クマの出没騒動の陰で、鹿やイノシシの被害について報じられることはすっかり減ってしまった。世間からはほぼ忘れられたような気がする。
昨日は第3牧区でイノシシの被害を目の当たりにし、その後50頭ほどの鹿の群れを見た。夕方、第1牧区へ行ったら、やはり第3牧区で見たと同じくらいの鹿の群れが、和牛と一緒になって草を食んでいた。
この2枚目の写真は、人の接近を感じた鹿の群れが一度牛の群れから離れ、さらに逃げるべきか否かを判断するため、一瞬立ち止まったところである。
恐らく小入笠を頂点にした第4牧区の放牧地も、行けば同じような状況を目にするだろう。
聞いている鹿の繁殖力からすれば、もっと頭数が増えてもおかしくないような気がするが、そうとも思えない。だからと言って、減っているとは全く思わないから微妙なところだ。
鹿の被害が問題視されるようになってからすでに20年は過ぎている。行政を中心にいろいろな取り組みがここでも行われたが、有効な対策は打てないまま時が過ぎた。クマについても言えるが、行政が頼りにした専門家と言われる人たちは、残念ながらあまり期待に応えてはくれなかったと思っている。
ライチョウを北アルプスから中央アルプスに移し、繁殖させる計画は成功したと聞いている。それと比べてもっと切実な鹿の課題は、あまり進展を見ていない。難しい。
牧草を食べられ、牧柵を切られ、そうした被害を目にしても、情けないが牧場の隅でただ憤慨しているだけだ。以前のような鹿対策への意欲は湧いてこなくなった。
とは言え、いまだに避妊薬への期待はある。もしもそれが開発できれば、事業としてオオカミの尿を売るよりかも余程良さそうに思うが、法の問題や世論の反応などといった障害があるのだろうか。
昨夜、例の一粒800円の殺鼠剤を台所と作業場に1個づつ置いてみた。そしたら、きれいに食べられていた。しばらくは静かになるだろう。
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本日はこの辺で。