どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ゆきのげきじょう

2024年02月11日 | 絵本(日本)

    ゆきのげきじょう/荒井良二/小学館/2022年

 

 雪のふる小さな町。

 男の子は、チョウの図鑑をみていました。黄色・赤・水色・白のうつくしいチョウ。遊びにきた友だちは、図鑑を貸してほしかったようです。お父さんが大事にしていた図鑑が、やぶれていました。

 お父さん怒るかなと思いながら、スキーを滑っていると、くぼみがあることを忘れて おちてしまいました。そこに灯りのついた 小さな劇場をみつけました。

 男の子が、舞台から落ちた人を、もとにもどしてあげると、雪の人たちは お礼に、今日の舞台に招待してくれました。くるくるまわるバレリーナがやってきて、クルクルささやくと、そこには、大きな雪の劇場がありました。雪の劇場がはじまりました。ふわりふわり、ゆっくりしずかな舞台。歌声が小さく小さく聞こえ、こまの歌をうたっていると、その歌がだんだん大きくなりました。”こまよ こまよ ゆきのこまよ おおきくまわれ ゆきのこまよ”。男の子も舞台にあがって、みんなと 歌をうたいます。雪の女王もきいています。女王が ゆっくり手をあげると、雪が ふわりふわり まいおりてきて、どんどん どんどん ふってきて、まわりが見えなくなってきました。友だちが見えた気がして、オーイオーイと手をふっても、雪で 見えなくなりました。

 ”おーい””おーい” とよんでいると、「さあかえろう」と 父さんの大きな手。父さんの本をやぶったことをあやまった男の子。でも父さんは、友だちへ図鑑を貸すようにいいました。あったかい部屋で ココアを飲みながら歌っていると、雪のふる小さな町に 夜がきました。

 雪がふる中、黄色・赤・水色・白・オレンジ・緑・紫・ピンクのチョウがとぶさまは、幻想的。荒井さんは山形うまれ。シーンとした雪の白と、透き通るような暖色の絵が温かい。


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