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これどうしようかな・・・どうしようか考えてみます。

「世界名作の旅」に出る 1-4 ドストエフスキー

2007-10-09 | _よむ__

730歩。
ドストエフスキー作「罪と罰」の主人公ラスコールニコフは
殺人計画を立て、自分の下宿から現場までは きっかり730歩と
計っていたのだ。

この回の著者も 数えてみることにした。
ところが
何度計っても 730をこえてしまう。
「罪と罰」のモデル地は実在し
主人公の下宿はここ、金貸し婆さんの家はここ、と
何人ものドストエフスキー研究者によって調べ尽くされた
ペテルブルグの街中を
この回の著者は 730目指して歩き回る。

NHK BS「わが心の旅」で
ロンドンの漱石下宿を訪ねた 孫の夏目房之介の表情を思い出した。
その下宿を訪れるまで 漱石の孫である自分を意識することを
封印してきた自分は 下宿に着いても淡々とした気持ちのままなのではないか
・・・そんな風に予想していたのに、画面の中の房之介氏は
不意に涙ぐんでいた。

現在住んでいる人によって こざっぱりとしつらえられた室内に房之介氏が入ると
なんだか見ているだけの私にも 漱石の憂鬱が伝わってきたような気になった。
調べ尽くされて 整え尽くされて
それでもその先に 新しい何かが待っていた。
「会えてよかったね、房之介さん。」と
なんだかその時 知り合いみたいな気分になった。
(高校生の頃だったか、新聞と一緒に『週刊朝日』も 家で取っていた。
 『デキゴトロジー』という連載を毎週楽しみに読んでいたので、
 夏目房之介には どこか親戚のオジサンのような親しみを感じる。
 〔じゃ、漱石も親戚!?←そんな気になれるほど読んでみたいものだ…〕
 この間見たテレビ番組の中で 最近学生の間ではやっている言葉として
 KY〔空気、読めない〕、MMKなどが紹介されていたが、
 あっ、MMK!と 『デキゴトロジー』に何週にもわたって登場した
 『MMK〔もてて、もてて、困る〕おばさん』の話を思い出した。
 彼女たち〔何人もいたんです!〕は 今も
 MMKおばさん〔おばあさん!?〕としてがんばって?おられるのだろうか。。。)

えーと
ドストエフスキーの話でした。

あくまでも730を目指すこの回の著者が
この通り回りか あの広場経由か と 
730歩の試行錯誤を繰り返すペテルブルグの町は
博物館にあった19世紀なかばごろの地図と
道路の造りに違いは見当たらない。
けれど
この本そのものが1966年の発行なので
バザールで売られているのは
近くのコルホーズ(!)から運ばれてきた物だったり
肉や野菜の売り手から
「ソニー持ってるか」と声をかけられたりしている。

コルホーズとくればソフホーズ
テスト前に呪文のように丸覚えした言葉が
30年ほどの時を超えてもセットで響いてくる。
(内容は、というと 説明できるほど覚えていないが。。。)

「ソ連」のその地で
730歩に挑んだ(スミマセン、また大げさデス)この回の著者は
ある推理に達する。
けれど
推理もののラストは 明かしてはいけないような気がするので
今回は この辺でお開きということで。。。
                  どんど晴れ。

 

[2012/10/18 編集]

   

コメント
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