国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

北朝鮮核実験にビックリ

2006-10-09 23:48:06 | 時事問題
「戦略的互恵関係」ってどういうことだろうと考えていたら、昼のニュースで北朝鮮が地下核実験を行ったというニュースに接した。ビックリだ。

先週北朝鮮が地下核実験を行うと予告したとき、きっと瀬戸際外交をやるつもりなんだと思った。ねらいはアメリカに金融制裁をやめさせ、直接交渉をすることであるはずだ。それゆえに地下核実験はすぐに実施するはずがないし、最終にはやらないで終わると考えていたのであるから、全く事態を読めていなかった。

冷静に考えれば、広島型原爆より小さい規模の人口的爆発は確認されている。しかしまだ核実験を行ったことは確認されていない。放射性物質を探知するための飛行機が飛ばされるらしい。もしたとえ核実験を行ったとしても、核を弾道ミサイルに搭載できるかはまた別問題だ。もっとも恐れられているのは、北朝鮮が核を第三国に対して売りつけることである。さらに周辺諸国、すなわち日本と韓国の核武装の連鎖反応であるとされる(日本は核武装しなさそうに思えるが…)。

当然米国と日本は、国連を通じて経済制裁にさらに突き進むであろう。北朝鮮の軍事力を考えれば、アメリカは軍事オプションはとれないと思われる。問題は中韓である。中国は核実験に対して中止するよう呼び掛けていた。そして実験の数十分前に通告を受けただけである。メンツ丸つぶれだ。KJ*)は中国のメンツをつぶす傾向があるようだ(* キムジョンイルと小泉純一郎)。北朝鮮は、中国は最終的には北を支持せざるを得ないという読みがあるのだろうか。

また韓国も、今回の事態に際して長年続けていた「太陽政策」をやめることになるのであろうか。またなぜこの日に核実験をするのかということであるが、国連総会でパンギムンさんを事務総長に選出することに対する妨害という見方もあるらしい。とにかく驚いて、あたふたした。もっとも私があたふたしても仕方ないのであるか。
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安倍首相訪中訪韓の背景をめぐる毎日と産経の対立

2006-10-06 22:23:49 | 時事問題
10月4日に、安倍首相が7日・8日、訪中・訪韓をするということが公式に発表になった。この問題の報道については、大手新聞では毎日が先行し、産経が最後まで懐疑的であったことは、ここのエントリーで示した。

日本は、10月8日安倍訪中を、9月23日の日中総合政策対話で提案した。しかし中国側が安倍首相の靖国参拝しないという確約を求めていたので、話がまとまらなかった。安倍首相の靖国参拝に対する姿勢は、参拝するかどうかを明らかにしないということである。

ここまでは衆目の一致するところである。ここから先が毎日と産経では異なる。産経によれば次の通りである。

「その後、日本側は8日案を撤回し、10月下旬の訪中を打診した。これに対し、中国側は先月30日になって8日午後に胡錦濤国家主席との会談をセットし、夕食会では温家宝首相と会談する案を打診してきたという。

この中国側の態度急変について日中関係筋は「胡主席の強い指示によるもの」としている。…

また、安倍首相が先月28日に韓国の盧武鉉大統領と電話会談し、早期に首脳会談を行うことで合意したことも大きい。直後に日韓両政府は首相が盧武鉉大統領と9日にソウルで会談することで基本合意。中国側に圧力をかけた形となった。」
(安倍首相、訪中きょう決断 8日会談 胡主席の意向、http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/m20061003000.html)

産経は、日韓会談が中国に対する圧力として作用したと考えている。

毎日によれば、中国が非常に熱心で、中国との会談が先にきまり、後に日韓の会談がセットされたとなる。

「安倍晋三首相の8日訪中をめぐり、9月23~26日に東京で開かれた日中外務次官級の総合政策対話で日本側が首脳会談の開催日を8日に特定して打診していたことが分かった。日中外交筋が3日、明らかにした。中国側は首脳会談再開の条件として首相の靖国神社参拝自粛を求めつつ訪中案は持ち帰り、胡錦濤国家主席の判断として9月28日までに受け入れを回答。これを受け日本政府は韓国に「セット訪問」を打診し、取り残されることを嫌った韓国も受け入れるという経緯をたどった。」
(日中首脳会談:「8日」日本から提案 受諾受け、訪韓打診、http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2006/10/04/20061004ddm002010041000c.html)

気になるのは、安倍訪中を受け入れた中国の意図である。

毎日の「日中首脳会談:安倍首相訪中、「次官ライン」で実現 靖国問題「見切り発車」」(http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2006/10/05/20061005ddm002010078000c.html)によれば、

