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安倍首相、10月8日訪中?

2006-10-02 11:12:34 | 時事問題
1日の夜、インターネットのニュースを見ていると、毎日新聞サイトで、ものすごくビックリした。"Abe to visit China, SKorea from Oct. 8"。安倍首相が10月8日訪中、9日訪韓するというのだ。

折から、中国では陳良宇・前上海市共産党委員会書記が汚職で失脚し、対日強硬派の江沢民「上海閥」にかげりが見えているという報道がなされていた。胡錦濤国家主席が、安倍政権発足にあたり、「上海閥」を抑えて、ついに対日実務的関係路線を明確にする決断をしたのかと感慨にふけった。さらに8日は、中国では6中全会の初日であり、このときに首脳会談をするのは異例である。

しかし奇妙だ。1日の夜10時頃の時点で、毎日のサイトには、英語の記事があるが、日本語の記事が出ていない。英文記事を見ると共同通信のニュースがもとになっている。共同通信のサイトでは「8日に日中首脳会談 安倍首相が訪中」という記事が出ている。こちらは8日の訪中のことだけを伝えている。

共同通信の特ダネなので、他社は2日に追従するのかと思った。確かにそのようだが、情報に混乱が見られる。

毎日新聞のサイトでは、日本語記事が多数掲載されて、訪中訪韓は規定の事実のようである。「安倍首相訪中:胡錦濤国家主席と会談固まる 韓国訪問も」「安倍首相:「変化」期待の中韓両国側と思惑が一致」「安倍首相訪中:アジア外交立て直しへ強い意欲 補選前に」「安倍首相訪中:最悪の対日関係改善に強い希望 胡指導部」という記事がならんでいる。

そこでは、訪中が安倍政権にとっても諸刃の刀であることは、しっかりと指摘されている。

「ただ、訪中・訪韓が実現しても、靖国参拝など歴史認識問題で小泉純一郎前首相と同様、首脳同士の溝の深さが際立ってしまえば、かえって日中・日韓関係の改善が遠のきかねない。中国側が首相訪中を受け入れたこと自体は関係改善の意欲の表れだが、対中強硬派を支持基盤とする安倍政権だけに、靖国問題などでの譲歩を危ぶむ見方も出ている。」(「安倍首相訪中:アジア外交立て直しへ強い意欲 補選前に」)

だが毎日の報道に倣うのは、大手では日経のみである(「首相、8日に中国訪問・韓国歴訪も固まる」)。朝日新聞は、9月30日から、安倍首相は、10月8日に、訪中ではなく、訪韓することが固まったと報じていていた。10月2日になって、「日中首脳会談、8日前後で調整」という慎重な観測記事を出した。

「日本政府は、中韓両国に10月中に個別に首脳会談を行うことを要請。韓国側は応じる意向を示し、8日にも盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との首脳会談が実現する見通し。首相周辺は1日、「(中韓両国に)一緒に行けたら、その方がいい」と述べ、7~9日の連休中に中韓両国を訪問することで調整していることを示唆した。」

読売新聞も同様に慎重である。「日中首脳、8日にも会談…「靖国」打開策で詰めの協議」とする。

ここまでを総合すれば、現在、日中首脳会談のツメの最終段階にあるということなのであろう。

しかし産経はこれを完全に否定している。「中国「安倍首相、8日に日中首脳会談」 日本側は否定」。すなわち「日本政府筋は1日夜、安倍首相が8日に胡主席と会談するとの情報について、「決まっていない。そうはならないだろう」と否定した。」という。共同通信の報道が正しいのか?産経が正しいのか?もう少し見極める必要がある。

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