遠藤登志子の語り 福島の民話/吉沢和夫・藤田浩子・編/一声社/1995年初版
「姥の皮」は、継母から川に突き落とされた娘が、婆さまから「姥の皮」をもらって、長者の屋敷で働き、そこの息子と結ばれる話ですが、ご本人にいわせると、この話は三晩で語るものだという。
川に流されるところまで一晩、姥皮脱いだところまでが一晩、そして最後。
冒頭で継母が、娘に厳しく仕事をさせる場面がでてきます。
洗濯では、手がのろい、足がのろいといわれ、飯炊きは燃えねえ木で炊かせたり、ぼろになった布を、着れるようにする針仕事。
女の仕事は、畑仕事から、味噌つき、裁縫、糸取り、機織り、書を書くこと、歌、舞などなど。
このあたりをくわしく語っていくと長くなり、省略するとあっというまに終わるような自由自在な語りが遠藤さんの語りのようです。
普段は婆様だが、あるときお姫様のように化けた娘?をみて、末の息子がどうしても嫁にしたいといいだし、親が、針仕事、飯炊き、機織りさせてみると何でもこなしてしまう娘だったので、納得します。
継母のきびしい教えが、娘にしあわせをもたらしてくれるので、はじめの憎たらしいイメージがかわるところが面白いところです。
昔の女性は、なんでもこなせなくてはならず、大変だったようです。それにくらべると男は・・・。
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