小川原湖自然楽校だより

~親子自然体験、環境教育、森のようちえん、防災教育~

『イヌイットの壁かけ』 ~素敵な本紹介~ 

2016-05-27 | おすすめ
こんにちは。連日暑い日が続き、朝晩の気温差が激しいですが、みなさん風邪など引かれていませんか?
昨日、おいらせ町の図書館でとっても素敵な本に出会ったので、ご紹介したいと思います
(※本の感想は、あくまでも個人的なものです)


『イヌイットの壁かけ』 岩崎昌子 著 という本です。
これは、極北の地に生きるイヌイットが着るパーカ(防寒着)に使われるフェルト生地を切り抜いたものを、
スコットランドダッフルとよばれる厚い布地にアップリケして作られた壁かけ(布絵)の写真集です。
※パーカは本来、カリブーやアザラシなどの皮を、動物の骨で作った針とスジから作った糸で縫い合わせて作られていましたが、
近年になり、ダッフル地や防水加工されたキャンバス地などで作られるようになりました。



 

題名に惹かれて手に取ったこの本。
開いてみると・・・『なにこれー』という衝撃が走りました。

色鮮やかなフェルトとステッチで活き活きと描かれる、イヌイットの暮らし。
人々の表情が、日本人の感覚に近いようで、でもどこか違う。
人間も動物も同じ「いきもの」として存在し、精霊や化身とともに在る世界観。

民族の伝統品というと、独特の模様や柄、壁画に描かれているような抽象画を思い浮かべていましたが、
この壁かけはまるで絵本のように、画がわかりやすくて、ユーモアがあり、美しいのです!
子どもたちも楽しみながら、イヌイットの暮らしを知ることができる本だと思いますので、親子で読むのも
おすすめです

一年のうち八ヶ月間もの長い冬が続き、木すら生えない氷の大地は、色彩も乏しく人々も黙々と生きている
イメージを持っていましたが、この壁かけは、色彩豊かで人々の顔は笑みをたたえ、生きものたちを尊び
ながら営む暮らしが表現されていて、イヌイットのことをもっと知りたい!と、見れば見るほど引き込まれ、
夜中まで読みふけってしまいました(笑)
素晴らしい壁かけ。いつか、本物を見に現地に行ってみたいです


みねちゃん


おまけ
なぜ、イヌイット?と思われた方もいると思いますが、実は、隊長は・・・
クマではなく(お約束、カヌービルダーつまり、カヌー職人なんです
作るカヌーの種類は様々ですが、スキンカヤックというカヌーは、イヌイットの人々が狩りをする時に使うもので、
使う人の体型に合わせて一つ一つ手作りします。

 
先月の様子。隊長、なにやら作業を始めました。       もちろん、パドルも製作します。

少しわかりにくいですが、こんな感じです。
(ここでは帆布を使っていますが、イヌイットはアザラシなどの海獣の皮を張って作ります。)
校内にもいくつか展示していますので、スキンカヤックに興味のある方・見てみたい方は、事前にご連絡のうえ、
お気軽にお越しください 
小川原湖自然楽校
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