どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

なみなみのへっぴりじじ・・岩手

2024年03月15日 | 昔話(北海道・東北)

        岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年

 

 ”へ”の話もいろいろ。

 正直で一生懸命働くずんつぁが、長者どんの山で、パッカパッカ木を切っていると、長者さまに見つかって、「そこで木を切るやつ。どこの何者だあっ」と、大きな声で叫ばれた。

 「なみなみのへっぴりじじでがす」というと、長者は「こごさきて聞かせろ」という。ずんつぁは、「へっつーものに、ポー、ピー、スーと三いろあって、スーと出るのがいちばんくせいが、このじじのたれるのは音っこのほうでがす。一番大きいのは、てっぽう玉へで、つぎは太鼓へ、そのつぎははしごへです」といったれば、長者が「みんなたれてみろ」という。

 ずんつぁは、まずドカンとてっぽう玉へをやらかして、つぎに太鼓へでポンポンポン。それからブー、ブーと二回たれてはしごへ。

 よろこんだ長者が、「宝物をやるが、重いほうがいいか、軽いほうがええか」というので、ずんつぁは、「年とって、力もねえから、軽いのもらっていきます」といって、軽いほうをもらって家に帰った。軽いかごには、きれいな着物だの、米だの、おさかなだの、ぜにっこが たくさん出はってきた。

 つぎの日、となりのばあさまが、火のたねっこもらいにきて、「なんで、赤い着物着て、うまいものくってませ」と聞かれたから、長者どんの家からもらってきた」と語って聞かせると、となりのずんつぁも、長者のところで、”へ”をたれることになりますが・・・。

 

 「となりのずんつぁが、重いかごをもらってかえると、なかからでてきたのは きたないものばかり」というのは、「隣の爺」型の終わり方です。


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