを行っているという立場に立っているからではない。

沖縄返還には、これよりももっと大きな「密約」があるからである。例えば、沖縄返還の代償として、日本がアメリカに対する繊維製品輸出自主規制を約束したこと。またこの交渉で密使をつとめた若泉敬氏が『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 』で明らかにしたように、有事に沖縄に核兵器を持ち込む約束をしたことを説明することで手一杯であるからなのだ。

さらにお金の話しをすれば、沖縄返還の際に日本がアメリカに対して負担した金額3億2000万ドルそれ自体が、そもそも「つかみ金」みたいなものなのだ。例えばその中に、沖縄に存在した核兵器の処理費として7000万ドルが計上されているが、実際の費用は500万ドルであるのだ。このようなことを考えると、400万ドルのお話は陳腐に思えてしまう。

もちろん陳腐と書いたのは、私の傲慢のなせる技である。この「陳腐な密約」すら、日本政府は一つも認めていない。陳腐な密約を認めると、すべての密約が明らかになという連鎖が恐れられているのだろう。

しかし驚いたことに、2006年2月、吉野文六氏がこの「陳腐な密約」を認める発言をしているというのだ。吉野文六氏は、西山事件のときの外務省条約局長であった。裁判では、吉野氏は職務上、密約は存在しないという証言を行った。

吉野氏が、一転して密約を認める発言をした真意はよく分からないが、2000年、2002年にアメリカ公文書の公開により、この密約がアメリカサイドから明らかにされたことが関わっているらしい。(続く)

池田龍夫『沖縄返還密約「吉野文六証言」の衝撃と米軍再編』
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