どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

私はどこで生きていけばいいの?

2018年10月27日 | 絵本(社会)


   私はどこで生きていけばいいの?/文・ローズマリー・マカーニー 訳・西田佳子/西村書店/2018年


 今世界のどこかで、住む家もなく家族と食事もできない人々がいます。

 戦争で危険がせまり、住み慣れた故郷をはなれざるをえなくなり、安住の地をもとめながら、旅する難民。

 以前に比べると、シリアから地中海をとおって、ヨーロッパの各地を目指した難民の情報が少なくなっているようなきがします。
 今、ホンジュラスからアメリカをめざす移民キャラバンも、犯罪が横行し危険にせまられた人々。2000キロをこえる距離を徒歩というのは想像を絶します。

 家族みんなで荷物をまとめ旅立つ人々と子どもたち。

 難民の状況を知り、問題を考えるきっかけとなることを目指して作られた写真絵本ですが、過酷な状況を理解できるところまではいきません。というのはあまりにも安穏な生活をしているからです。

 六千万人以上をこえるといわれる難民。

 笑顔の子どもの写真が何枚かあるのが救いです。子どもの希望や夢を奪うのは誰にもできないはずです。人間ってなぜ、こんなに愚かなのでしょうか。


おならのしゃもじ

2018年10月27日 | 絵本(昔話・日本)


        おならのしゃもじ/文・小沢正 画・田島 征三/教育画劇/2003年



 いつもおなかをぺこぺこさせた、とってもまずしい若者。
 おみやにいって、おいのりをしたかえり、みちばたに落ちていた二つのしゃもじをみつけます。

 赤と黒いしゃもじ。
 どこからか こえがきこえてきます。
   おしりだ おしり
   あかい ほうで なでろ
   くろい ほうで なでろ

 なんのことだろうと、茶店につながれている馬のおしりを、あかいしゃもじで、おしりを つるん とすると おなら。いつまでたっても、おならは やみません。
 若者が、ためしにくろいほうのしゃもじで、おしりをつるんとすると、おならは、ぴたりと やみます。

 なるほどなるほどと、うなずいた若者。
 次は、小僧の首をよこせと、わめいていたおさむらい。
 その次は、ちょうじゃどんの、ひとりむすめ。

 なにしろ、このおなら強烈そのもの(といっても臭くはなさそう)
 田島さんの絵もぴったり。

 若者は長者の娘と一緒になり、幸せになりますが、気になるのはしゃもじのゆくえ。

 おならのリズムも 
  おいもと ごぼうが どんどこどん
  かぼちゃと らっきょが どんどこどん
  きなこと おもちが どんどこどん
 とありますが、深くは考えない方がよさそうです。

 読み聞かせでは、このおならの音は、どんなふうに読んでいるか興味がわきました。