どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

くらやみきんしの国

2021年02月01日 | 絵本(外国)

      くらやみきんしの国/エミリーハワース=ブース・作 おおつか のりこ・訳/あかね書房/2020年

 

 暗闇がこわい王子は、王さまになったら、暗闇をなんとかしようときめていました。やがて王さまになると、大臣たちに自分の考えを話しました。

 禁止と言い渡しては、国民がすんなりと受け入れないと思った大臣たちは、自分でたちで決めたとおもわせるため、うわさを流しました。

  くらやみは おそろしい

  くらやみは つまらない! あそべない!

  いまあかされる くらやみの すべて! くらやみは お金をぬすんでいく おもちゃも おかしも とっていく!

 誰もが、暗闇を不安に感じたことはありませんでしたが、きゅうに 暗闇が とんでもない悪いものに 思えてきました。そこで みんなは お城まで行進し、暗闇を禁止すべきだと訴えました。

 大臣たちは、自分たちの思い通りになったと思い込み、大喜びしました。

 王さまは、巨大な人工太陽塔を作らせ、お城の前に据えました。

 本物の太陽が沈んでも、人工太陽は照り続けます。どこの家のカーテンはとりはらわれ、窓にも、あかりがともり、だれもが 一晩中うかれて騒いでいました。

 ところがしばらくすると、みんなは、眠れなくなり、暗闇をとりもどそうとします。

 大臣たちは楽しい花火パーティーでごまかそうとしますが・・・。

 

 どうなるかは想像できますが、えらい人たちが、自分たちできめさせたようにもっていくのは、今も同じかもしれません。情報操作には要注意です。

 みんなが暗闇をとりもどすために、明かり警察に対抗して、家の明かりを順々に消す場面があります。二ページにわたって100以上の家が小さく描かれ、一軒一軒の明かりが消えていく様子は、動画にしたら楽しそうでした。


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