どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

クムカン山のトラたいじ

2017年09月09日 | 絵本(昔話・外国)


    クムカン山のトラたいじ/松谷 みよ子・文 梶山 俊夫・絵/ほるぷ出版/1991年



 キルリヨンには、父さんがいません。クムカン山の大トラを退治にいって、それっきりかえってこなかったのです。

 キルリヨンは、八つになったとき、父さんのかたきを討とうと、鉄砲の稽古を始めます。

 三年たっても母さんはうんといいません。さらに三年、もう三年たって、母さんはおくりだしてくれます。

 歩き続けてクムカン山のふもとにつくと、チャカルク チャカルクと機をおっているおばあさんがいて、「いつも、心の目をみひらいていくんだよ」と助言してくれます。

 この助言のおかげで二頭のトラを退治することに成功しますが、やがてあらわれたのは大トラ。

 いくら鉄砲をうっても跳ね返され、キルリヨンは、大トラに飲み込まれてしまいます。

 大トラのはらのなかには、たくさんの骸骨。父さんの骨にも気がつきます。

 さらに一人の娘も。キルリヨンは刀で大トラのはらをさして・・・。

 楽しいのはキルリヨンが娘に「しりのあなから 外をみて、どこに いるかしらせてください」という場面。

 尻の穴からは、山が見えます。

 大トラのはらのなかには、水も果物もあります。三日三晩大トラのはらのなかで生き続けられたのは、このおかげです。


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