修士1年 山本詩織
小学校からの友達2人と牧場へ行った。
地元から車で約1時間のところにあるその牧場には、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタにニワトリ、ヤギ、ガチョウと様々な動物がいて、誰でも自由に餌やりなどができる観光牧場となっている。
4月も後半にさしかかるというのに、牧場にはサクラが咲きみだれていた。私達はサクラが舞い散る中、動物たちの声を聞きながら牧場名物のジェラートをほのぼのと食べた。同じようにソフトクリームを買ったおじさんが、「あんめぇな~~!!」と豪快に食べていた。思わず笑ってしまったが、おじさんは「いや~、やっぱ味が違うよ~~牧場のはぁ」と気さくに話しかけてくれた。こうして知らない人ともオープンに話せるのが嬉しいので、私は旅行やお出かけが好きだ。うちの父もそうなのだが、普段は仏頂面な人でも旅先だと表情がやわらかくなっている気がする。旅行マジックだと思う。
ジェラートを食べ終わり、私達はヒツジがいるパドックにむかった。白・黒の定番のヒツジに加え、ブチに角が4つも生えた種類がいた。子ヒツジがピョコピョコはねたり、餌をねだる姿がとてもかわいかった。友達が「ヒツジなら飼えるかも!!」と言っていたが、大学にヒツジがいて牧場実習や毛刈りの実習をやったことがある身からしては、冷静に「大変だよぉ」と諭す感じになっていた。やっぱり動物と普段から関わる人とそうでない人では、動物に対する考え方が違うんだな、と改めて実感した。「ブタってね、想像以上に臭いんだよ。」と教えてあげると、素直な友達はブタのところに行って臭いをかいで逃げまどって帰ってきた(笑)。
牧場を一通りみて満足した私達は、ちょうどお腹も減ってきたのでお昼を食べに移動することにした。
私「どこがいいかなぁ?」
友達1「う~ん、牧場いった後でなんだけど、肉食べたいね(笑)」
私「!?」
友達2「いいね、あ、ビッグボーイがあるじゃん!」
友達1「お、いいね!! よし、入ろ~♪」
さっきまで生きたウシを「かわいい」と言って見ていたけど、食べるときになると人というのは考え方が変わるもので、お肉になったウシを「美味しい」と言っていただくのだ。かく言う私も食欲にはかなわず、お肉が食べたくなってハンバーグとなったウシを美味しくいただいた。生きてるウシと生きてたウシ…文章だと一文字だけの違いなのに、人の気持ちはコロッと変わる不思議。
何気なく無計画に行った牧場だったが、人や動物との触れ合いで改めて気付かされたことが多い、『まなびのまきば』だった。