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3000ドルで脱北

2006-10-19 20:03:47 | 時事問題
ノリミツ・オオニシ氏の記事"With Cash, Defectors Find North Korea's Cracks"(http://www.nytimes.com/2006/10/19/world/asia/19defect.html)から、北朝鮮の体制のゆるみついて。大変具体的で興味深いので断片的にメモする。

・最大の障害はお金
Peter M. Beck( the Northeast Asia project director of the International Crisis Group)氏の発言。「脱北の最大の障害はお金にすぎません。十分なお金があれば、簡単に出ることができます。このことは、北朝鮮の市場化を表しています。とりわけ2002年に経済改革が実施されてからはそうです。」

・平均3000ドル
韓国内の北朝鮮出身者が、親戚を中国・東南アジア・モンゴルを経由して呼び寄せるために、平均3000ドル支払っているという。北朝鮮出身者は、北朝鮮に残したものに対してこのルートで送金できるという。手数料は20パーセントである。

また事情はよく分からないが、秘密ルートを使って、韓国人が北朝鮮にいる友人を中国の延吉に呼び出して数日間会うためには数百ドルでいいらしい。会合の後友人は北に戻る。

・飢えのためではない
さらに脱北は飢えや貧困のためではない。北の経済は不安定だが、中国や韓国との貿易のために改善している。2004年には2.2パーセント成長し、これは6年連続である。脱北者やブローカーによれば、北朝鮮人が国から出るのは、韓国の親戚に会うため、あるいは経済的機会を見つけるためである。1990年代のように飢えているからではない。もっとも政治的迫害の脅威は残っている。
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