どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

江戸小ばなし

2021年02月12日 | いろいろ

    子どもも、大人も楽しめる江戸小ばなし/岡本和明・文/フレーベル館/2005年初版

 

 小ばなし、落語、昔話の底流はおなじでしょうか。

・欲張り

 働き者のおじいさんが、山へ柴刈りにいって帰ってくると、なんと二十四、二十五歳の若者になっていました。滝の水を一口のんだら、若返ったと聞いて、おばあさんが滝に出かけましたが、いつまでも帰ってこないで、おじいさんがいってみると、おばあさんの着物にくるまった赤ん坊が滝つぼのところで、「おぎゃあ、おぎゃあ」と、ないていました。

 昔話の「若返りの水」をもっとコンパクトにした小ばなしです。

・どじょう

 小僧さんが、和尚さんのいいつけでどじょうを買いに行った帰り、近所の子どもたちから声をかけられました。

 「とっくりのなかにはお酒が入っているの?」

 「ちがうよ」

 「醤油がはいっているの?」

 「ちがうよ」

 「じゃあ、なにが入っているのさ?」

 「あててみな」

 「あたったら、なにをくれる?」

 「なかのどじょうを、一匹やるよ」

 落語のようなオチ。

どら息子

 仕事もせず、毎日遊んでばかりいる息子を見かねた親戚が集まって、意見をしていました。

 「お前は親に働かせて、自分ばかり遊んでばかり。そんなことでどうする。親というものは千両、万両だして買えるもんじゃないんだ。これからは、けっして親を粗末にしてはならんぞ」

 すると、息子はすなおに

 「おっしゃるとおり、お金で買えないのが親でございますが、売ろうと思っても、買い手がございません」

・しゃくなひと言

 向こうからやってきた友だちに、「おっ、そこの貧乏神、どこへいくんだ?」と、からかうと、友だちは「これからお前の家へいくんだ」といって、通り過ぎてしまいます。

 用事を済ませて帰る途中、さっきの友だちがやってきたので、こんどは「福の神」、どこへいく?」というと

 「今、お前の家から出て、帰るところだ。」

  貧乏神はご遠慮願いたいのですが、福の神に去られるのも困ります。


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