「参拝自粛の合意なしに中国が訪中を受け入れた理由は定かでない。胡主席が江沢民前国家主席の「上海閥」一掃に動くなど権力基盤を固めてきたことが背景にありそうだが、胡耀邦元総書記が中曽根康弘元首相の靖国参拝(85年)も絡み失脚した歴史から、中国側は会談再開後に「裏切られる」ことを警戒する。」

最後の文章は重い。中国の指導者にとって、日本の指導者を受け入れるのは、ある種の賭であるのだ。安倍首相の靖国参拝問題は、玉虫色状態である。しかし安倍首相が、ここ数日来「歴史問題」に関する国会答弁で見せている柔軟さを前提とすれば、靖国に行くか行かないかは明らかにしないということは、おそらく首相在任中は行かないということと同義なのではないだろうか。

もっとも北朝鮮の核実験問題が表面化してきているので、日中・日韓会談でもこの問題が大きく取り上げられ、靖国問題は後継に退くかもしれない。安倍首相には、強運があるのかもしれない。
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陳良宇上海市共産党委員会書記解任の意義を学ぶ

2006-10-05 01:54:31 | 時事問題
9月末に陳良宇上海市共産党委員会書記という大物が、汚職事件に関連して解任されたことは、様々な憶測を呼んでいる。

ニューヨークタイムズによれば、この一連の汚職事件の責任者は曾慶紅副主席であるという。曾慶紅は、かつては江沢民の右腕だったのであるが、2004年に胡錦濤主席と組んで、江沢民を完全引退に追い込んだ。それ以来二人はタッグを組んでいる。

今回の動きには、江沢民の影響力を排除するという目的がある。それゆえこれで終わらずに、共産党政治局常務委員の賈慶林(政協主席)、黄菊(副首相)の解任にまで及ぶ可能性も予見されている。二人とも江沢民に近い人物である。

胡錦濤と曾慶紅の目指すものは、政策的には、安定成長、社会的不公正や公害に対する関心、教育・医療・安全に対する国家の支援の重視とされる。江沢民が目指した経済成長一本槍に対するアンチである。

またこの二人がマスメディアやネットに対する規制に務め、平和的反対派に対して苛烈な取り扱いをしてきたために、両者の権力の増大に懸念も表明されているという。

もっとも両者の間に意見の食い違いもあるゆえ、この連合は一時的なものになるという見方も提示されている。

(In Graft Inquiry, Chinese See a Shake-Up Coming, http://www.nytimes.com/2006/10/04/world/asia/04corrupt.html)


中国共産党内の権力闘争は秘密に包まれているので、正確なことは窺い知れないということは承知している。しかし対日強硬派の江沢民VS対日実務路線の胡錦濤という視点ばかりでこの動き見ている私にとっては、大変勉強になった。また曾慶紅=江沢民の右腕とばかり思いこんでいた私には、刺激的な記事であった。
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議員特権

2006-10-04 20:05:20 | 時事問題
議員特権の話のまくらとして、杉村太蔵議員の話をした。昨年の今頃、彼は歳費特権について嬉しそうに語っていたから、学生さんに固い話をするときのきっかけになるかもしれないと考えたからである。ウィキペディアには、彼の項目ができていて、そこには次のような無防備な言葉が並んでいた。

「新幹線も飛行機もグリーンですよ!グリーン!!グリーンなんて乗ったことないですよ。当選したおかげで移動は全部グリーン!これが全部ただですよ!?ただ!!」
「(通信費)ひゃくまんえんもらえるんですよ!?年間かと思ったら毎月ひゃくまんえんですよ」
「議員宿舎は3LDKで楽しみ」

 語られていることは全部本当である。もちろん議員活動を支えるためである。(ところで、杉村議員のブログを見てみたが、閉鎖されている。何があったのか?)。

さらに免責特権に関しては、ライブドア偽メール事件の永田寿康議員。不逮捕特権に関しては、その例外として衆議院の許諾があった事例として、鈴木宗男議員の汚職事件と、わかりやすい話のネタに困らない。

議員特権に関する新聞記事のクリップを授業の参考に配布しようとして、グーグルで探すと、山本モナさんと細野豪志議員の不倫の問題しか出てこない。議員特権のJRパスが逢い引きに使われたのではないかという疑惑である。こちらの方は、疑惑段階なので配布を自粛した。

このようなネタを振れば、政治に少しでも関心を持ってくれるかな?
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安倍首相、10月8日訪中?

