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自民党らしさ

2007-01-19 01:32:43 | 時事問題
産経新聞社説を読んで、違うのではないかと考えた。
「自民党が17日開いた第74回党大会で、安倍晋三総裁(首相)は憲法改正に強い意欲を示した。
 第3代総裁で祖父である故・岸信介氏のあとの歴代総裁が、改憲の難しさやその時の政治状況に配慮して明確な姿勢を示してこなかったのと比べると、まさに「立党の精神に立ち返った」(安倍氏)ものであり、自民党らしさを打ち出したことを評価したい。」
(産経新聞、「【主張】自民党大会 安倍カラーの発揮を期待」、1月17日)

私が引っかかったのは「自民党らしさ」という言葉の使い方である。自民党らしさというのは、憲法改正のような問題を正面から打ち出す政治家もいれば、それを避ける政治家をも同時に含んでいる曖昧さのようなものを指すものである。よく言われるように、自民党とは、冷戦期において、アメリカのとの関係を重視する政治家の集まりであり、政権についていることのうまみを共有する政党であろう。であるから政策的には極めて多様な流れの人々を含み、時代時代の流れに柔軟に対応できるものである。だから憲法改正というイデオロギーに凝り固まったスローガンを真っ正面から掲げるのを「自民党らしさ」というのは、どうかと思う。

産経社説も引いている加藤紘一氏の言葉の方が、自民党らしさに近いのではないか。
「元幹事長である加藤紘一氏は、大会後、記者団の質問に答え、「『憲法』より『生活』で戦うべきだと思う。憲法改正で参院選を戦うという基本概念は、大変な間違いを犯す可能性があると思っている」と述べた。」

自民党がこのようにイデオロギー的に硬直したスローガンを真っ正面から打ち出すことができる大きな理由は、読売新聞社説が指摘している次のような事情が大きいと思う。
「野党第1党の民主党の支持率は低迷している。連立を組んでいる公明党からの支援もある。これらが自民党を油断させているのだろうか。」(読売新聞、「参院選へ態勢は十分なのか」、1月17日)

民主党も頑張ってもらい、気合いの入った戦いになってほしいのだが…。
コメント
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