観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

私のお気に入りの場所

2014-06-01 17:54:16 | 14
3年 大竹翔子


 私には前から何かあると訪れる場所がある。その場所は家の近所にある神社だ。あまり大きくはないが、由緒正しい鎮守社である。近くを大きな国道が通り、そばには小学校がある喧騒な市街だが、この神社と神社に隣接する公園はとても静かで落ち着きのある場所である。
 この研究室に入室してから、植物や昆虫に対しての興味が強まった。今までとは異なった視点を持ってこの場所で過ごしてみると、今まで気が付かなかった生き物たちの息遣いを感じるようになった。神社や公園にはたくさんの種類の植物が生えている。春になるとあちらこちらから草木が芽吹き、蛙が冬眠から目覚め、昆虫たちも活動を始める。5月を迎え、植物はより一層緑を深めた。
 通学時、朝早い時間に神社の脇を通るとクロアゲハがヒラヒラと飛んでいた。また、夜が深まった帰り路に神社に寄れば、アオシャクの仲間が葉っぱにベッタリくっついているし、耳を澄ませば虫の鳴く声が聞こえてくる。休日に散策してみればハルジオンに甲虫がやってきていた。境内にこの地域では珍しいソロの木が生えていることは最近になって気付いたことだ。注意深く見ていなかっただけで、たくさんの生き物たちがそこに生息していた。
 この場所がなぜ好きなのか、そういうことを考えたことは今までなかったのだが、無意識のうちに、このような自然の営みに癒されていたのかもしれない。おもしろさを感じていたのかもしれない。これから夏になれば蝉が合唱し始めるであろうし、秋には植物が紅葉するだろう。きっと今まで存在に気付かなかった他の昆虫たちにも会えるのではないだろうか?季節の移り変わりが楽しみである。

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