2006-10-02 11:12:34 | 時事問題
1日の夜、インターネットのニュースを見ていると、毎日新聞サイトで、ものすごくビックリした。"Abe to visit China, SKorea from Oct. 8"。安倍首相が10月8日訪中、9日訪韓するというのだ。

折から、中国では陳良宇・前上海市共産党委員会書記が汚職で失脚し、対日強硬派の江沢民「上海閥」にかげりが見えているという報道がなされていた。胡錦濤国家主席が、安倍政権発足にあたり、「上海閥」を抑えて、ついに対日実務的関係路線を明確にする決断をしたのかと感慨にふけった。さらに8日は、中国では6中全会の初日であり、このときに首脳会談をするのは異例である。

しかし奇妙だ。1日の夜10時頃の時点で、毎日のサイトには、英語の記事があるが、日本語の記事が出ていない。英文記事を見ると共同通信のニュースがもとになっている。共同通信のサイトでは「8日に日中首脳会談 安倍首相が訪中」という記事が出ている。こちらは8日の訪中のことだけを伝えている。

共同通信の特ダネなので、他社は2日に追従するのかと思った。確かにそのようだが、情報に混乱が見られる。

毎日新聞のサイトでは、日本語記事が多数掲載されて、訪中訪韓は規定の事実のようである。「安倍首相訪中:胡錦濤国家主席と会談固まる 韓国訪問も」「安倍首相:「変化」期待の中韓両国側と思惑が一致」「安倍首相訪中:アジア外交立て直しへ強い意欲 補選前に」「安倍首相訪中:最悪の対日関係改善に強い希望 胡指導部」という記事がならんでいる。

そこでは、訪中が安倍政権にとっても諸刃の刀であることは、しっかりと指摘されている。

「ただ、訪中・訪韓が実現しても、靖国参拝など歴史認識問題で小泉純一郎前首相と同様、首脳同士の溝の深さが際立ってしまえば、かえって日中・日韓関係の改善が遠のきかねない。中国側が首相訪中を受け入れたこと自体は関係改善の意欲の表れだが、対中強硬派を支持基盤とする安倍政権だけに、靖国問題などでの譲歩を危ぶむ見方も出ている。」(「安倍首相訪中:アジア外交立て直しへ強い意欲 補選前に」)

だが毎日の報道に倣うのは、大手では日経のみである(「首相、8日に中国訪問・韓国歴訪も固まる」)。朝日新聞は、9月30日から、安倍首相は、10月8日に、訪中ではなく、訪韓することが固まったと報じていていた。10月2日になって、「日中首脳会談、8日前後で調整」という慎重な観測記事を出した。

「日本政府は、中韓両国に10月中に個別に首脳会談を行うことを要請。韓国側は応じる意向を示し、8日にも盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との首脳会談が実現する見通し。首相周辺は1日、「(中韓両国に)一緒に行けたら、その方がいい」と述べ、7~9日の連休中に中韓両国を訪問することで調整していることを示唆した。」

読売新聞も同様に慎重である。「日中首脳、8日にも会談…「靖国」打開策で詰めの協議」とする。

ここまでを総合すれば、現在、日中首脳会談のツメの最終段階にあるということなのであろう。

しかし産経はこれを完全に否定している。「中国「安倍首相、8日に日中首脳会談」 日本側は否定」。すなわち「日本政府筋は1日夜、安倍首相が8日に胡主席と会談するとの情報について、「決まっていない。そうはならないだろう」と否定した。」という。共同通信の報道が正しいのか?産経が正しいのか?もう少し見極める必要がある。

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測量野帳とブロック・ロディア

2006-10-01 13:49:02 | 雑談
電車の中で思いついたことを書き留める手帳を探していた。次の記事を読んで、測量野帳(コクヨ)が適当であると考えた。
 石田豊「測量野帳とSARASA3」

私も使った覚えがあった。20年ほど前に通っていた大学の生協に売っていたのだ。土木関係の学生さんがたくさんいたからであろう。表紙が固くて、持ち運びに便利という印象が強い。しかし私の近辺では、野帳を店頭で売っている文具店を見つけることができずにいた。このたびようやく堂島アバンザのDeltaで見つけた。

ところで野帳を見つけられなかったとき、ロディアのブロックメモが、野外での筆記に適しているという記事を見た。派手な黄色のデザインだけで売っている割高のメモ帳という印象しか、私にはなかった。だまされたと思って使ってみると、確かに書きやすいので、常用するようになった。紙の質がいいし、しっかり作っているので乱暴に扱っても大丈夫だ。
 土橋正「「こっそりと進化していたロディア」 ロディア ブロックロディア」

野帳か?ブロックメモか?どちらを使うか悩むところだが、別にそれほど高価なものでもないので、併用するつもりである。
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