大雀の鉄砲

2012年02月04日 | その他植物









2011年5月末~6月上旬写真。

 オオスズメノテッポウ(大雀の鉄砲)。
英名・Meadow Foxtail


ヨーロッパから西アジア原産のイネ科の多年草。

カモガヤオオアワガエリと同じく明治期に牧草として導入され、その後帰化してイネ科花粉症の要因となっている雑草。
水辺や休耕田など、湿り気味の場所に多いように思える。


草丈は50~100センチ以上、葉舌(ようぜつ・葉鞘上部の膜、上写真参照)は切り落としたように滑らか。
4~6月ごろ、円柱状の花穂を伸ばす。

オオアワガエリと極めてよく似ておりしばしば混同されるが、開花時期が早めで、また花穂をよく見ると小片のつくりが異なり長毛が目立つ。
史前帰化植物のスズメノテッポウは草丈40センチ以下と小型で二年草、花穂の小片がより緻密で密着し毛は短め。
セトガヤは関東以西にのみ分布する。また雄しべの葯がセトガヤは白、オオスズメノテッポウは黄~紫という違いもあるが、花粉を放出したあとの葯はどれも白く見えるので、同定ポイントとしては少々頼りない。

「大雀の鉄砲」は、スズメノテッポウに似て大型であることから。「雀の鉄砲」は棒状の花穂を雀の持つ鉄砲と見立てて。
英名にある「meadow」は牧草地。


 イネ科 スズメノテッポウ属
属名のAlopecurusは、ギリシア語のalopex(狐)とoura(尾)が由来で、花穂の様子から。