どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

きつねとかわうそ

2024年06月30日 | 絵本(昔話・日本)

    きつねとかわうそ/梶山俊夫:再話・画/福音館書店/2016年

 

 山のきつねと、かわにすむかわうそが、道でであって「ごっつおの よびあいを しねえか」となって、きつねは、かわうそいえで、やきざかなをいっぺ いっぺごちそうに。

 次の日、かわうそが、きつねのいえにいってみると、きつねは、てんじょうばっか むいて へんじもしねえし、ふりむきも しねえ。かわうそは、しかたなく うちへ かえったてや。

 次の日、きつねは、かわうそのうちで、いっぺ いっぺ ごちそうに。

 次の日、かわうそが、きつねの家に行くと、きつねは こんどは したばっか むいて へんじも ふりむきもしねえ。かわうそは、おこって、うちに、かえたってや。

 仏の顔も三度ならぬ二度。次に、かわうそは、きつねがやってくると、こんどはさかなをくわせず、川に氷がはったら、しょんべんで、あなをあけて、しっぽを つっこんでおけば ひきあげられないほど さかながとれると、はなしてやります。

 真に受けたきつねが、こおりに穴をあけ、しっぽをつっこんでいくと、川は しみしみ こおってくってや。さかなが いっぺ とれたかなと しっぽを ひきあげようとすると、なかなか、ひきあげられない。ははー、ひきあげられないほど さかなが かかったとと、ほくほくしたきつね。

 そこへ、こどもらがやってきたので、あわててにげようと、しっぽがひきあげても、こおりついていて、あげつことも、できん。

 りきんでりきんで、しっぽをひきあげると、しっぽは ねもとから ぷつんと、きれてしまった。

 

 昔話には、どうしても方言が欠かせません。共通語では、特有のリズムがでてこないのです。新潟の昔話がもとになっているようですが、岩手、青森にも同様の話があり、イソップのほか、外国にもにもみられるパターン。

 梶山さんの ぴったりの絵と方言が楽しめます。


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