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イラク駐留多国籍軍司令官ペトラウス中将(Lt. Gen. David H. Petraeus)の発言

2007-01-26 20:11:48 | 時事問題
米国上院軍事委員会では1月23日、イラク駐留多国籍軍司令官の指名承認公聴会が行われた。任命予定のペトラウス中将は、「事態の進展は時間を必要とし、容易ではない」と発言した。増派の成果を判断できるのは「夏の終わりごろ」になるとの見通しを示し、増派部隊の駐留が長期化する可能性も示唆した。

ネット上の日本語のニュースではこの程度の報道である。だがペトラウス中将はもう少し具体的なことを述べている。備忘のためメモをする。

新しい計画のために、バクダットで5個旅団の追加、イラク西部のアンバル地方で2個大隊の追加が必要とされる。

5月までには5個旅団がイラクに着く。だがペトラウス中将はもっと早い到着を求めている。

米陸軍の「反乱掃討作戦(counterinsurgency)マニュアル」によれば、バクダットでは12万人の兵力が必要とされる。しかしバクダットに配備されることになる(新旧あわせて)3万2千人ほどの米軍で十分である。米とイラクの治安維持要員はあわせて約8万5千となるから。政府ビルなどの防衛は民間軍事会社を使えば、必要とされる兵士の数を減らせる。

夏の終わりまでには、反乱派拠点近隣を掃討し、米とイラクの治安維持要員で保持し、再建計画によって民衆の支持を得ることができる。

イラク政府が約束を果たさないときは、増派を中断することを上司に提案する。だが具体的な援助を停止する方が影響力がある。6ヶ月で米軍を撤退させることは、反乱と「民族浄化」を強めるだけである。

米とイラクの間の指揮統一がないことを懸念している。新しい計画では、イラク軍と警察はイラクの直接の指揮のもとで活動する。米軍部隊は、イラク軍や警察とともに働くが、アメリカの指揮のもとにある。協力を確実にするために、共同指揮のポストが作られようとしている。

(General Says New Strategy in Iraq Can Work Over Time, http://www.nytimes.com/2007/01/24/world/middleeast/24general.html)
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泥仕合の予感

2007-01-26 14:46:41 | 時事問題
今年1月7日、前橋商工会議所の新年互礼会で、角田義一参院副議長は、昨年末政治献金不正処理で行政改革担当相を辞任した佐田玄一郎議員に対して、「このことを心に刻んで精進し、くじけず頑張ってほしい」と励ましの言葉をかけたという。

しかしその角田副議長に対しても政治献金の疑惑が持ち上がった。その8日後の1月15日、読売新聞は、2001年7月の参院選で、角田氏の総合選挙対策本部が総額約2520万円の政治献金を集めながら、政治資金や選挙運動費用の収支報告書には記載されていないと報じた。さらにその中には、政治献金ができないはずの総連系団体からの献金もあったと報道が続いた。報道機関は裏帳簿の写しを持っているようだ。

角田氏は今年夏に引退が決まっているし、参院副議長という名誉ある職に就いているのだから、最低限、直ちに報告書を修正し、一部献金を返還するだろう。清潔で売っている民主党だから、その後議員辞職するのだろうと推測された。

当時の会計責任者山田光彦元民主党県連事務局長は、1月22日、前橋市内で記者会見し「会計帳簿が全く保存されていないので、事実関係を確かめようがない」、「(角田議員は)参院副議長の職にあり、当然しかるべき時期にしかるべき対応をすると思う」などと述べた。

あれ?会計帳簿を保存すべき期間を、法律がどのように定めているのかは知らないが、6年間の任期を持つ参議院議員であれば2001年の選挙の時の帳簿は保存すべきであろう。

角田議員は、23日記者会見をして、「後援会などに陣中見舞いと称される入金がないのは事実だ」と疑惑を否定し、「引き続き淡々と政治活動を続けたい。副議長の職責を全うさせていただければありがたい」と述べ、議員辞職や副議長辞任をしない考えを強調。「率直に言って困惑しているが、こういう事態になったのも私の不徳の致すところだ」と陳謝した。

あれ?角田議員は法律の専門家なので、物的証拠のない疑惑否定の説得力のなさを知っているはずだろう。自分のポストにしがみついて老醜をさらしているだけのように見える。さっさと辞職すれば「このことを心に刻んで精進し、くじけず頑張ってほしい」と、周囲の人々から声をかけてもらうこともできたかもしれないのに。

付記
26日、角田議員は、扇千景参院議長に副議長辞職願を提出し、副議長を辞職する旨の会見をした。
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