廣元祥恵
先日静岡の伊豆に足を運ぶこととなった。お目当ては7月15日に誕生したホワイトタイガー雌二匹の双子の子。晴れ晴れとした天候に恵まれ、夏の伊豆ということもあり、海水浴に赴く人々も大勢見受けられ、絵に描いたような夏の光景があった。海沿いの電車に揺られながら着いた最寄り駅から目的地まではバスで10分程の道程であったが、初めての土地ということあって、徒歩で向かうことにした。見慣れない風景に逐一感動しながら休憩を挟まず歩みを進めたものの、到着したのは駅を出て2時間以上あとのこと。車で10分程ならば徒歩でもさほど時間は掛からないだろうと踏んでいたので、長いコンクリートの坂道を経て、動物園に到着する頃にはすっかり疲れきってしまっていた。
到着した伊豆アニマルキングダムは、平日でもなかなかの盛況具合であった。ホワイトタイガー2頭に加えて、ホワイトライオンの子供の公開も始まっており、プラケースに入れられた彼女らを至近距離で観ることができた。上野動物園や横浜ズーラシアに比べると規模の小さな動物園であったが、大きな空間でシマウマやアルパカ、ダチョウなどさまざまな動物が混在して展示されていたり、ふれあい広場にはモルモットなどよく目にする動物のほかにカピバラ、マーラ、アルマジロなど触れる機会の少ないだろう珍しい動物もいた。どの草食動物のゾーンでも大方餌やりを体験できるようセットされていたり、園内の随所にマニアックな動物に関する知識が提示してあったりと、人と動物の近い動物園であった。
幸運にも偶然に、動物園のガイドツアーに参加することができ、インタープリテーションの経験をすることとなった。ガイドが大型肉食獣のゾーンに入った際に、スタッフの方の一人に質問をしたところ、快く応答してくださり、ツアー途中にも関わらず付き合ってお話しをしてくれた。人工保育された動物は育児放棄をしやすいこと、ライオンの雄から精巣を取り除いてしまうとホルモンの関係でたてがみが抜け落ちてしまうこと、同じネコ科の大型肉食獣でもライオン、トラ、チーターの3種で繁殖ひとつをとってもまるで違うこと、大型肉食獣は間接飼育であるからさほど力がいらないこと、草食動物を取り扱う方が女性飼育員には難しいことなどを聞くことができた。経験豊富な飼育員の方から親切に直接対話させて頂き、質の高い経験となった。人と動物、のみならず飼育員の方とも距離の近い動物園は珍しいと感じた。
さまざまな動物園に足を運ぶが、どこもそれぞれが個性ある様式で、そこには人を惹きつけるための工夫が詰まっている。動物園でさまざまな動物を次々と目にするだけでも、それぞれの動物の個性を感じることができる。動物園はアイデアの宝庫であるように思った。
先日静岡の伊豆に足を運ぶこととなった。お目当ては7月15日に誕生したホワイトタイガー雌二匹の双子の子。晴れ晴れとした天候に恵まれ、夏の伊豆ということもあり、海水浴に赴く人々も大勢見受けられ、絵に描いたような夏の光景があった。海沿いの電車に揺られながら着いた最寄り駅から目的地まではバスで10分程の道程であったが、初めての土地ということあって、徒歩で向かうことにした。見慣れない風景に逐一感動しながら休憩を挟まず歩みを進めたものの、到着したのは駅を出て2時間以上あとのこと。車で10分程ならば徒歩でもさほど時間は掛からないだろうと踏んでいたので、長いコンクリートの坂道を経て、動物園に到着する頃にはすっかり疲れきってしまっていた。
到着した伊豆アニマルキングダムは、平日でもなかなかの盛況具合であった。ホワイトタイガー2頭に加えて、ホワイトライオンの子供の公開も始まっており、プラケースに入れられた彼女らを至近距離で観ることができた。上野動物園や横浜ズーラシアに比べると規模の小さな動物園であったが、大きな空間でシマウマやアルパカ、ダチョウなどさまざまな動物が混在して展示されていたり、ふれあい広場にはモルモットなどよく目にする動物のほかにカピバラ、マーラ、アルマジロなど触れる機会の少ないだろう珍しい動物もいた。どの草食動物のゾーンでも大方餌やりを体験できるようセットされていたり、園内の随所にマニアックな動物に関する知識が提示してあったりと、人と動物の近い動物園であった。
幸運にも偶然に、動物園のガイドツアーに参加することができ、インタープリテーションの経験をすることとなった。ガイドが大型肉食獣のゾーンに入った際に、スタッフの方の一人に質問をしたところ、快く応答してくださり、ツアー途中にも関わらず付き合ってお話しをしてくれた。人工保育された動物は育児放棄をしやすいこと、ライオンの雄から精巣を取り除いてしまうとホルモンの関係でたてがみが抜け落ちてしまうこと、同じネコ科の大型肉食獣でもライオン、トラ、チーターの3種で繁殖ひとつをとってもまるで違うこと、大型肉食獣は間接飼育であるからさほど力がいらないこと、草食動物を取り扱う方が女性飼育員には難しいことなどを聞くことができた。経験豊富な飼育員の方から親切に直接対話させて頂き、質の高い経験となった。人と動物、のみならず飼育員の方とも距離の近い動物園は珍しいと感じた。
さまざまな動物園に足を運ぶが、どこもそれぞれが個性ある様式で、そこには人を惹きつけるための工夫が詰まっている。動物園でさまざまな動物を次々と目にするだけでも、それぞれの動物の個性を感じることができる。動物園はアイデアの宝庫であるように思った。