どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

アレクサンダーと命水・・イラン

2019年01月17日 | 昔話(中近東)

       世界の水の民話/外国民話研究会/三弥井書店/2018年


 いにしえの王や皇帝がおいもとめた不老不死の薬。

 あのガイウス・ユリウス・カエサル、ナポレオンからも大英雄とみなされてアレクサンダーを模した二本角アレクサーダーが永遠の命を手に入れるため<命水の泉>をもとめて旅に出ます。

 <命水の泉>は、ガーフ山の中の<闇>という洞窟の中。洞窟の入り口までは70年かかります。
 到達から逆算して10歳、20歳の若者を随行者としてつれていくことに。

 随行者の中に、年をとった父をもつ若者がいましたが、父親は一緒につれていけと息子にいいます。

 この父親の知恵で、闇の中を前進して、泉に到着しますが、たくさんの泉で、どこの泉から水を汲めばいいかわかりません。
 ここでも、年取った父親から「干し魚を泉になかに投げ入れて、魚が生き返った泉が命水の泉だ」といわれて、そのとおりにすると魚が生き返ります。

 若者が、そのような策を考えられるはずがないと、アレクサンダーが問い詰めると、若者は、本当のことをはなします。

 命水を手に入れたアレクサンダーは、来た道をもどっていく途中で、水を飲んで永遠の人生をはじめようとしますが、どこからか「こんにちわ。アレクサンダー。命水おめでとう」という声。よくみると一匹のハリネズミがいました。

 ハリネズミから、命水を飲むとこんな姿になると聞いたアレクサンダーは、命水をどうしたのでしょうか。

 往復140年で、随行者の命も保証がありません。命水を飲んでハリネズミになる道を選んだかは、さだかでありません。

 皮肉なことにアレクサンダー大王は33歳で亡くなっています。


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