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獄中の中国人ジャーナリスト(簡単なコメント)

2006-03-26 00:05:08 | 時事問題
 中国では1970年代の後半、改革開放が行われました。経済面に関して門戸を世界に開き、技術やお金を中国に呼び込もうとしたのです。そのために計画経済を捨て、市場経済が目指されました。その成果は、ご存じの通り、今や中国は世界の工場と言われるまでになりました。しかし政治においては、いまだ共産党の一党独裁が維持されたままです。(共産党が生き延びるために、経済改革を行い、人々を豊かにしようとしているのです)
 
 一党独裁のため、党が許さない報道は中国では行われません。江沢民引退も、共産党幹部人事であるために、中国国内ではものすごい統制のもとに置かれています。ですからこの統制が破られたことに、中国共産党幹部はいらだち、結局スケープゴートを探し、たまたま趙岩氏が逮捕されたということになるでしょう。他のジャーナリストにも、見せしめとなるでしょう。(もっとも江沢民引退という情報は、意外なものでも何でもなく、中国に関心のある人なら誰でも予言できた類のものにすぎません。)
 
 これに対してニューヨークタイムズは、言論の自由、法の支配をかかげて、中国を批判しているのです。我々からすれば、何の異論もない原則ですが、中国からすれば認めがたいものです。なぜならば言論の自由は、共産党批判につながり、法の支配は、法に従い共産党が政権から退場ということにつながりかねません。要するに一党支配を、危うくするものは、みとめられないということです。中国では、このような主張を平和的な体制変革であると考え、大変神経質な態度をとっています。
 
 最終的には、妥協が行われるでしょう。胡錦涛訪米の手みやげとして、おそらく趙岩氏などが釈放されることになるのだと思われます。中国の経済発展の結果として、教育も政治的関心もある中産階級が増えてきているのですから、このような中国共産党の政治手法はいつまでも続くとは考えられません。
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